就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、内燃機関組立て技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 内燃機関組立て技能検定 特級、1級、2級、3級の違い
- 作業の種類
- 資格取得に必要な試験
- 受験・応募資格・開催日程・合格基準
- 費用・試験科目
- 合格率
などが書いてあります。
内燃機関組立てに関する知識と技能を証明することができる資格
内燃機関組立てに関する知識と技能を証明することができる資格があります。
- 内燃機関組立て技能士
です。
内燃機関組立て技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している内燃機関組立て技能検定に合格することで取得できます。
内燃機関組立て技能検定は一般機械器具関係の技能検定で、
特級、1級、2級、3級があります。
選択作業は
- 量産形内燃機関組立て作業(1級・2級・3級)
です。
内燃機関組立て技能検定の合格者には
- 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除
- 労働安全コンサルタント試験の受験資格
- 作業環境測定士試験の受験資格
などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。
- 特級 内燃機関組立て
管理者・監督者に必要となる共通的な工程管理、作業管理、品質管理、原価管理、安全衛生管理、作業指導及び設備管理の技能・知識と、各職種における高度な専門的技能・知識が含まれる - 1級 量産形内燃機関組立て作業
内燃機関の組立て、主要部の寸法・すき間などの測定・判定、燃料噴射時期・圧力・点火時期等の調整、内燃機関の運転・調整、品質管理・工程管理などの組立て作業に関する技能・知識と、併せて、内燃機関、内燃機関組立て法、機械要素、機械工作法、材料、材料力学、製図、電気、安全衛生に関する知識も含まれ
組立て工数見積りや組立て作業工程解析などの品質管理・工程管理を含んだレベル。 - 2級 量産形内燃機関組立て作業
内燃機関の組立て、主要部の寸法・すき間などの測定・判定、燃料噴射時期・圧力・点火時期等の調整、内燃機関の運転・調整、品質管理・工程管理などの組立て作業に関する技能・知識と、併せて、内燃機関、内燃機関組立て法、機械要素、機械工作法、材料、材料力学、製図、電気、安全衛生に関する知識も含まれ
組立て工数見積りや組立て作業工程解析などの品質管理・工程管理が含まれていないレベル。 - 3級 量産形内燃機関組立て作業
組立て用機器による内燃機関の組立て、内燃機関主要部の寸法・すき間等の測定・判定、燃料噴射時期・燃料噴射圧力・点火時期・弁間隙・トップクリアランス・調速装置等の調整などの組立て作業に関する技能・知識となっており、2級に含まれている内燃機関の運転及びそれに伴う調整は含まれていないレベル。
併せて、内燃機関、内燃機関組立て法、機械要素、材料、材料力学、製図、電気、安全衛生に関する知識も含まれる。
特級内燃機関組立て技能士の資格コードは5608
1級内燃機関組立て技能士の資格コードは5609
2級内燃機関組立て技能士の資格コードは5610
3級内燃機関組立て技能士の資格コードは5611です。
大分類F 製造関連技能 中分類56 一般機械器具組立・修理 |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
5608 | 特級内燃機関組立て技能士 |
5609 | 1級内燃機関組立て技能士 |
5610 | 2級内燃機関組立て技能士 |
5611 | 3級内燃機関組立て技能士 |
資格取得に必要な試験
内燃機関組立て技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
(1級、2級、3級に有効期限はありませんが、特級の有効期限は5年間です)
受験・応募資格・開催日程・合格基準
受験資格
内燃機関組立て技能検定は、特級は1級合格後5年、1級から3級はどの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。
内燃機関組立て技能検定受験資格 | ||||||||
受験対象者 | 必要となる実務経験年数 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特級 | 1級 | 2級 | 3級 | |||||
1級 合格後 |
2級 合格後 |
3級 合格後 |
3級 合格後 |
|||||
実務経験のみ | 5年 | 2年 | 4年 | 7年 | 不要 | 2年 | 不要 | |
専門高校卒業 専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業 |
6年 | 不要 | ||||||
短大・高専・高校専攻科卒業 専修学校(大学編入資格付与課程)卒業 |
5年 | |||||||
大学卒業 専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業 |
4年 | |||||||
専修学校または 各種学校卒業 (厚生労働大臣が 指定したものに限る) |
800時間以上 | 6年 | ||||||
1,600時間以上 | 5年 | |||||||
3,200時間以上 | 4年 | |||||||
短期課程の普通職業訓練終了 | 700時間以上 | 6年 | ||||||
普通課程の普通職業訓練終了 | 2,800時間未満 | 5年 | ||||||
2,800時間以上 | 4年 | |||||||
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 | 1年 | 2年 | 3年 | |||||
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 | 1年 | |||||||
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 | 1年 | |||||||
職業訓練指導員免許取得 | 1年 | |||||||
長期養成課程の指導員訓練修了 | なし |
開催日程
技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。
技能検定実施日程 | ||
前期 | 後期 | |
---|---|---|
実施公示 | 3月上旬 | 9月上旬 |
受験申請 | 4月上旬 | 10月上旬 |
実技試験問題の公表 | 6月上旬 | 11月下旬 |
実技試験 | 6月上旬から9月中旬 | 12月上旬から2月中旬 |
学科試験 | 7月中旬から9月上旬 | 1月中旬から2月上旬 |
※年度、都道府県で違いがあるので注意
受験手数料
内燃機関組立て技能検定受験手数料 | |||
等級 | 実技試験 | 学科試験 | |
---|---|---|---|
35歳以上 | 35歳未満 | 全年齢 | |
特級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
1級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
2級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
3級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
3級(学生) | 12,100円 | 3,100円 | 3,100円 |
合格基準
合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
特級 内燃機関組立て
実技試験
特級内燃機関組立て技能検定の実技試験は計画立案等作業で、試験時間は3時間です。
特級内燃機関組立て 実技試験 | |
実施形式 | 配点 |
---|---|
計画立案等作業試験 | 100 |
試験科目
特級内燃機関組立て技能検定の実技試験科目です。
- 工程管理
- 作業管理
- 品質管理
- 原価管理
- 安全衛生管理
- 作業指導
- 設備管理
学科試験
特級内燃機関組立て技能検定の学科試験は
- 試験方式 五肢択一法
- 出題数 50問
- 試験時間 2時間
です。
試験科目
特級内燃機関組立て技能検定の学科試験科目です。
- 工程管理
生産活動の流れ
生産の形態
工程管理の役割
日程計画
現品管理
進度管理
在庫管理 - 作業管理
作業の標準化
方法研究
作業測定の方法
作業改善 - 品質管理
品質管理の考え方
統計の基礎知識
品質管理手法及びその活用
管理図の種類及びその活用
抜取検査の種類及びその活用 - 原価管理
原価管理の考え方
原価構成要素
原価低減及びその評価 - 安全衛生管理及び環境の保全
安全衛生管理
環境保全
公害防止 - 作業指導
教育訓練計画のたて方及び教育訓練の実施
仕事の教え方
改善の仕方
人の扱い方
教育訓練の方法 - 設備管理
設備管理の考え方
設備点検の方法
不良事項の原因及びその徴候
設備診断
設備と環境との関係 - 内燃機関組立てに関する現場技術
自動生産システム
自動生産システムの構成機器
プログラミング
内燃機関組立て法
材料
1級 量産形内燃機関組立て作業
実技試験
1級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の実技試験の採点項目と配点です。
1級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の実技試験は
製作等作業試験、計画立案等作業試験です。
1級量産形内燃機関組立て作業 実技試験 | ||
実施形式 | 採点項目 | 配点 |
---|---|---|
製作等作業試験 | 作業1 | 70 |
作業2 | ||
作業3 | ||
計画立案等作業試験 | 作業態度 | 30 |
- 製作等作業試験 作業1 標準時間 1時間40分 打切り時間 2時間10分
内燃機関(ディーゼル機関、ガソリン機関又はロータリー機関のうち指定された機関)の組立てを行います。 - 製作等作業試験 作業2 試験時間 10分
提示された内燃機関部品の寸法測定等を行います。 - 製作等作業試験 作業3
内燃機関の運転調整及び指示された項目の測定又は確認を行います。
ディーゼル機関の場合 標準時間 30分 打切り時間 45分
ガソリン機関又はロータリー機関の場合 標準時間 45分 打切り時間 1時間 - 計画立案等作業試験 試験時間 1時間30分
生産工程における品質管理、工程管理等について行います。
試験科目
1級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の実技試験科目です。
- 量産形内燃機関組立て作業
内燃機関の組立て及び調整
品質管理及び工程管理
学科試験
1級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
1級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の学科試験科目です。
- 内燃機関
内燃機関の種類及び特徴
内燃機関の構成要素の種類、構造及び機能
内燃機関の効率及び性能
燃料及び燃焼
潤滑方式 - 内燃機関組立て法
内燃機関の組立てに使用する器工具及び計測器の種類、用途及び使用方法
内燃機関の組立て及び調整の方法
内燃機関の性能試験の方法
品質管理 - 機械要素
機械の主要構成要素の種類、形状及び用途 - 機械工作法
工作機械の種類及び用途
その他の工作法 - 材料
金属材料及び非金属材料の種類、性質及び用途
金属材料の熱処理
材料試験 - 材料力学
荷重、応力及びひずみ - 製図
日本産業規格に定める図示法、材料記号及びはめあい方式 - 電気
電気及び磁気
電気機械器具の使用方法 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
2級 量産形内燃機関組立て作業
実技試験
2級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の実技試験の採点項目と配点です。
2級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の実技試験は
製作等作業試験です。
2級量産形内燃機関組立て作業 実技試験 | ||
実施形式 | 採点項目 | 配点 |
---|---|---|
製作等作業試験 | 作業1 | 100 |
作業2 | ||
作業3 |
- 製作等作業試験 作業1 標準時間 1時間50分 打切り時間 2時間20分
内燃機関(ディーゼル機関、ガソリン機関又はロータリー機関のうち指定された機関)の組立てを行います。 - 製作等作業試験 作業2 試験時間 10分
提示された内燃機関部品の寸法測定等を行います。 - 製作等作業試験 作業3
内燃機関の運転調整及び指示された項目の測定又は確認を行います。
ディーゼル機関の場合 標準時間 30分 打切り時間 45分
ガソリン機関又はロータリー機関の場合 標準時間 45分 打切り時間 1時間
試験科目
2級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の実技試験科目です。
- 量産形内燃機関組立て作業
内燃機関の組立て及び調整
学科試験
2級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
2級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の学科試験科目です。
- 内燃機関
内燃機関の種類及び特徴
内燃機関の構成要素の種類、構造及び機能
内燃機関の効率及び性能
燃料及び燃焼
潤滑方式 - 内燃機関組立て法
内燃機関の組立てに使用する器工具及び計測器の種類、用途及び使用方法
内燃機関の組立て及び調整の方法
内燃機関の性能試験の方法
品質管理 - 機械要素
機械の主要構成要素の種類、形状及び用途 - 機械工作法
工作機械の種類及び用途
その他の工作法 - 材料
金属材料及び非金属材料の種類、性質及び用途
金属材料の熱処理
材料試験 - 材料力学
荷重、応力及びひずみ - 製図
日本産業規格に定める図示法、材料記号及びはめあい方式 - 電気
電気及び磁気
電気機械器具の使用方法 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
3級 量産形内燃機関組立て作業
実技試験
3級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の実技試験の採点項目と配点です。
3級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の実技試験は
製作等作業試験です。
3級量産形内燃機関組立て作業 実技試験 | ||
実施形式 | 採点項目 | 配点 |
---|---|---|
製作等作業試験 | 作業1 | 100 |
作業2 | ||
作業動作 | ||
作業態度 | ||
作業時間 |
- 製作等作業試験 作業1
内燃機関(ディーゼル機関又はガソリン機関のうち指定するいずれかの機関)の組立てを行います。
2輪用エンジンの場合 標準時間 1時間15分 打切り時間 1時間30分
その他のエンジンの場合 標準時間 1時間 打切り時間 1時間15分 - 製作等作業試験 作業2 試験時間 10分
提示された内燃機関部品の寸法測定等を行います。
試験科目
3級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の実技試験科目です。
- 量産形内燃機関組立て作業
量産形内燃機関の組立て及び調整
学科試験
3級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法
- 出題数 30問(真偽法30問)
- 試験時間 1時間
です。
試験科目
3級内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の学科試験科目です。
- 内燃機関
内燃機関の種類及び特徴
内燃機関の構成要素の種類、構造及び機能
内燃機関の効率及び性能
燃料及び燃焼
潤滑方式 - 内燃機関組立て法
内燃機関の組立てに使用する器工具及び計測器の種類、用途及び使用方法
内燃機関の組立て及び調整の方法
品質管理 - 機械要素
機械の主要構成要素の種類、形状及び用途 - 材料
金属材料及び非金属材料の種類、性質及び用途 - 材料力学
荷重、応力及びひずみ - 製図
日本産業規格に定める図示法、材料記号及びはめあい方式 - 電気
電気及び磁気 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
合格率
内燃機関組立て技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。
特級
内燃機関組立て技能検定 特級の合格率です。
内燃機関組立て技能検定合格率 | |||
平成 29年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
特級 | 34人 | 9人 | 26.47% |
平成 28年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
特級 | 41人 | 12人 | 29.26% |
量産形内燃機関組立て作業
内燃機関組立て技能検定 量産形内燃機関組立て作業の合格率です。
内燃機関組立て技能検定合格率 量産形内燃機関組立て作業 |
|||
平成 29年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 388人 | 191人 | 49.22% |
2級 | 376人 | 163人 | 43.35% |
3級 | 151人 | 114人 | 75.49% |
平成 28年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 418人 | 205人 | 49.04% |
2級 | 403人 | 188人 | 46.65% |
3級 | 130人 | 111人 | 85.38% |
内燃機関組立て関連商品
動画紹介
広島県公式チャンネルさんのYOUTUBEに投稿している量産型内燃機関組立てのマイスター 池上常雄の動画です。