酸素欠乏・硫化水素危険作業 特別教育と主任者技能講習の違い

就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、酸素欠乏危険作業主任者と書いてある求人があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。

このページには

  • 酸素欠乏・硫化水素危険作業の業務に係る特別教育主任者技能講習の違い
  • 第1種と第2種の違い
  • 資格取得に必要な講習時間
  • 資格取得に必要な講習受講料

などが簡単に書いてあります。

酸素欠乏や硫化水素危険作業をするのに必要な資格

酸素欠乏や硫化水素危険作業をするのに必要な資格が4つあります。

  • 酸素欠乏危険作業の業務に係る特別教育(1種)
  • 酸素欠乏・硫化水素危険作業の業務に係る特別教育(2種)
  • 酸素欠乏危険作業主任者技能講習(1種)
  • 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習(2種)

簡単な違いは作業を行える環境、業務内容で、受講資格を18歳以上にしている講習機関と年齢制限のない講習機関があります。

(以後、作業の業務に係る特別教育を特別教育と省略してる場合有)

業務に係る特別教育と主任者技能講習の違い

  • 業務に係る特別教育
    酸素欠乏や硫化水素危険作業に係る作業者対象の講習です。
  • 主任者技能講習
    酸素欠乏や硫化水素危険作業の作業主任者として就業するために必要な講習です。

第1種と第2種の違い

  • 第1種
    酸素欠乏危険作業(第1種)は、酸素欠乏の危険がある場所での作業
  • 第2種
    酸素欠乏・硫化水素危険作業(第2種)は、酸素欠乏及び硫化水素中毒の危険がある場所での作業

根拠法令

酸素欠乏危険作業の業務に係る特別教育

令別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所における作業に係る業務

酸素欠乏危険作業主任者技能講習

事業者は、酸素欠乏危険作業については、第一種酸素欠乏危険作業にあつては酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、第二種酸素欠乏危険作業にあつては酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。

資格取得に必要な講習時間

酸素欠乏危険作業の業務に係る特別教育(1種)

酸素欠乏危険作業特別教育(1種)の修了に必要な講習時間は4時間です。

  • 酸素欠乏の発生の原因(0.5時間)
    酸素欠乏の発生の原因、酸素欠乏の発生しやすい場所
  • 酸素欠乏症の症状(0.5時間)
    酸素欠乏による危険性、酸素欠乏症の主な症状
  • 空気呼吸器等の使用の方法(1時間)
    空気呼吸器、酸素呼吸器若しくは送気マスク又は換気装置の使用方法及び保守点検の方法
  • 事故の場合の退避及び救急そ生の方法(1時間)
    墜落制止用器具等並びに救出用の設備及び器具の使用方法並びに保守点検の方法、人工呼吸の方法、人工そ生器の使用方法
  • その他酸素欠乏症の防止に関し必要な事項(1時間)
    労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則及び酸素欠乏症等防止規則中の関係条項、酸素欠乏症を防止するため当該業務について必要な事項

酸素欠乏・硫化水素危険作業の業務に係る特別教育(2種)

酸素欠乏危険作業特別教育(1種)の修了に必要な講習時間は5.5時間です。

  • 酸素欠乏等の発生原因(1時間)
    酸素欠乏等の発生の原因、酸素欠乏等の発生しやすい場所
  • 酸素欠乏症等の症状(1時間)
    酸素欠乏等による危険性、酸素欠乏症等の主な症状
  • 空気呼吸器等の使用の方法(1時間)
    空気呼吸器、酸素呼吸器若しくは送気マスク又は換気装置の使用方法及び保守点検の方法
  • 事故の場合の退避及び救急そ生の方法(1時間)
    墜落制止用器具等並びに救出用の設備及び器具の使用方法並びに保守点検の方法、人工呼吸の方法、人工そ生器の使用方法
  • その他酸素欠乏症等の防止に関し必要な事項(1.5時間)
    労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則及び酸素欠乏症等防止規則中の関係条項、酸素欠乏症等を防止するため当該業務について必要な事項

酸素欠乏危険作業主任者技能講習(1種)

酸素欠乏危険作業主任者技能講習(1種)の修了に必要な学科時間は9時間です。

  • 酸素欠乏症及び救急そ生に関する知識(2時間)
    酸素欠乏症の病理、症状および救急処置
  • 酸素欠乏の発生の原因及び防止措置に関する知識(3時間)
    酸素欠乏の発生の原因、酸素欠乏の発生しやすい場所、酸素の濃度の測定方法、換気の方法
  • 保護具に関する知識(2時間)
    空気呼吸器、酸素呼吸器及び送気マスク、墜落制止用器具等並びに救出用の設備及び器具の使用方法並びに保守点検の方法
  • 関係法令(2時間)
    法、労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則及び酸素欠乏症等防止規則中の関係条項

※修了試験があります。

酸素欠乏危険作業主任者技能講習(1種)の修了に必要な実技時間は3時間です。

  • 救急そ生の方法(2時間)
    人工呼吸の方法、人工そ生器の使用方法
  • 酸素の濃度の測定方法(1時間)
    酸素濃度測定器の取扱い、測定位置の選定

※修了試験があります。
の計12時間ですが、

  • 日本赤十字社の行う救急法の講習を修了して救急員認定証を受けた者
  • 平成10年3月31日までに日本赤十字社の行つた救急法一般講習Ⅱを修了して合格証を受けた者
  • 平成6年12月31日までに日本赤十字社の行つた救急法の講習を修了して救急員適任証を受けた者
  • は、救急そ生の方法救急そ生の方法(2時間)が免除になります。

    酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習(2種)

    酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習(2種)の修了に必要な学科時間は11.5時間です。

    • 酸素欠乏症、硫化水素中毒及び救急そ生に関する知識(3時間)
      酸素欠乏症及び硫化水素中毒の病理、症状及び救急処置
    • 酸素欠乏及び硫化水素の発生の原因及び防止措置に関する知識(4時間)
      酸素欠乏及び硫化水素の発生の原因、酸素欠乏及び硫化水素の発生しやすい場所、酸素及び硫化水素の濃度の測定方法、換気の方法
    • 保護具に関する知識(2時間)
      空気呼吸器、酸素呼吸器及び送気マスク、墜落制止用器具等並びに救出用の設備及び器具の使用方法並びに保守点検の方法
    • 関係法令(2.5時間)
      法、令及び安衛則中の関係条項、酸欠則

    ※修了試験があります。

    酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習(2種)の修了に必要な実技時間は4時間です。

    • 救急そ生の方法(2時間)
      人工呼吸の方法、人工そ生器の使用方法
    • 酸素及び硫化水素の濃度の測定方法(2時間)
      酸素濃度測定器及び硫化水素濃度測定器の取扱い、測定位置の選定

    ※修了試験があります。
    の計15.5時間ですが、

    • 日本赤十字社の行う救急法の講習を修了して救急員認定証を受けた者
    • 平成10年3月31日までに日本赤十字社の行つた救急法一般講習Ⅱを修了して合格証を受けた者
    • 平成6年12月31日までに日本赤十字社の行つた救急法の講習を修了して救急員適任証を受けた者
    • は、救急そ生の方法救急そ生の方法(2時間)が免除になります。

    • 酸素欠乏危険作業主任者技能講習(1種)を修了した者
    • は計3.5時間の特例講習を受講が可能です。

    • 硫化水素中毒に関する知識(1時間)
      硫化水素中毒の病理及び症状
    • 空気中の硫化水素の濃度が100万分の10を超える状態の発生の原因及び防止措置に関する知識(1時間)
      空気中の硫化水素の濃度が100万分の10を超える状態の発生の原因、空気中の硫化水素の濃度が100万分の10を超える状態の発生しやすい場所、硫化水素の濃度の測定方法
    • 関係法令(0.5時間)
      法、令、安衛則及び酸欠則中の硫化水素中毒の防止に係る関係条項
    • 硫化水素の濃度の測定方法(1時間)
      硫化水素濃度測定器の取扱い、測定位置の選定
    • 昭和46年9月26日までに都道府県労働基準局長又は建設業労働災害防止協会が行った酸欠作業主任者技能講習を修了した者
    • は計4.5時間の特例学科講習を受講が可能です。(実技講習4時間の受講が必要です)

    • 硫化水素中毒に関する知識(1時間)
      硫化水素中毒の病理及び症状
    • 空気中の硫化水素の濃度が100万分の10を超える状態の発生の原因及び防止措置に関する知識(1時間)
      空気中の硫化水素の濃度が100万分の10を超える状態の発生の原因 空気中の硫化水素の濃度が100万分の10を超える状態の発生しやすい場所 硫化水素の濃度の測定方法
    • 関係法令(2.5時間)
      法、令及び安衛則中の関係条項 酸欠則

    資格取得に必要な講習受講料

    酸素欠乏危険作業の業務に係る特別教育(1種)

    酸素欠乏危険作業の業務に係る特別教育(1種)
    日程 講習時間 教習機関A
    1日 4時間 8,640円

    酸素欠乏・硫化水素危険作業の業務に係る特別教育(2種)

    酸素欠乏・硫化水素危険作業の業務に係る特別教育(2種)
    日程 講習時間 教習機関A 教習機関B 教習機関C
    1日 5.5時間 9,960円 10,700円 12,500円

    酸素欠乏危険作業主任者技能講習(1種)

    酸素欠乏危険作業主任者技能講習(1種)
    日程 講習時間 教習機関A 教習機関B 教習機関D
    2日 12時間 14,300円 12,100円 7,700円

    酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習(2種)

    免除無し

    酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習(2種)
    日程 講習時間 教習機関A 教習機関B 教習機関C
    3日 15.5時間 18,000円 25,300円 16,500円

    日本赤十字社の救急法による免除

    酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習(2種)
    日程 講習時間 教習機関A 教習機関B
    3日 13.5時間 12,460円 22,000円

    酸素欠乏危険作業主任者技能講習(1種)修了者

    酸素欠乏危険作業主任者技能講習(1種)修了者
    日程 講習時間 教習機関A 教習機関B 教習機関C
    1日~3日 3.5時間~13.5時間 8,390円 18,700円 9,900円

    ※日本赤十字社の救急法による免除と同じコースになる講習機関があります。

    昭和46年9月26日までの酸欠作業主任者修了者

    昭和46年9月26日までの酸欠作業主任者修了者
    日程 講習時間 教習機関A
    2日 8.5時間 10,420円

    最後に

    短期間、低価格で取得できそうな資格だと思いました。

    受講者が少ないのか、酸素欠乏危険作業特別教育(1種)、酸素欠乏危険作業主任者技能講習(1種)、特例講習の廃止をしている講習機関が多く、免除者も同じコースで受講などとしている講習機関がありました。

    webによる取得も可能みたいですが、死亡災害が多いみたいなので慎重に検討した方が良さそうです。

    酸素欠乏・硫化水素危険作業関連商品

    酸素欠乏危険作業主任者テキストが中央労働災害防止協会から2,310円で販売されています。





    動画紹介

    技術系資格専門のSAT株式会社さんのYOUTUBEに投稿している酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の基礎知識から受講方法まで押さえようの動画です。