就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、印刷技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 印刷技能検定 1級、2級の違い
- 作業の種類
- 資格取得に必要な試験
- 受験・応募資格・開催日程・合格基準
- 費用・試験科目
- 合格率
などが書いてあります。
印刷に関する知識と技能を証明することができる資格
印刷に関する知識と技能を証明することができる資格があります。
- 印刷技能士
です。
印刷技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している印刷技能検定に合格することで取得できます。
印刷技能検定は印刷製本関係の技能検定で1級、2級があります。
選択作業はオフセット印刷作業です。
印刷技能検定合格者には
職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除
などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。
- 1級 オフセット印刷作業
オフセット印刷機の印刷操作、オフセット印刷機の保守・調整、印刷用紙・インキ使用量の算出、印刷時間の積算、オフセット印刷物の品質評価などに関する技能・知識と、併せて、印刷・製版・製本一般、材料、電気、環境、安全衛生などに関する知識も含まれ
高度な技能を要する印刷ができるレベル - 2級 オフセット印刷作業
オフセット印刷機の印刷操作、オフセット印刷機の保守・調整、印刷用紙・インキ使用量の算出、印刷時間の積算、オフセット印刷物の品質評価などに関する技能・知識と、併せて、印刷・製版・製本一般、材料、電気、環境、安全衛生などに関する知識も含まれ
通常技能を要する印刷ができるレベル
1級印刷技能士の資格コードは6303
2級印刷技能士の資格コードは6304です。
大分類F 製造関連技能 中分類63 印刷・製本 |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
6303 | 1級印刷技能士 |
6304 | 2級印刷技能士 |
資格取得に必要な試験
印刷技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
(1級、2級なので有効期限はありません)
免除要件の詳細はこちらに書いてあります。
受験・応募資格・開催日程・合格基準
受験資格
印刷技能検定は、どの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。
印刷技能検定受験資格 | ||||
受験対象者 | 必要となる実務経験年数 | |||
---|---|---|---|---|
1級 | 2級 | |||
2級 合格後 |
||||
実務経験のみ | 2年 | 7年 | 2年 | |
専門高校卒業 専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業 |
6年 | 不要 | ||
短大・高専・高校専攻科卒業 専修学校(大学編入資格付与課程)卒業 |
5年 | |||
大学卒業 専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業 |
4年 | |||
専修学校または 各種学校卒業 (厚生労働大臣が 指定したものに限る) |
800時間以上 | 6年 | ||
1,600時間以上 | 5年 | |||
3,200時間以上 | 4年 | |||
短期課程の普通職業訓練終了 | 700時間以上 | 6年 | ||
普通課程の普通職業訓練終了 | 2,800時間未満 | 5年 | ||
2,800時間以上 | 4年 | |||
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 | 1年 | 3年 | ||
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 | 1年 | |||
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 | 1年 | |||
職業訓練指導員免許取得 | 1年 | |||
長期養成課程の指導員訓練修了 | なし |
開催日程
技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。
技能検定実施日程 | ||
前期 | 後期 | |
---|---|---|
実施公示 | 3月上旬 | 9月上旬 |
受験申請 | 4月上旬 | 10月上旬 |
実技試験問題の公表 | 6月上旬 | 11月下旬 |
実技試験 | 6月上旬から9月中旬 | 12月上旬から2月中旬 |
学科試験 | 7月中旬から9月上旬 | 1月中旬から2月上旬 |
※年度、都道府県で違いがあるので注意
受験手数料
印刷技能検定受験手数料 | |||
等級 | 実技試験 | 学科試験 | |
---|---|---|---|
35歳以上 | 35歳未満 | 全年齢 | |
1級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
2級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
合格基準
合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
1級 オフセット印刷作業
実技試験
1級印刷技能検定 オフセット印刷作業実技試験の採点項目と配点です。
1級印刷技能検定 オフセット印刷作業実技試験は
多色オフセット印刷機を使用して、CTP刷版4版により4色刷りでコーテッドペーパーに印刷します。
試験時間は
- 自動刷版交換装置のない枚葉機を使用する場合
2色機 標準時間2時間30分 打切り時間3時間
4色機以上 標準時間2時間 打切り時間2時間30分 - 自動刷版交換装置のある枚葉機を使用する場合
2色機 標準時間1時間45分 打切り時間2時間
4色機以上 標準時間1時間15分 打切り時間1時間30分
です。
1級オフセット印刷作業 実技試験の採点項目と配点 | |||
製作等作業試験 | |||
---|---|---|---|
採点項目 | 配点 | ||
一次採点 | 員数の正確さ | 100 | |
紙厚測定 | |||
損紙混入枚数 | |||
作品のでき上がり枚数 | |||
インキ残肉量 | |||
作業態度及び動作 | |||
作業時間 | |||
二次採点 | 寸法 | 針寸法 | |
くわえ寸法 | |||
絵柄トンボの見当 | |||
色相及び濃度 | 色相 | ||
濃度 | |||
画線の再現 | グラデーションの再現 | ||
平網の再現 | |||
絵柄 | 絵柄の再現 | ||
絵柄のばらつき | |||
白抜き文字の再現 | |||
総合できばえ |
試験科目
1級印刷技能検定 オフセット印刷作業の実技試験科目です。
- オフセット印刷作業
オフセット印刷機による印刷操作ができること。
オフセット印刷機の保守・調整ができること。
印刷用紙・印刷用インキ使用量の積算ができること。
印刷時間の積算ができること。
オフセット印刷物の品質評価ができること。
学科試験
1級印刷技能検定 オフセット印刷作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
1級印刷技能検定 オフセット印刷作業の学科試験科目です。
- 印刷、プリプレス及び製本一般
プリプレスから印刷、製本までのワークフロー
印刷法の種類及び特徴
印刷機の種類及び特徴
プリプレスの種類及び特徴
印刷原稿及び版下の指示
日本産業規格に定める印刷物の仕上げ寸法
製本様式及び本の各部の名称
印刷システムの種類、構成及び特徴
環境保全及び資源の再利用の方法 - 材料
版材の種類、特徴及び用途
印刷用インキ類の種類及び特徴
印刷用紙類の種類、特徴及び用途 - 電気
電気用語
電気機械器具の種類及び特徴
電子機器の種類及び用途 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - オフセット印刷法
オフセット印刷の方法
オフセット印刷機の構造及び操作方法
オフセット印刷の製品不良の原因及びその防止対策
2級 オフセット印刷作業
実技試験
2級印刷技能検定 オフセット印刷作業実技試験の採点項目と配点です。
2級印刷技能検定 オフセット印刷作業実技試験は
多色オフセット印刷機を使用して、CTP刷版2版により2色刷りでコーテッドペーパーに印刷します。
試験時間は
- 自動刷版交換装置のない枚葉機を使用する場合
2色機 標準時間1時間45分 打切り時間2時間15分 - 自動刷版交換装置のある枚葉機を使用する場合
2色機 標準時間1時間 打切り時間1時間15分
です。
2級オフセット印刷作業 実技試験の採点項目と配点 | |||
製作等作業試験 | |||
---|---|---|---|
採点項目 | 配点 | ||
一次採点 | 員数の正確さ | 100 | |
紙厚測定 | |||
損紙混入枚数 | |||
作品のでき上がり枚数 | |||
インキ残肉量 | |||
作業態度及び動作 | |||
作業時間 | |||
二次採点 | 寸法 | 針寸法 | |
くわえ寸法 | |||
絵柄トンボの見当 | |||
色相及び濃度 | 色相 | ||
濃度 | |||
画線の再現 | グラデーションの再現 | ||
平網の再現 | |||
絵柄 | 絵柄の再現 | ||
絵柄のばらつき | |||
白抜き文字の再現 | |||
総合できばえ |
試験科目
2級印刷技能検定 オフセット印刷作業の実技試験科目です。
- オフセット印刷作業
オフセット印刷機による印刷操作ができること。
オフセット印刷機の保守・調整ができること。
印刷用紙・印刷用インキ使用量の積算ができること。
印刷時間の積算ができること。
オフセット印刷物の品質評価ができること。
学科試験
2級印刷技能検定 オフセット印刷作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
2級印刷技能検定 オフセット印刷作業の学科試験科目です。
- 印刷、プリプレス及び製本一般
プリプレスから印刷、製本までのワークフロー
印刷法の種類及び特徴
印刷機の種類及び特徴
プリプレスの種類及び特徴
印刷原稿及び版下の指示
日本産業規格に定める印刷物の仕上げ寸法
製本様式及び本の各部の名称
印刷システムの種類、構成及び特徴
環境保全及び資源の再利用の方法 - 材料
版材の種類、特徴及び用途
印刷用インキ類の種類及び特徴
印刷用紙類の種類、特徴及び用途 - 電気
電気用語
電気機械器具の種類及び特徴
電子機器の種類及び用途 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - オフセット印刷法
オフセット印刷の方法
オフセット印刷機の構造及び操作方法
オフセット印刷の製品不良の原因及びその防止対策
受験準備講習
印刷技能検定試験に向けた準備講習を開催している機関があります。
印刷技能検定講習受講料 | ||||
コース | 日程 | 時間 | 受講料 | |
---|---|---|---|---|
教習機関A | 実技 | 3日 | 9:30~15:25 | 4,900円 |
教習機関B | 学科 | 1日 | 13:30~17:00 | 5,250円 |
合格率
印刷技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。
オフセット印刷作業
印刷技能検定 オフセット印刷作業の合格率です。
印刷技能検定オフセット印刷作業合格率 | |||
平成 29年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 250人 | 122人 | 48.8% |
2級 | 222人 | 88人 | 39.63% |
平成 28年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 270人 | 127人 | 47.03% |
2級 | 227人 | 87人 | 38.32% |
平成 27年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 240人 | 145人 | 47.03% |
2級 | 181人 | 84人 | 46.4% |
愛知県印刷技能検定 オフセット印刷作業合格率 |
|||
平成 30年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 15人 | 2人 | 13.3% |
2級 | 9人 | 4人 | 44.4% |
平成 29年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 15人 | 10人 | 66.7% |
2級 | 11人 | 5人 | 45.5% |
平成 28年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 20人 | 14人 | 70% |
2級 | 13人 | 5人 | 38.5% |
熊本県印刷技能検定 オフセット印刷作業合格率 |
|||
平成 19年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 17人 | 7人 | 41.1% |
2級 | 4人 | 3人 | 75% |
広島県印刷技能検定 オフセット印刷作業合格率 |
|||
令和 元年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 12人 | 8人 | 66.6% |
2級 | 2人 | 0人 | 0% |
オフセット印刷関連商品
オフセット印刷関連商品です。
動画紹介
CHAU HUNG JAPANさんのYOUTUBEに投稿している基礎2級 オフセット印刷実技の動画です。