就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、揚貨装置と書いてある求人があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 揚貨装置の運転業務特別教育と揚貨装置運転士免許の違い
- 資格取得に必要な講習時間・試験免除条件
- 資格取得に必要な講習受講料・試験料
- 試験免除条件
- 合格率
などが書いてあります。
揚貨装置(ようかそうち)は、船舶に取り付けられたデリックやクレーンの設備のことをいい、陸から船へあるいは船から陸へ積載貨物を積み替える港湾での荷役作業に用いられる機械である。
同様の作業を行うクレーンであっても、港湾側に設置・配置されたものは揚貨装置には含まれない。
あくまで船上に設置されたもののみを指す。引用元: 揚貨装置
揚貨装置を運転するのに必要な資格
揚貨装置を運転するのに必要な資格が2つあります。
- 揚貨装置の運転の業務に係る特別教育
- 揚貨装置運転士免許
(以後、揚貨装置特別教育と省略してる場合有)
です。
簡単な違いは制限荷重と資格の取得方法です。
制限荷重が5トン未満であれば、揚貨装置の運転の業務に係る特別教育
制限荷重が5トン以上であれば、揚貨装置運転士免許
が必要で
揚貨装置特別教育は学科11時間と実技4時間の講習を修了
揚貨装置運転士免許は学科と実技の免許試験に合格
(実技試験は登録教習機関で揚貨装置運転実技教習を修了することで免除可能)
することで取得できます。
揚貨装置特別教育の受講資格は18歳以上です。
揚貨装置運転士免許に受験資格はありませんが、本人確認証明書の添付が必要です。
揚貨装置運転士の資格コードは6713です。
大分類G 定置機関・建設機械運転・電気・建設・土木工事・その他関連 中分類67 定置・建設機械の運転 |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
6713 | 揚貨装置運転士 |
根拠法令
揚貨装置の運転の業務に係る特別教育
制限荷重五トン未満の揚貨装置の運転の業務
引用元: 労働安全衛生規則 第36条 第6号
揚貨装置運転士免許
制限荷重が五トン以上の揚貨装置の運転の業務
引用元: 労働安全衛生法施行令 第20条 2号
資格取得に必要な講習・試験
揚貨装置特別教育
揚貨装置特別教育の修了に必要な学科時間は11時間です。
- 貨装置に関する知識(4時間)
- 原動機及び電気に関する知識(2時間)
- 揚貨装置の運転のために必要な力学に関する知識(4時間)
- 関係法令(1時間)
揚貨装置特別教育修了に必要な実技時間は4時間です。
- 揚貨装置の運転(3時間)
- 揚貨装置の運転のための合図(1時間)
の計15時間(2日)です。
揚貨装置運転士免許試験
実技試験は登録教習機関で揚貨装置運転実技教習を修了することで免除が可能です。
学科試験
- 揚貨装置に関する知識10問(30点)
- 関係法令10問(20点)
- 原動機及び電気に関する知識10問(20点)
- 揚貨装置の運転のために必要な力学に関する知識10問(30点)
学科試験合格基準
揚貨装置運転士免許学科試験の合格基準は60点以上、かつ各科目40%以上です。
学科試験合格率
揚貨装置運転士免許学科試験の合格率です。
直近10年の合格率は70%から80%です。
揚貨装置運転士免許学科試験合格率 | |||
2018年 | 516人 | 385人 | 74.6% |
---|---|---|---|
2008年 | 630人 | 456人 | 72.4% |
実技試験
揚貨装置運転士免許試験の実技試験は
- 揚貨装置の運転
- 揚貨装置の運転のための合図
です。
実技試験合格基準(減点方式)
揚貨装置運転士免許試験の合格基準は減点方式で
減点合計40点以下です。
実技試験合格率
揚貨装置運転士免許実技試験の合格率です。
直近10年の合格率は95%前後です。
揚貨装置運転士免許実技試験合格率 | |||
2018年 | 315人 | 297人 | 94.3% |
---|---|---|---|
2008年 | 397人 | 377人 | 95.0% |
免除条件
所持している資格によって試験の一部が免除になります。
揚貨装置運転士免許試験免除条件 | |
所持資格 | 免除内容 |
---|---|
揚貨装置の学科試験の合格者 (合格した学科試験日から1年以内) |
学科 学科試験の全て免除 |
クレーン・デリック運転士免許 (クレーン限定、床上運転式クレーン限定含む) 旧クレーン運転士免許 (床上運転式限定含む) 旧デリック運転士免許 移動式クレーン運転士免許 |
学科 原動機及び電気に関する知識 力学に関する知識 実技 運転のための合図 |
揚貨装置運転実技教習修了 (修了した日から1年以内) |
実技 実技試験の全て免除 |
床上操作式クレーン運転技能講習修了 小型移動式クレーン運転技能講習修了 玉掛け技能講習修了 |
実技 運転のための合図 |
資格取得に必要な講習受講料・試験料
揚貨装置運転特別教育
揚貨装置運転特別教育講習受講料 | ||||
コース | 日程 | 教習機関A | 教習機関B | 教習機関C |
---|---|---|---|---|
15時間 | 2日 | 15,000円 | 19,360円 | 22,000円 |
揚貨装置運転士免許試験
揚貨装置運転士免許試験料
- 学科試験料
6,800円 - 実技試験料
11,000円
揚貨装置運転実技教習
揚貨装置運転実技教習を修了することで実技試験が1年免除になります。
学科試験に合格後1年以内の方は、揚貨装置運転実技教習を修了後、労働局に申請ができます。
揚貨装置運転実技教習受講料 | ||||
コース | 日程 | 教習機関A | 教習機関B | |
---|---|---|---|---|
9時間 | 6日 | 60,000円 | 88,000円 |
最後に
運転特別教育は、短期間、低価格で取得できる資格だと思いますが、
揚貨装置運転士免許は、揚貨装置運転実技教習を開催している教習機関が少なく取得困難かと思いました。
所持免許によって免除があるので、ほかに取得する資格など上手に順番を決めるとスムーズに取得出来そうです。
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動画紹介
license9masterさんのYOUTUBEに投稿している揚貨装置の教習風景(ローアングル)の動画です。