就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、溶射技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 溶射技能検定作業の種類
- 資格取得に必要な試験
- 受験・応募資格・開催日程・合格基準
- 費用・試験科目
- 合格率
などが書いてあります。
溶射に関する知識と技能を証明することができる資格
溶射に関する知識と技能を証明することができる資格があります。
- 溶射技能士
です。
溶射技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している溶射技能検定に合格することで取得できます。
溶射技能検定は金属加工関係の技能検定で単一等級です。
選択作業は
- 防食溶射作業
- 肉盛溶射作業
です。
溶射技能検定の合格者には
- 労働安全コンサルタント試験の受験資格
- 作業環境測定士試験の受験資格
などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。
- 防食溶射作業
素地調整・粗さと清浄度判定などの粗面処理、溶射装置調整、防食溶射、封孔処理、溶射皮膜の試験・検査、溶射皮膜の修整などに関する技能・知識と、併せて、
溶射一般、電気、安全衛生などの知識も含まれる。 - 肉盛溶射作業
素地調整・荒さと清浄度判定・アンダーカット及び荒ねじ切りの適否判定などの粗面処理、溶射装置調整、肉盛溶射、封孔処理、溶射皮膜の試験・検査、溶射皮膜の修整などに関する技能・知識と、併せて、
溶射一般、電気、安全衛生などの知識も含まれる。
溶射技能士の資格コードは5415です。
大分類F 製造関連技能 中分類54 金属加工 |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
5415 | 溶射技能士 |
資格取得に必要な試験
溶射技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
(単一等級なので有効期限はありません)
免除要件の詳細はこちらに書いてあります。
受験・応募資格・開催日程
受験資格
溶射技能検定には、職業訓練歴、学歴、実務経験による受験資格があります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。
溶射技能検定受験資格 | ||
受験対象者 | 必要となる実務経験年数 | |
---|---|---|
実務経験のみ | 3年 | |
専門高校卒業 専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業 |
1年 | |
短大・高専・高校専攻科卒業 専修学校(大学編入資格付与課程)卒業 |
なし | |
大学卒業 専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業 |
なし | |
専修学校または 各種学校卒業 (厚生労働大臣が指定したものに限る) |
800時間以上 | 1年 |
1,600時間以上 | 1年 | |
3,200時間以上 | なし | |
短期課程の普通職業訓練終了 | 700時間以上 | 1年 |
普通課程の普通職業訓練終了 | 2,800時間未満 | 1年 |
2,800時間以上 | なし | |
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 | なし | |
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 | なし | |
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 | なし | |
職業訓練指導員免許取得 | なし | |
長期養成課程の指導員訓練修了 | なし |
開催日程
技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。
技能検定実施日程 | ||
前期 | 後期 | |
---|---|---|
実施公示 | 3月上旬 | 9月上旬 |
受験申請 | 4月上旬 | 10月上旬 |
実技試験問題の公表 | 6月上旬 | 11月下旬 |
実技試験 | 6月上旬から9月中旬 | 12月上旬から2月中旬 |
学科試験 | 7月中旬から9月上旬 | 1月中旬から2月上旬 |
※年度、都道府県で違いがあるので注意
費用・試験科目
資格取得に必要な費用
溶射技能士の取得に必要な費用は
- 実技試験手数料 18,200円
- 学科試験手数料 3,100円
合格基準
合格基準は、100点を満点として、原則として実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
防食溶射作業
実技試験
溶射技能検定 防食溶射作業実技試験の採点項目と配点です。
溶射技能検定 防食溶射作業実技試験は
製作等作業試験です。
※製作等作業試験は、労働安全衛生法に基づくガス溶接作業主任者免許証または、ガス溶接技能講習修了証その他資格を証する書面の携帯が必要です。
溶射技能検定 防食溶射作業 実技試験の採点項目と配点 |
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製作等作業試験 | |||
---|---|---|---|
採点項目 | 配点 | ||
問題1 | ブラスト面の判定 | 判定 | 100 |
作業動作 | |||
問題2 | 防食溶射作業 | 製品 | |
作業動作 | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
- 製作等作業試験 標準時間20分 打切り時間 35分
ブラスト面の判定、試験板のブラスト面への防食溶射(アルミニウム溶射)及び皮膜厚さ測定を行います。
試験科目
溶射技能検定 防食溶射作業の実技試験科目です。
- 防食溶射作業
粗面処理
溶射に使用する装置の調整
溶射
封孔処理
溶射皮膜の試験及び検査
溶射皮膜の修整
学科試験
溶射技能検定 防食溶射作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
溶射技能検定 防食溶射作業の試験科目です。
- 溶射一般
溶射の目的、種類及び特徴
金属の腐食及び摩耗
金属の表面処理
溶射に使用する装置及び附属設備の種類、用途及び使用方法 - 電気
電気に関する基礎知識 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - 防食溶射法
防食溶射に使用する材料の種類、成分、性質及び用途
前処理
防食溶射の方法
後処理
防食溶射皮膜における欠陥及びその対策
防食溶射に関する日本産業規格
肉盛溶射作業
実技試験
溶射技能検定 肉盛溶射作業実技試験の採点項目と配点です。
溶射技能検定 肉盛溶射作業実技試験は
製作等作業試験です。
※製作等作業試験は、労働安全衛生法に基づくガス溶接作業主任者免許証または、ガス溶接技能講習修了証その他資格を証する書面の携帯が必要です。
溶射技能検定 肉盛溶射作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
製作等作業試験 密着強さ試験片作製 |
|||
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採点項目 | 配点 | ||
作業動作 | 溶射装置の調整 | 100 | |
溶射作業 | |||
溶射皮膜厚さ測定 | |||
製品 | 溶射皮膜厚さ精度及び 密着強さ |
||
溶射皮膜厚さ測定精度 | |||
溶射皮膜のできばえ | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
- 製作等作業試験 標準時間 30分 打切り時間 40分
試験片のブラスト作業と肉盛溶射(SUS420J2鋼相当)を行い、密着強さ試験片を作製し、その皮膜厚さ測定を行います。
試験科目
溶射技能検定 肉盛溶射作業の実技試験科目です。
- 肉盛溶射作業
粗面処理
溶射に使用する装置の調整
溶射
封孔処理
溶射皮膜の試験及び検査
溶射皮膜の修整
学科試験
溶射技能検定 肉盛溶射作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
溶射技能検定 肉盛溶射作業の試験科目です。
- 溶射一般
溶射の目的、種類及び特徴
金属の腐食及び摩耗
金属の表面処理
溶射に使用する装置及び附属設備の種類、用途及び使用方法 - 電気
電気に関する基礎知識 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - 肉盛溶射法
肉盛溶射に使用する材料の種類、成分、性質及び用途
前処理
肉盛溶射の方法
後処理
肉盛溶射皮膜における欠陥及びその対策
肉盛溶射に関する日本産業規格
合格率
溶射技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。
防食溶射作業
溶射技能検定 防食溶射作業の合格率です。
溶射技能検定平成29年合格率 防食溶射作業 |
|||
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
単一等級 | 1人 | 1人 | 100% |
肉盛溶射作業
溶射技能検定 肉盛溶射作業の合格率です。
溶射技能検定平成29年合格率 肉盛溶射作業 |
|||
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
単一等級 | 68人 | 38人 | 55.88% |
溶射関連商品
溶射関連商品です。
動画紹介
ncnetjpさんのYOUTUBEに投稿している溶射技術/ thermal spray technologyの動画です。