就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら毒物劇物取扱者と書いてある求人が少しですがあったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 毒物劇物を取り扱うのに必要な資格
- 取り扱うことができる毒物劇物の種類と業種
- 受験資格
- 資格取得に必要な試験
- 全国合格率
- 準備講習受講料
などが書いてあります。
毒物劇物を取り扱うのに必要な資格
毒物劇物を取り扱うのに必要な資格が3つあります。
- 薬剤師
- 厚生労働省令で定める学校で、応用化学に関する学課を修了した者
- 都道府県知事が行う毒物劇物取扱者試験に合格した者
です。
この3つのうちの毒物劇物取扱者試験について書いていきます。
毒物劇物取扱者試験には3つの種類があります。
- 一般
- 農業用品目
- 特定品目
簡単な違いは取り扱うことができる毒物劇物の種類と業種です。
毒物劇物取扱責任者の資格コードは1609です。
大分類A 技術関係 中分類16 その他の技術 |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
1609 | 毒物劇物取扱責任者 |
取り扱うことができる毒物劇物の種類と業種
取り扱うことができる毒物劇物の種類と業種 | ||
種類 | 対象毒物劇物 | 業種 |
---|---|---|
一般 | すべて | 製造業・輸入業・ 販売業・業務上取扱者 |
農業用品目 | 農業用品目のみ | 輸入業・販売業 |
特定品目 | 特定品目のみ | 輸入業・販売業 |
毒物劇物の種類と業種早見表 | ||||||
種類 | 製造業 | 輸入業 | 一般 販売業 |
農業用品目 販売業 |
特定品目 販売業 |
業務上 取扱者 |
---|---|---|---|---|---|---|
一般 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
農業用品目 | × | 〇 | × | 〇 | × | × |
特定品目 | × | 〇 | × | × | 〇 | × |
毒物劇物取扱者【受験資格】
毒物劇物取扱者の受験に条件はなく、だれでも受験することができますが、
欠格事項の該当者は試験に合格しても、欠格事項の該当が消滅するまでは毒物劇物取扱責任者になることができません。
欠格事項
- 18歳未満の者
- 心身の障害により、毒物劇物取扱責任者の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
- 麻薬、大麻、あへん、覚せい剤の中毒者
- 毒物若しくは劇物又は薬事に関する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して3年を経過していない者
毒物劇物取扱者【資格取得に必要な試験】
毒物劇物取扱者の試験は、各都道府県が年1回実施していて、
試験日程、試験方法、試験問題などは各都道府県によって違うので一例を書いておきます。
受験料は10,000円から13,000円です。
筆記試験内容
- 毒物・劇物に関する法規
- 基礎化学
- 毒物・劇物の性質及び貯蔵・その他取扱方法
実地試験
- 毒物・劇物の識別及び取扱方法
※実地試験となっていますが、実地試験を筆記試験で行っているみたいです。
厚生労働省のページに
毒物又は劇物を直接に取り扱う方法によるものかどうかを問わないものである。
と書いてありました。
試験時間は90分から120分と都道府県で違いました。
(各受験科目でも違いがありました。)
毒物劇物取扱者【試験全国合格率】
各都道府県で公表している合格率です。
公開されていない府県もあります。
各都道府県で試験難易度の違いもあるみたいです。
一般試験全国合格率
毒物劇物取扱者一般試験全国合格率 | |||
都道府県 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
北海道 | 304人 | 122人 | 40.13% |
宮城県 | 218人 | 55人 | 25.23% |
山形県 | 88人 | 28人 | 31.82% |
福島県 | 326人 | 104人 | 31.90% |
茨城県 | 411人 | 128人 | 31.14% |
栃木県 | 275人 | 147人 | 53.45% |
埼玉県 | 1123人 | 487人 | 43.37% |
千葉県 | 560人 | 307人 | 54.82% |
東京都 | 748人 | 406人 | 54.28% |
新潟県 | 274人 | 84人 | 30.66% |
富山県 | 109人 | 48人 | 44.04% |
長野県 | 452人 | 151人 | 33.41% |
岐阜県 | 190人 | 43人 | 22.63% |
愛知県 | 586人 | 319人 | 54.44% |
滋賀県 | 257人 | 119人 | 46.30% |
大阪府 | 663人 | 401人 | 60.48% |
岡山県 | 288人 | 97人 | 33.68% |
広島県 | 187人 | 81人 | 43.32% |
愛媛県 | 105人 | 32人 | 30.48% |
宮崎県 | 214人 | 57人 | 26.64% |
沖縄県 | 139人 | 31人 | 22.30% |
農業用品目試験全国合格率
毒物劇物取扱者農業用品目試験全国合格率 | |||
都道府県 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
北海道 | 462人 | 158人 | 34.20% |
宮城県 | 109人 | 8人 | 7.34% |
山形県 | 102人 | 23人 | 22.55% |
福島県 | 143人 | 26人 | 18.18% |
茨城県 | 10人 | 3人 | 30.00% |
栃木県 | 45人 | 12人 | 26.67% |
埼玉県 | 185人 | 27人 | 14.59% |
千葉県 | 163人 | 40人 | 24.54% |
東京都 | 96人 | 28人 | 29.17% |
新潟県 | 224人 | 69人 | 30.80% |
富山県 | 74人 | 12人 | 16.22% |
長野県 | 3人 | 0人 | 0.00% |
岐阜県 | 7人 | 1人 | 14.29% |
愛知県 | 283人 | 133人 | 47.00% |
滋賀県 | 93人 | 16人 | 17.20% |
大阪府 | 110人 | 50人 | 45.45% |
岡山県 | 104人 | 15人 | 14.42% |
広島県 | 212人 | 39人 | 18.40% |
愛媛県 | 177人 | 32人 | 18.08% |
宮崎県 | 12人 | 2人 | 16.67% |
沖縄県 | 25人 | 5人 | 20.00% |
特定品目試験全国合格率
毒物劇物取扱者特定品目試験全国合格率 | |||
都道府県 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
北海道 | 18人 | 5人 | 27.78% |
宮城県 | 20人 | 4人 | 20.00% |
山形県 | 6人 | 2人 | 33.33% |
福島県 | 6人 | 1人 | 16.67% |
茨城県 | 3人 | 0人 | 0.00% |
栃木県 | 8人 | 4人 | 50.00% |
埼玉県 | 31人 | 6人 | 19.35% |
千葉県 | 5人 | 1人 | 20.00% |
東京都 | 7人 | 5人 | 71.43% |
新潟県 | 3人 | 0人 | 0.00% |
富山県 | 2人 | 0人 | 0.00% |
長野県 | 3人 | 3人 | 100.00% |
岐阜県 | 7人 | 3人 | 42.86% |
愛知県 | 5人 | 2人 | 40.00% |
滋賀県 | 4人 | 4人 | 100.00% |
大阪府 | 2人 | 0人 | 0.00% |
岡山県 | 8人 | 2人 | 25.00% |
広島県 | 3人 | 0人 | 0.00% |
愛媛県 | 2人 | 0人 | 0.00% |
宮崎県 | 4人 | 1人 | 25.00% |
沖縄県 | 2人 | 0人 | 0.00% |
毒物劇物取扱者【準備講習受講料】
毒物劇物取扱者試験に向けた受験準備講習会を開催している機関があります。
受講料は開催機関で違います。
受講料を調べたのを書いておきますので目安にしてください。
毒物劇物取扱者準備講習 | ||||
コース | 日程 | 開催機関A | 開催機関B | 開催機関C |
---|---|---|---|---|
6時間~ | 1日~5日 | 22,000円 | 30,000円 | 54,000円 |
講習日数、講習時間、受講人数などで料金が違い、合格するまで何度でも講習可能やWEBセミナーなどもありました。
開催機関によってテキスト代が含まれていなかったり、講習内容に違いがあったので、契約前に確認や比較をした方が良さそうです。
講習を受けずに独習による資格取得者も可能みたいです。
(過去問題を公開している都道府県もあります。)
毒物劇物取扱者受験講座
職業訓練法人JTEXさんの通信教育講座
「毒物劇物取扱者」試験合格をめざす!
毒物劇物取扱者の受験講座です。
通信教育講座の学習方法の良いところは、知識や技能の違いを気にせず自分のペースで学習ができるところです。
- 「要点集 法条文・受験の手引き」で試験の要点をおさえ、試験の全体像をはっきりとさせます。
- 3章+条文等の4つに分け、効率よく学習できるような構成です。
受講期間は3ヶ月で難易度は中級レベルです。
教材構成
毒物劇物取扱者受験講座の教材構成は
- テキスト2冊+別冊1冊
「要点集・法条文・受験の手引き」
「毒物劇物取扱者試験 徹底攻略 テキスト&問題集」 - 別冊 「レポート課題集」
- レポート回数 3回
です。
カリキュラム
毒物劇物取扱者受験講座のカリキュラムは
- 第1章 法規
目的と定義
登録および更新、変更届等
責任者の資格と義務
シンナー等の規制
表示および掲示
譲渡および交付
廃棄
事故時の処置
業務上取扱者 - 第2章 基礎化学
元素と化学結合
溶液の濃度
酸と塩基
物質の状態
物質の反応と物質の性質 - 第3章 毒物または劇物の性質と貯蔵・取扱方法(各論)
性質
中毒症状と解毒方法
貯蔵・取扱方法
廃棄方法
鑑別方法 - 条文等
毒物及び劇物取扱法 条文
毒物劇物取扱者試験 受験の手引き
です。
ホームページに、講座詳細、Q&A、資格取得概要ページなどがありますので、ぜひご覧ください。
毒物劇物取扱者受験講座はこちらです。
最後に
短期間、低価格で取得できる資格だと思いますが、そこまで就職・転職に有利になる資格ではないみたいです。
また、各都道府県で1年に1回の実施となっているのでタイミングが必要になってきます。
どこの都道府県でも受験が可能なので1年に数回の受験をすることも可能ですが、地域によっては近県合同で同日に実施しているところもあるので、住んでいる地域によっては1年に1回の機会しかない場合もあります。
自分の就職活動に合わせて検討したほうが良いと思います。
毒物劇物取扱者関連商品
毒物劇物取扱者関連商品です。
動画紹介
KiBANinterさんのYOUTUBEに投稿している毒物劇物取扱者サンプル1の動画です。