就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、油圧装置調整技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 油圧装置調整技能検定特級、1級、2級の違い
- 作業の種類
- 資格取得に必要な試験
- 受験・応募資格・開催日程・合格基準
- 費用・試験科目
- 合格率
などが書いてあります。
油圧装置調整に関する知識と技能を証明することができる資格
油圧装置調整に関する知識と技能を証明することができる資格があります。
- 油圧装置調整技能士
です。
油圧装置調整技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している油圧装置調整技能検定に合格することで取得できます。
油圧装置調整技能検定は一般機械器具関係の技能検定で、
特級、1級、2級があります。
選択作業は
- 油圧装置調整作業(1級・2級)
です。
油圧装置調整技能検定の合格者には
- 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除
- 作業環境測定士試験の受験資格
- 労働安全コンサルタント試験の受験資格
などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。
- 特級 油圧装置調整
管理者・監督者に必要となる共通的な工程管理、作業管理、品質管理、原価管理、安全衛生管理、作業指導及び設備管理の技能・知識と、各職種における高度な専門的技能・知識が含まれる - 1級 油圧装置調整作業
油圧回路図の読図、油圧回路作成・点検、油圧装置据付け・フラッシング、運転整備、保守管理・故障発見・修理、油圧機器の分解・点検・取扱い、作動油の判別・点検・取扱いなどの調整作業に関する技能・知識と、併せて、空気圧装置一般、空気圧装置組立て法、材料、製図、電気、油圧、安全衛生に関する知識も含まれ
通常の油圧回路の作成、油圧装置の点検等ができるレベル。 - 2級 油圧装置調整作業
油圧回路図の読図、油圧回路作成・点検、油圧装置据付け・フラッシング、運転整備、保守管理・故障発見・修理、油圧機器の分解・点検・取扱い、作動油の判別・点検・取扱いなどの調整作業に関する技能・知識と、併せて、空気圧装置一般、空気圧装置組立て法、材料、製図、電気、油圧、安全衛生に関する知識も含まれ
簡単な油圧回路の作成、油圧装置の点検等ができるレベル。
特級油圧装置調整技能士の資格コードは5615
1級油圧装置調整技能士の資格コードは5616
2級油圧装置調整技能士の資格コードは5617です。
| 大分類F 製造関連技能 中分類56 一般機械器具組立・修理 |
|
| 免許・資格コード | 免許・資格内容 |
|---|---|
| 5615 | 特級油圧装置調整技能士 |
| 5616 | 1級油圧装置調整技能士 |
| 5617 | 2級油圧装置調整技能士 |
資格取得に必要な試験
油圧装置調整技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
(1級、2級に有効期限はありませんが、特級の有効期限は5年間です)
受験・応募資格・開催日程・合格基準
受験資格
油圧装置調整技能検定は、特級は1級合格後5年、1級から2級はどの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。
| 油圧装置調整技能検定受験資格 | ||||||||
| 受験対象者 | 必要となる実務経験年数 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 特級 | 1級 | 2級 | ||||||
| 1級 合格後 |
2級 合格後 |
|||||||
| 実務経験のみ | 5年 | 2年 | 7年 | 2年 | ||||
| 専門高校卒業 専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業 |
6年 | 不要 | ||||||
| 短大・高専・高校専攻科卒業 専修学校(大学編入資格付与課程)卒業 |
5年 | |||||||
| 大学卒業 専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業 |
4年 | |||||||
| 専修学校または 各種学校卒業 (厚生労働大臣が 指定したものに限る) |
800時間以上 | 6年 | ||||||
| 1,600時間以上 | 5年 | |||||||
| 3,200時間以上 | 4年 | |||||||
| 短期課程の普通職業訓練終了 | 700時間以上 | 6年 | ||||||
| 普通課程の普通職業訓練終了 | 2,800時間未満 | 5年 | ||||||
| 2,800時間以上 | 4年 | |||||||
| 専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 | 1年 | 3年 | ||||||
| 応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 | 1年 | |||||||
| 長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 | 1年 | |||||||
| 職業訓練指導員免許取得 | 1年 | |||||||
| 長期養成課程の指導員訓練修了 | なし | |||||||
開催日程
技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。
| 技能検定実施日程 | ||
| 前期 | 後期 | |
|---|---|---|
| 実施公示 | 3月上旬 | 9月上旬 |
| 受験申請 | 4月上旬 | 10月上旬 |
| 実技試験問題の公表 | 6月上旬 | 11月下旬 |
| 実技試験 | 6月上旬から9月中旬 | 12月上旬から2月中旬 |
| 学科試験 | 7月中旬から9月上旬 | 1月中旬から2月上旬 |
※年度、都道府県で違いがあるので注意
受験手数料
| 油圧装置調整技能検定受験手数料 | |||
| 等級 | 実技試験 | 学科試験 | |
|---|---|---|---|
| 35歳以上 | 35歳未満 | 全年齢 | |
| 特級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
| 1級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
| 2級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
合格基準
合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
特級 油圧装置調整
実技試験
特級油圧装置調整技能検定の実技試験は計画立案等作業で、試験時間は3時間です。
| 特級油圧装置調整 実技試験 | |
| 実施形式 | 配点 |
|---|---|
| 計画立案等作業試験 | 100 |
試験科目
特級油圧装置調整技能検定の実技試験科目です。
- 工程管理
- 作業管理
- 品質管理
- 原価管理
- 安全衛生管理
- 作業指導
- 設備管理
学科試験
特級油圧装置調整技能検定の学科試験は
- 試験方式 五肢択一法
- 出題数 50問
- 試験時間 2時間
です。
試験科目
特級油圧装置調整技能検定の学科試験科目です。
- 工程管理
生産活動の流れ
生産の形態
工程管理の役割
日程計画
現品管理
進度管理
余力管理
在庫管理 - 作業管理
作業の標準化
方法研究
作業測定の方法
作業改善 - 品質管理
品質管理の考え方
統計の基礎知識
品質管理手法及びその活用
管理図の種類及びその活用
抜取検査の種類及びその活用 - 原価管理
原価管理の考え方
原価構成要素
原価低減及びその評価 - 安全衛生管理及び環境の保全
安全衛生管理
環境保全
公害防止 - 作業指導
教育訓練計画のたて方及び教育訓練の実施
仕事の教え方
改善の仕方
人の扱い方
教育訓練の方法 - 設備管理
設備管理の考え方
設備点検の方法
不良事項の原因及びその徴候
設備診断
設備と環境との関係 - 油圧装置調整に関する現場技術
自動生産システムの構成要素
制御システム
機械加工法
検査法
材料
測定機器及び検査機器
1級 油圧装置調整作業
実技試験
1級油圧装置調整技能検定 油圧装置調整作業の実技試験の採点項目と配点です。
1級油圧装置調整技能検定 油圧装置調整作業の実技試験は
製作等作業試験と計画立案等作業試験です。
| 1級油圧装置調整作業 実技試験 | |||
| 実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
|---|---|---|---|
| 製作等作業試験 | 製品 | ボルトの締付けトルク不良 | 30 |
| 心出し精度 | |||
| できばえ | |||
| 作業態度 | |||
| 作業時間 | |||
| 計画立案等作業試験 | 70 | ||
- 製作等作業試験 標準時間 1時間 打切り時間 1時間20分
油圧装置(ベースにブラケット2個)の据付け(心出し)を行います。 - 計画立案等作業試験 試験時間 2時間
油圧回路図の読図及び作成、油圧装置の運転調整及び故障発見、油圧機器の機能等について行います。
試験科目
1級油圧装置調整技能検定 油圧装置調整作業の実技試験科目です。
- 油圧装置調整作業
油圧回路図の読図
油圧装置の調整
作動油の判別、点検及び取扱い
学科試験
1級油圧装置調整技能検定 油圧装置調整作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
1級油圧装置調整技能検定 油圧装置調整作業の学科試験科目です。
- 油圧装置一般
油圧の基礎理論
油圧機器の種類、構造及び機能
油圧回路
油圧用語 - 油圧装置調整法
油圧装置の調整に使用する機械、器工具及び計測器の種類、用途及び使用方法
油圧装置の据付けの方法
油圧装置の運転の方法
油圧装置に生ずる故障の原因、発見方法及び対策
油圧機器の点検、分解、組立て及び調整の方法 - 作動油
作動油の種類及び性質 - 材料
油圧装置に使用する材料の種類及び用途 - 製図
日本産業規格に定める油圧及び空気圧用図記号、電気用図記号、図示法、材料記号並びにはめあい方式 - 電気
電気の基礎理論
電気機械器具及び電子機器の種類、性質、用途及び使用方法
電気回路 - 空気圧
空気圧の基礎理論
空圧機器の主要構成要素の種類 - 関係法規
高圧ガス保安法関係法令
消防法関係法令
環境基本法関係法令
騒音規制法関係法令
廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係法令
水質汚濁防止法関係法令及び振動規制法関係法令のうち
油圧装置調整に関する部分 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
2級 油圧装置調整作業
実技試験
2級油圧装置調整技能検定 油圧装置調整作業の実技試験の採点項目と配点です。
2級油圧装置調整技能検定 油圧装置調整作業の実技試験は
製作等作業試験と計画立案等作業試験です。
| 2級油圧装置調整作業 実技試験 | |||
| 実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
|---|---|---|---|
| 製作等作業試験 | 製品 | ボルトの締付けトルク不良 | 30 |
| 心出し精度 | |||
| できばえ | |||
| 作業態度 | |||
| 作業時間 | |||
| 計画立案等作業試験 | 70 | ||
- 製作等作業試験 標準時間 1時間 打切り時間 1時間20分
油圧装置(ベースにブラケット1個)の据付け(心出し)を行います。 - 計画立案等作業試験 試験時間 2時間
油圧回路図の読図及び作成、油圧装置の運転調整及び故障発見、油圧機器の機能等について行います。
試験科目
2級油圧装置調整技能検定 油圧装置調整作業の実技試験科目です。
- 油圧装置調整作業
油圧回路図の読図
油圧装置の調整
作動油の判別、点検及び取扱い
学科試験
2級油圧装置調整技能検定 油圧装置調整作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
2級油圧装置調整技能検定 油圧装置調整作業の学科試験科目です。
- 油圧装置一般
油圧の基礎理論
油圧機器の種類、構造及び機能
油圧回路
油圧用語 - 油圧装置調整法
油圧装置の調整に使用する機械、器工具及び計測器の種類、用途及び使用方法
油圧装置の据付けの方法
油圧装置の運転の方法
油圧装置に生ずる故障の原因、発見方法及び対策
油圧機器の点検、分解、組立て及び調整の方法 - 作動油
作動油の種類及び性質 - 材料
油圧装置に使用する材料の種類及び用途 - 製図
日本産業規格に定める油圧及び空気圧用図記号、電気用図記号、図示法、材料記号並びにはめあい方式 - 電気
電気の基礎理論
電気機械器具及び電子機器の種類、性質、用途及び使用方法
電気回路 - 関係法規
高圧ガス保安法関係法令
消防法関係法令
環境基本法関係法令
騒音規制法関係法令
廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係法令
水質汚濁防止法関係法令及び振動規制法関係法令のうち
油圧装置調整に関する部分 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
合格率
油圧装置調整技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。
特級
油圧装置調整技能検定 特級の合格率です。
| 油圧装置調整技能検定合格率 | |||
| 平成 29年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 特級 | 88人 | 16人 | 18.18% |
| 平成 28年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 特級 | 95人 | 20人 | 21.05% |
油圧装置調整作業
油圧装置調整技能検定 油圧装置調整作業の合格率です。
| 油圧装置調整技能検定合格率 油圧装置調整作業 |
|||
| 平成 29年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 629人 | 276人 | 43.87% |
| 2級 | 744人 | 316人 | 42.47% |
| 平成 28年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 1級 | 662人 | 340人 | 51.35% |
| 2級 | 797人 | 355人 | 44.54% |
油圧装置調整関連商品
動画紹介
派遣社員の工学チャンネルさんのYOUTUBEに投稿している超初心者のための油圧講座~基礎編 その1~の動画です。
