電子機器組立に関する知識と技能を証明することができる資格

就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、電子機器組立て技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。

このページには

  • 電子機器組立て技能検定 特級、1級、2級、3級の違い
  • 作業の種類
  • 資格取得に必要な試験
  • 受験・応募資格・開催日程・合格基準
  • 費用・試験科目
  • 合格率

などが書いてあります。

電子機器組立てに関する知識と技能を証明することができる資格

電子機器組立てに関する知識と技能を証明することができる資格があります。

  • 電子機器組立て技能士

です。

電子機器組立て技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している電子機器組立て技能検定に合格することで取得できます。

電子機器組立て技能検定は電気・精密機械器具関係の技能検定で、
特級、1級、2級、3級があります。
選択作業は

  • 電子機器組立て作業(1級・2級・3級)

です。

電子機器組立て技能検定の合格者には

  • 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除
  • 労働安全コンサルタント試験の受験資格
  • 作業環境測定士試験の受験資格

などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。

  • 特級 電子機器組立て
    管理者・監督者に必要となる共通的な工程管理、作業管理、品質管理、原価管理、安全衛生管理、作業指導及び設備管理の技能・知識と、各職種における高度な専門的技能・知識が含まれる
  • 1級 電子機器組立て作業
    電子機器組立ての作業段取り・組立て・修理、電子回路の点検、工数見積りなどに関する技能・知識と、併せて、電子機器、電子及び電気、組立て法、材料、製図、安全衛生に関する知識も含まれ
    高度で複雑な電子機器組立てと工数見積りを含んだレベル
  • 2級 電子機器組立て作業
    電子機器組立ての作業段取り・組立て・修理、電子回路の点検、工数見積りなどに関する技能・知識と、併せて、電子機器、電子及び電気、組立て法、材料、製図、安全衛生に関する知識も含まれ
    通常の電子機器組立てと工数見積りを含んでいないレベル
  • 3級 電子機器組立て作業
    電子機器組立ての作業段取り・組立て・据付け、電子回路の点検、などに関する技能・知識となっており、2級に含まれている電子機器の修理が含まれていないレベル
    併せて、電子機器、電子及び電気、組立て法、材料、製図、安全衛生に関する知識も含まれる。

特級電子機器組立て技能士の資格コードは5704
1級電子機器組立て技能士の資格コードは5705
2級電子機器組立て技能士の資格コードは5706
3級電子機器組立て技能士の資格コードは5707です。

大分類F 製造関連技能
中分類57 電気・電子機器組立
免許・資格コード 免許・資格内容
5704 特級電子機器組立て技能士
5705 1級電子機器組立て技能士
5706 2級電子機器組立て技能士
5707 3級電子機器組立て技能士

資格取得に必要な試験

電子機器組み立て作業イメージ

電子機器組立て技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
(1級、2級、3級に有効期限はありませんが、特級の有効期限は5年間です)

受験・応募資格・開催日程・合格基準

受験資格

電子機器組立て技能検定は、特級は1級合格後5年、1級から3級はどの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。

電子機器組立て技能検定受験資格
受験対象者 必要となる実務経験年数
特級 1級 2級 3級
1級
合格後
2級
合格後
3級
合格後
3級
合格後
実務経験のみ 5年 2年 4年 7年 不要 2年 不要
専門高校卒業
専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業
6年 不要
短大・高専・高校専攻科卒業
専修学校(大学編入資格付与課程)卒業
5年
大学卒業
専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業
4年
専修学校または
各種学校卒業
(厚生労働大臣が
指定したものに限る)
800時間以上 6年
1,600時間以上 5年
3,200時間以上 4年
短期課程の普通職業訓練終了 700時間以上 6年
普通課程の普通職業訓練終了 2,800時間未満 5年
2,800時間以上 4年
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 1年 2年 3年
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 1年
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 1年
職業訓練指導員免許取得 1年
長期養成課程の指導員訓練修了 なし

開催日程

電子機器組立て技能検定開催日程

技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。

技能検定実施日程
前期 後期
実施公示 3月上旬 9月上旬
受験申請 4月上旬 10月上旬
実技試験問題の公表 6月上旬 11月下旬
実技試験 6月上旬から9月中旬 12月上旬から2月中旬
学科試験 7月中旬から9月上旬 1月中旬から2月上旬

※年度、都道府県で違いがあるので注意

受験手数料

電子機器組立て技能検定受験手数料
等級 実技試験 学科試験
35歳以上 35歳未満 全年齢
特級 18,200円 18,200円 3,100円
1級 18,200円 18,200円 3,100円
2級 18,200円 9,200円 3,100円
3級 18,200円 9,200円 3,100円
3級(学生) 12,100円 3,100円 3,100円

合格基準

合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。

特級 電子機器組立て

実技試験

特級電子機器組立て技能検定の実技試験は計画立案等作業で、試験時間は3時間です。

特級電子機器組立て 実技試験
実施形式 配点
計画立案等作業試験 100
試験科目

特級電子機器組立て技能検定の実技試験科目です。

  • 工程管理
  • 作業管理
  • 品質管理
  • 原価管理
  • 安全衛生管理
  • 作業指導
  • 設備管理

学科試験

特級電子機器組立て技能検定の学科試験は

  • 試験方式 五肢択一法
  • 出題数 50問
  • 試験時間 2時間

です。

試験科目

特級電子機器組立て技能検定の学科試験科目です。

  • 工程管理
    生産活動の流れ
    生産の形態
    工程管理の役割
    日程計画
    現品管理
    進度管理
    余力管理
    在庫管理
  • 作業管理
    作業の標準化
    方法研究
    作業測定の方法
    作業改善
  • 品質管理
    品質管理の考え方
    統計の基礎知識
    品質管理手法及びその活用
    管理図の種類及びその活用
    抜取検査の種類及びその活用
  • 原価管理
    原価管理の考え方
    原価構成要素
    原価低減及びその評価
  • 安全衛生管理及び環境の保全
    安全衛生管理
    環境保全
    公害防止
  • 作業指導
    教育訓練計画のたて方及び教育訓練の実施
    仕事の教え方
    改善の仕方
    人の扱い方
    教育訓練の方法
  • 設備管理
    設備管理の考え方
    設備点検の方法
    不良事項の原因及びその徴候
    設備診断
    設備と環境との関係
  • 電子機器組立てに関する現場技術
    エレクトロニクスに関する用語
    自動生産システム
    自動生産システムの構成機器
    プログラミング
    機器組立て法

1級 電子機器組立て作業

実技試験

1級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の実技試験の採点項目と配点です。

1級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の実技試験は
製作等作業試験です。

1級電子機器組立て作業 実技試験
実施形式 採点項目 配点
製作等作業試験 製品 外観 100
提出状態
機能確認
清掃不良、保護膜はがし不良
部品取付け
束線及び配線
はんだ付け
表面実装部品のはんだ付け
部品再支給
作業態度
作業時間

製品「外観」の採点項目

  • 束線・配線のできばえ
  • はんだ付けのできばえ
  • 汚れ・きず
  • 電源コードの束ね方
  • 端子の曲がり
  • 製作等作業試験 標準時間 4時間 打切り時間 4時間30分
    シャーシ、プリント配線板、IC、トランジスタ等の部品を用い、束線設計及び試験当日指示されるプリント板配線作業を行って、省エネコントローラの組立てを行います。
試験科目

1級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の実技試験科目です。

  • 電子機器組立て作業
    作業の段取り
    電子機器の組立て
    電子機器の修理
    電子回路の点検
    工数見積り

学科試験

1級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の学科試験は

  • 試験方式 真偽法及び四肢択一法
  • 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
  • 試験時間 1時間40分

です。

試験科目

1級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の学科試験科目です。

  • 電子機器
    電子機器用部品の種類、性質及び用途
    電子機器の種類及び用途
  • 電子及び電気
    電子とその作用
    電気及び磁気の作用
    電子回路
    電気回路
  • 組立て法
    電子機器の組立ての方法
    電子機器の組立てに使用する自動機及び器工具の種類及び使用方法
    手仕上げ
    電子機器の計測
    工作測定の方法
    品質管理
  • 材料
    半導体材料、導電材料、抵抗材料、磁気材料及び絶縁材料の種類、性質及び用途
  • 製図
    日本産業規格に定める図示法、電気用図記号及びシーケンス制御用展開接続図
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識

2級 電子機器組立て作業

実技試験

2級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の実技試験の採点項目と配点です。

2級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の実技試験は
製作等作業試験です。

2級電子機器組立て作業 実技試験
実施形式 採点項目 配点
製作等作業試験 製品 外観 100
提出状態
機能確認
清掃不良、保護膜はがし不良
部品取付け
束線及び配線
はんだ付け
表面実装部品のはんだ付け
部品再支給
作業態度
作業時間

製品「外観」の採点項目

  • 束線・配線のできばえ
  • はんだ付けのできばえ
  • 汚れ・きず
  • 電源コードの束ね方
  • 端子の曲がり
  • 製作等作業試験 標準時間 4時間 打切り時間 4時間30分
    シャーシ、プリント配線板、IC、トランジスタ等の部品を用い、束線は束線図を参考として束線を作製し、省エネコントローラの組立てを行います。
試験科目

2級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の実技試験科目です。

  • 電子機器組立て作業
    作業の段取り
    電子機器の組立て
    電子機器の修理
    電子回路の点検

学科試験

2級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の学科試験は

  • 試験方式 真偽法及び四肢択一法
  • 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
  • 試験時間 1時間40分

です。

試験科目

2級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の学科試験科目です。

  • 電子機器
    電子機器用部品の種類、性質及び用途
    電子機器の種類及び用途
  • 電子及び電気
    電子とその作用
    電気及び磁気の作用
    電子回路
    電気回路
  • 組立て法
    電子機器の組立ての方法
    電子機器の組立てに使用する自動機及び器工具の種類及び使用方法
    手仕上げ
    電子機器の計測
    工作測定の方法
    品質管理
  • 材料
    半導体材料、導電材料、抵抗材料、磁気材料及び絶縁材料の種類、性質及び用途
  • 製図
    日本産業規格に定める図示法、電気用図記号及びシーケンス制御用展開接続図
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識

3級 電子機器組立て作業

実技試験

3級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の実技試験の採点項目と配点です。

3級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の実技試験は
製作等作業試験です。

3級電子機器組立て作業 実技試験
実施形式 採点項目 配点
製作等作業試験 製品 外観 100
提出状態
機能確認
清掃不良、保護膜はがし不良
部品取付け
配線
はんだ付け
チップ部品のはんだ付け
部品再支給
作業態度
作業時間

製品「外観」の採点項目

  • 配線スタイル
  • はんだ付けのできばえ
  • 汚れ
  • きず
  • 端子の曲がり
  • 製作等作業試験 標準時間 1時間30分  打切り時間 2時間
    シャーシ、専用プリント配線板、IC、トランジスタ等の部品を用い、光検出器の組立てを行います。
試験科目

3級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の実技試験科目です。

  • 電子機器組立て作業
    作業の段取り
    電子機器の組立て
    電子回路の点検

学科試験

3級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の学科試験は

  • 試験方式 真偽法
  • 出題数 30問(真偽法30問)
  • 試験時間 1時間

です。

試験科目

3級電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の学科試験科目です。

  • 電子機器
    電子機器用部品の種類、性質及び用途
    電子機器の種類及び用途
  • 電子及び電気
    電子とその作用
    電気及び磁気の作用
    電子回路
    電気回路
  • 組立て法
    電子機器の組立ての方法
    電子機器の組立てに使用する器工具の種類及び使用方法
    手仕上げ
    電子機器の計測
    工作測定の方法
    品質管理
  • 材料
    半導体材料、導電材料、抵抗材料、磁気材料及び絶縁材料の種類、性質及び用途
  • 製図
    日本産業規格に定める図示法及び電気用図記号
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識

合格率

電子機器組立て技能検定合格率

電子機器組立て技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。

特級

電子機器組立て技能検定 特級の合格率です。

電子機器組立て技能検定合格率
平成
30年
受検申請者数 合格者数 合格率
特級 375人 122人 32.53%
平成
29年
受検申請者数 合格者数 合格率
特級 404人 104人 25.74%
平成
28年
受検申請者数 合格者数 合格率
特級 434人 124人 28.57%

電子機器組立て作業

電子機器組立て技能検定 電子機器組立て作業の合格率です。

電子機器組立て技能検定合格率
電子機器組立て作業
平成
29年
受検申請者数 合格者数 合格率
1級 1,006 438人 43.53%
2級 2,295人 1,023人 44.57%
3級 2,769人 1,893人 68.36%
平成
28年
受検申請者数 合格者数 合格率
1級 1,042人 456人 43.76%
2級 2,459人 1,087人 44.2%
3級 2,343人 1,611人 68.75%

電子機器組立て技能検定アンケート

電子機器組立て技能検定アンケート

20代 男性 2級

  • アンケート日時
    24年3月
  • 性別
    男性
  • 年齢
    20代
  • 所有資格 取得時年齢
    電子機器組み立て技能士 3級 16歳取得
    電子機器組み立て技能士 2級 17歳取得
  • 資格取得の動機
    高校での取得推薦で後押しされたので
  • 資格取得のきっかけ
    高校の先生がお勧めしてきたので
  • 資格取得に向けて行った勉強方法、勉強期間、費用
    高校にて、2か月間くらい放課後に2~5時間ずつ練習してました。(実技含む)
    1週間ほど、企業のプロが来て、技を直伝してもらいました。
  • 資格取得の難易度(1~5)
    難易度: 4 難しい
    筆記は簡単ですが、実技が普通に難しいです。
    トンカチ使うので、何回親指打ち付けたか分かりません。。。
    7番解答量の練習をしても、合格制限時間ギリギリでした。
  • 取得した資格が現在の仕事でどのように役立っているか
    半田ごての使い方やら、配線やらがめっちゃ上手になってるので、趣味や会社で役に立ってます。
    仕事の幅や、頼られ度は伸びてます。
  • 資格取得後のキャリアプラン
    英会話マスターと、IPAの資格を総取りしたいです。
  • 資格取得のメリット
    研究職でおりますが、ふと作りたくなった時に、外注せずぱっと物が作れます。
  • 資格取得のデメリット
    取得にすごく練習がいるので、遊ぶ時間が減ります。
  • 資格取得を目指す人へのアドバイス
    電子機器組み立て取るなら、本気を出してください。
    実技試験は、自分でモノをそろえて、10回以上は繰り返した方がいいです。
    また、プロがそばにいるなら、お金払ってでも教えてもらいましょう。

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動画紹介

技能検定チャンネル Presented by モノ蔵さんのYOUTUBEに投稿している電子機器組立て 実技試験練習の動画です。
※注意!!※ 映像に収録されている課題は平成24年(2012年)度の練習材料です。