就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、消費生活相談員、消費生活専門相談員、消費生活アドバイザー、消費生活コンサルタントと書いてある求人があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 消費生活相談員、消費生活専門相談員、消費生活アドバイザー、消費生活コンサルタントの違い
- 資格取得方法
- 資格取得に必要な試験・講座
- 資格取得に必要な準備講習
などが簡単に書いてあります。
消費生活相談員になるのに必要な資格
消費生活相談員になるのに必要な資格が4つあります。
- 消費生活相談員(国家資格で更新なし)
- 消費生活専門相談員(5年ごとに更新が必要)
- 消費生活アドバイザー(5年ごとに更新が必要)
- 消費生活コンサルタント(更新なし)
です。
消費生活相談員は、内閣総理大臣若しくは内閣総理大臣の登録を受けた法人(以下「登録試験機関」という。)の行う消費生活相談員資格試験に合格した者又はこれと同等以上の専門的な知識及び技術を有すると都道府県知事若しくは市町村長が認める者でなければならない。
引用元: 消費者安全法 第10条の3 第1項
消費生活相談員・専門相談員・アドバイザー・コンサルタント簡単な違い | ||||
消費生活 相談員 |
消費生活 専門相談員 |
消費生活 アドバイザー |
消費生活 コンサルタント |
|
---|---|---|---|---|
資格取得方法 | 試験 | 試験 | 試験 | 講座 |
更新 | なし | 5年 | 5年 | なし |
受験・受講資格 | なし | なし | なし | あり |
資格コードがあるのは消費生活アドバイザーだけです。
消費生活アドバイザーの資格コードは3106です。
大分類C 事務処理関係 中分類31 カウンセリング |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
3106 | 消費生活アドバイザー |
資格取得方法
消費生活相談員資格
- 独立行政法人国民生活センターの実施している
消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度
第1次試験(選択式及び正誤式筆記試験)
第2次試験(面接試験)
に合格、または - 一般財団法人日本産業協会の実施している
消費生活アドバイザー資格試験
第1次試験(択一試験)
第2次試験(論文試験、面接試験)
(実務経験のない場合、実務研修を修了)
に合格
することで取得できます。
(改正消費者安全法の施行後、この二つの試験のどちらでも合格することで付与れるようになった資格)
※改正消費者安全法の施行日の平成28年4月1日時点で、
- 消費生活専門相談員
- 消費生活アドバイザー
- 消費生活コンサルタント
の資格保有者は、実務経験、指定講習を修了することで消費生活相談員資格試験合格者とみなされます。
(条件がいくつかあり、期間限定などあります)
消費生活専門相談員
- 独立行政法人国民生活センターの実施している
消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度
第1次試験(選択式及び正誤式筆記試験)
第2次試験(面接試験)
に合格
することで取得できます。
消費生活アドバイザー
- 一般財団法人日本産業協会の実施している
消費生活アドバイザー資格試験
第1次試験(択一試験)
第2次試験(論文試験、面接試験)
(実務経験のない場合、実務研修を修了)
に合格
することで取得できます。
消費生活コンサルタント
- 一般財団法人日本消費者協会の実施している
消費生活コンサルタント養成講座を受講し
卒論の提出および発表
最終日の資格取得試験(筆記試験)に合格
することで取得できます。
※改正消費者安全法の施行日の平成28年4月1日時点で保有している場合、実務経験、指定講習を修了することで消費生活相談員資格試験合格者とみなされますが、
改正消費者安全法の施行日の平成28年4月1日以降に取得した場合、消費生活相談員資格を取得することができないので注意。
資格取得に必要な試験・講座
消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度
受験・応募資格・開催日程
相談員・専門相談員資格の受験資格に制限はありません。
第1次試験は全国20か所で10月
第2次試験は全国5か所で12月
に実施しています。
受験料・免除要件・試験科目
相談員・専門相談員資格の受験手数料は14,300円です。
免除要件
- 受験申込書を提出する際、現に地方公共団体における消費生活相談の事務に従事している者
- 受験申込書を提出する際、現に地方公共団体における消費生活相談の事務に従事することが既に決定されている者(採用予定者)
- 受験申込書を提出した日から遡って5年間において、地方公共団体における消費生活相談の事務に通算して1年以上従事していた者
- 受験申込書提出時点で消費生活専門相談員・アドバイザー・コンサルタントの資格のいずれかを保有している者で、指定講習会の課程を修了した者
は、申請することで第2次試験の免除が可能です。
試験科目
- 商品等及び役務の特性、使用等の形態その他の商品等及び役務の消費安全性に関する科目
- 消費者行政に関する法令に関する科目
- 消費生活相談の実務に関する科目
- 消費生活一般に関する科目
- 消費者のための経済知識に関する科目
です。
第1次試験
- 選択式及び正誤式筆記試験
(マークシート、全180問、各問1点、180点満点) - 論文試験
(100点満点)
第2次試験
- 面接試験
(消費生活相談を行う上での知識のほか、コミュニケーションスキルやヒアリング力などの技術を総合的に評価)
合格基準
相談員・専門相談員資格の合格基準です。
- 第1次試験 選択式及び正誤式筆記試験
180点満点中65%以上(117点)
(平均点等の状況により、試験委員会が通過者を決定する) - 第1次試験 論文試験
100点満点中60%以上 - 第2次試験
2人の面接委員の評価(ABCの3段階)が共にC以外
合格率
相談員・専門相談員資格の合格率です。
消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度 第1次試験合格率 |
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申込者数 | 第1次試験 受験者数 |
第1次試験 合格者数 |
第1次試験 合格率 |
|
---|---|---|---|---|
2019年 (令和元年) |
1,108人 | 874人 | 337人 | 38.55% |
2018年 (平成30年) |
1,298人 | 1,136人 | 280人 | 24.64% |
2017年 (平成29年) |
1,551人 | 1,385人 | 546人 | 39.42% |
2016年 (平成28年) |
1,714人 | 1,550人 | 738人 | 47.61% |
第2次試験が免除された人数分受験者数が減っています。
消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度 第2次試験合格率 |
||||
第2次試験 受験者数 |
第2次試験 合格者数 |
第2次試験 合格率 |
||
---|---|---|---|---|
2019年 (令和元年) |
154人 | 142人 | 92.2% | |
2018年 (平成30年) |
123人 | 122人 | 99.18% | |
2017年 (平成29年) |
197人 | 190人 | 96.44% | |
2016年 (平成28年) |
233人 | 231人 | 99.14% |
消費生活アドバイザー資格試験
受験・応募資格・開催日程
アドバイザー資格の受験資格に制限はありません。
第1次試験は全国8か所で10月
第2次試験は全国5か所で11月~12月
に実施しています。
受験料・免除要件・試験科目
アドバイザー資格の受験手数料は13,200円
第1次試験免除者は9,900円です。
免除要件
前年度の第1次試験に合格し、第2次試験に不合格となった場合
申請することで、第1次試験が免除され、第2次試験より受験が可能です。
第1次試験(択一試験)の試験範囲
- 消費者問題
- 消費者のための行政・法律知識
- 消費者のための経済知識
- 生活基礎知識
から出題され
全55問、550点満点
です。
第2次試験(論文試験・面接試験)の試験範囲
- 消費者問題
- 消費者のための行政・法律知識
- 消費者のための経済知識
から出題され
- 第1グループ(4題)
消費者問題
行政知識
法律知識
法律知識 - 第2グループ(4題)
経済一般知識
企業経営一般知識
生活経済
地球環境問題・エネルギー需給
各グループ4題より1題選択し、2題を記述します。
合格基準
アドバイザー資格の合格基準です。
- 第1次試験(択一試験)
550点満点65%以上(358点) - 第2次試験(論文試験)
選択した2題それぞれが5段階評価(A~E)のC以上 - 第2次試験(面接試験)
面接委員の総合評価が3段階評価(A~C)のB以上
合格率
アドバイザー資格の合格率です。
消費生活アドバイザー資格試験 第1次試験合格率 |
||||
申込者数 | 第1次試験 受験者数 |
第1次試験 合格者数 |
第1次試験 合格率 |
|
---|---|---|---|---|
2019年 (令和元年) |
2,044人 | 1,402人 | 673人 | 48.0% |
2018年 (平成30年) |
2,334人 | 1,624人 | 734人 | 45.19% |
2017年 (平成29年) |
2,512人 | 2,125人 | 665人 | 31.29% |
第1次試験が免除された人数分受験者数が増えています。
消費生活アドバイザー資格試験 第2次試験合格率 |
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第2次試験 受験者数 |
第2次試験 合格者数 |
第2次試験 合格率 |
||
---|---|---|---|---|
2019年 (令和元年) |
875人 | 528人 | 60.34% | |
2018年 (平成30年) |
909人 | 550人 | 60.5% | |
2017年 (平成29年) |
861人 | 516人 | 59.93% |
消費生活コンサルタント養成講座
受講・応募資格・開催日程
コンサルタント養成講座には受講資格があります。
- 消費生活に関心を持ち、消費生活の基礎を体系的に学びたい
です。
応募時に講座受講の志望動機(400字程度)の提出課題と面接審査があります。
受講料
コンサルタント養成講座の受講手数料は、
- 昼間コース 88,000 円
約2か月の連続講座 - 夜間コース 130,000 円
週2回6か月間講座
資格取得に必要な準備講習
受験に向けた受験準備講習を開催している機関があります。
消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度
通学コースです。
消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度 | |||
講習時間 | 日程 | 受験料 | |
---|---|---|---|
講習機関A | 50時間 | 10日 | 56,000円 |
講習機関B | 27.5時間 | 5日 | 30,000円 |
講習機関C | –時間 | 3日 | 15,000円 |
消費生活アドバイザー資格試験
通学コースです。
消費生活アドバイザー資格試験 | |||
講習時間 | 日程 | 受験料 | |
---|---|---|---|
講習機関A | 42時間 | 7日 | 48,000円 |
講習機関B | 48時間 | 8日 | 42,000円 |
講習機関C | 50時間 | 20日 | 69,000円 |
最後に
消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度、消費生活アドバイザー資格試験、消費生活コンサルタント養成講座のどの資格を取得しても消費生活相談員になることができるので、どの資格を選択するか悩みます。
消費生活相談員になることができる以外での違い(資格の目的、資格取得方法など)を理解して、しっかりと検討したほうが良さそうです。
どの資格を取得しても消費生活相談員になることができますが、求人募集によっては必要な資格に違いがあるので、求人の状況も選択材料になります。
消費生活相談員になることを目的とするのであれば、消費生活相談員資格を取得することを推奨すると消費者庁の方が言っていました。
消費生活相談員になることを目的とするのであれば、消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度か消費生活アドバイザー資格試験の受験になります。
平成28年4月1日に施行された消費生活相談員資格が国家資格ということ、
指定消費生活相談員になることができるのが消費生活相談員資格ということで、
施工前の資格保有者の方が取得することもあるみたいです。
消費生活関連商品
消費生活関連商品です。
動画紹介
LEC東京リーガルマインドさんのYOUTUBEに投稿している消費生活アドバイザー【消費者問題・法律】分野の講義を無料体験の動画です。