陶磁器製造技能士検定 1級 2級 の違いと資格取得に必要な試験

就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、陶磁器製造技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。

このページには

  • 陶磁器製造技能検定 1級、2級の違い
  • 作業の種類
  • 資格取得に必要な試験
  • 受験・応募資格・開催日程・合格基準
  • 費用・試験科目
  • 合格率
  • 受験準備講習時間・受講料

などが書いてあります。

陶磁器製造に関する知識と技能を証明することができる資格

陶磁器製造に関する知識と技能を証明することができる資格があります。

  • 陶磁器製造技能士

です。
陶磁器製造技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している陶磁器製造技能検定に合格することで取得できます。

陶磁器製造技能検定は窯業・土石関係の技能検定で
1級と2級があります。
選択作業は絵付け作業と原型製作作業の2つです。

受験者数の減少から令和2年の時点では
絵付け作業の試験は3年に1回程度の実施で
原型製作作業は10年ほど試験の実施がなく、今後も実施されるか分からないみたいです。
(このページでは、絵付け作業のことを書いていきます)

陶磁器製造技能検定合格者には

  • 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除

などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。

  • 1級 絵付け作業
    作業指示書の作成、図案の作成、着色剤・着色助剤の調合、着色・絵付け、仕上げ・製品検査、工数見積りなどに関する技能・知識と、併せて、陶磁器製造法、材料、陶磁器一般、意匠図案、安全衛生に関する知識も含まれ、
    作業指示書作成、図案作成、着色剤・着色助剤の調合、製品検査、工数見積りを含んだレベル
  • 2級 絵付け作業
    作業指示書の作成、図案の作成、着色剤・着色助剤の調合、着色・絵付け、仕上げ・製品検査、工数見積りなどに関する技能・知識と、併せて、陶磁器製造法、材料、陶磁器一般、意匠図案、安全衛生に関する知識も含まれ、
    作業指示書作成、図案作成、着色剤・着色助剤の調合、製品検査、工数見積りが含まれていないレベル

1級陶磁器製造技能士の資格コードは5303
2級陶磁器製造技能士の資格コードは5304です。

大分類F 製造関連技能
中分類53 窯業・土石製品製造
免許・資格コード 免許・資格内容
5303 1級陶磁器製造技能士
5304 2級陶磁器製造技能士

資格取得に必要な試験

陶磁器製造技能検定イメージ画像

陶磁器製造技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
(1級、2級なので有効期限はありません)
免除要件の詳細はこちらに書いてあります。

受験・応募資格・開催日程・合格基準

受験資格

陶磁器製造技能検定は、どの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。

陶磁器製造技能検定受験資格
受験対象者 必要となる実務経験年数
1級 2級
2級
合格後
実務経験のみ 2年 7年 2年
専門高校卒業
専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業
6年 不要
短大・高専・高校専攻科卒業
専修学校(大学編入資格付与課程)卒業
5年
大学卒業
専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業
4年
専修学校または
各種学校卒業
(厚生労働大臣が
指定したものに限る)
800時間以上 6年
1,600時間以上 5年
3,200時間以上 4年
短期課程の普通職業訓練終了 700時間以上 6年
普通課程の普通職業訓練終了 2,800時間未満 5年
2,800時間以上 4年
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 1年 3年
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 1年
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 1年
職業訓練指導員免許取得 1年
長期養成課程の指導員訓練修了 なし

開催日程

陶磁器製造技能検定開催日程・試験日

技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。

技能検定実施日程
前期 後期
実施公示 3月上旬 9月上旬
受験申請 4月上旬 10月上旬
実技試験問題の公表 6月上旬 11月下旬
実技試験 6月上旬から9月中旬 12月上旬から2月中旬
学科試験 7月中旬から9月上旬 1月中旬から2月上旬

※年度、都道府県で違いがあるので注意

受験手数料

陶磁器製造技能検定受験手数料
等級 実技試験 学科試験
35歳以上 35歳未満 全年齢
1級 18,200円 18,200円 3,100円
2級 18,200円 9,200円 3,100円

合格基準

合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。

1級 絵付け作業

実技試験

1級陶磁器製造技能検定 絵付け作業実技試験の採点項目と配点です。

1級陶磁器製造技能検定 絵付け作業実技試験は
課題A 上絵付け作業(試験時間 6時間)
課題B 下絵付け作業(試験時間 5時間)
のどちらかの課題を選択して作業を行います。

1級陶磁器製造技能検定 絵付け作業実技試験の採点項目と配点
実施形式 採点項目 配点
製作等作業試験 製品 「構図、配色、手法(技法)、筆さばき、総合」 100
作業態度
試験科目

1級陶磁器製造技能検定 絵付け作業の実技試験科目です。

  • 絵付け作業
    作業指示書の作成
    図案の作成
    着色剤及び着色助剤の調合
    着色及び絵付け
    仕上げ及び製品検査
    工数見積り

学科試験

1級陶磁器製造技能検定 絵付け作業の学科試験は

  • 試験方式 真偽法及び四肢択一法
  • 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
  • 試験時間 1時間40分

です。

試験科目

1級陶磁器製造技能検定 絵付け作業の学科試験科目です。

  • 陶磁器製造法
    製造工程
    乾燥方法の種類
    釉薬の種類及び使用方法並びに施釉
    焼成法の種類及び特徴
  • 材料
    陶磁器製造に使用する材料の種類、性質及び用途
  • 陶磁器一般
    陶磁器の種類及び特徴
  • 意匠図案
    陶磁器のデザイン
    色彩
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識
  • 絵付け法
    絵付け作業に使用する機械及び器工具の種類及び使用方法
    装飾デザインの技法
    下絵付けの技法
    上絵付けの技法
    製品検査

2級 絵付け作業

実技試験

2級陶磁器製造技能検定 絵付け作業実技試験の採点項目と配点です。

2級陶磁器製造技能検定 絵付け作業実技試験は
課題A 上絵付け作業(試験時間 5時間)
課題B 下絵付け作業(試験時間 4時間)
のどちらかの課題を選択して作業を行います。

2級陶磁器製造技能検定 絵付け作業実技試験の採点項目と配点
実施形式 採点項目 配点
製作等作業試験 製品 「構図、配色、手法(技法)、筆さばき、総合」 100
作業態度
試験科目

2級陶磁器製造技能検定 絵付け作業の実技試験科目です。

  • 絵付け作業
    着色及び絵付け
    仕上げ

学科試験

2級陶磁器製造技能検定 絵付け作業の学科試験は

  • 試験方式 真偽法及び四肢択一法
  • 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
  • 試験時間 1時間40分

です。

試験科目

2級陶磁器製造技能検定 絵付け作業の学科試験科目です。

  • 陶磁器製造法
    製造工程
    乾燥方法の種類
    釉薬の種類及び使用方法並びに施釉
    焼成法の種類及び特徴
  • 材料
    陶磁器製造に使用する材料の種類、性質及び用途
  • 陶磁器一般
    陶磁器の種類及び特徴
  • 意匠図案
    陶磁器のデザイン
    色彩
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識
  • 絵付け法
    絵付け作業に使用する機械及び器工具の種類及び使用方法
    装飾デザインの技法
    下絵付けの技法
    上絵付けの技法
    製品検査

合格率

陶磁器製造技能検定

陶磁器製造技能検定 絵付け作業の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。

陶磁器製造技能検定 絵付け作業平成30年合格率
受検申請者数 合格者数 合格率
1級 63人 30人 47.61%
2級 16人 13人 81.25%

受験準備講習

陶磁器製造技能検定試験に向けた準備講習を開催している機関があります。

陶磁器製造技能検定講習受講料
コース 日程 回数 受講料
教習機関A 1級、2級 半日 6回 18,400円
1日 6回 35,500円

最後に

年間平均受検申請者数が安定的に30人以上確保することが難しく、平成30年に廃止の方向で検討された資格みたいです。
受検準備を行っている受検希望者に受検機会を設けるために平成30年度の試験を実施し、受検申請者数が90人以上となった場合、ただちに職種廃止とはせず。
となっていたので今後資格の取得ができない可能性が高い資格です。

陶磁器関連商品

陶磁器関連商品です。

動画紹介

福珠窯 fukujugamaさんのYOUTUBEに投稿している有田焼絵付け 下絵付編の動画です。