就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、和裁技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 和裁技能検定 1級、2級、3級の違い
- 作業の種類
- 資格取得に必要な試験
- 受験・応募資格・開催日程・合格基準
- 費用・試験科目
- 合格率
などが書いてあります。
和裁に関する知識と技能を証明することができる資格
和裁に関する知識と技能を証明することができる資格があります。
- 和裁技能士
です。
和裁技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している和裁技能検定に合格することで取得できます。
和裁技能検定は衣服・繊維製品関係の技能検定で
1級、2級、3級があります。
選択作業はひとつで和服製作作業です。
和裁技能検定技能検定の合格者には
- 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除
- 和裁技能検定の1級合格者には、東京商工会議所和裁検定1級、2級の実技免除
- 和裁技能検定の2級合格者には、東京商工会議所和裁検定2級の実技免除
などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。
- 1級 和服製作作業
採寸、裁断、縫製作業、仕上げなどの製作作業に関する技能・知識と、併せて、材料、服装美学一般、安全衛生などに関する知識も含まれ
上位技能者レベル - 2級 和服製作作業
採寸、裁断、縫製作業、仕上げなどの製作作業に関する技能・知識と、併せて、材料、服装美学一般、安全衛生などに関する知識も含まれ
中級技能者レベル - 3級 和服製作作業
裁断、縫製作業、仕上げなどの製作作業に関する技能・知識となっており、併せて、材料、服装美学一般、安全衛生などに関する知識も含まれ
初級技能者のレベル
1級和裁技能士の資格コードは6111
2級和裁技能士の資格コードは6112
3級和裁技能士の資格コードは6113です。
大分類F 製造関連技能 中分類61 紡織・染色・縫製 |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
6111 | 1級和裁技能士 |
6112 | 2和裁技能士 |
6113 | 3和裁技能士 |
資格取得に必要な試験
和裁技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
また、
東京商工会議所和裁検定1級の取得者は技能検定1級、2級の実技免除
東京商工会議所和裁検定2級の取得者は技能検定2級の実技免除
などの特典があります。
受験・応募資格・開催日程・合格基準
受験資格
和裁技能検定は、どの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
和裁技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。
和裁技能検定受験資格 | |||||||
受験対象者 | 必要となる実務経験年数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1級 | 2級 | 3級 | |||||
2級 合格後 |
3級 合格後 |
3級 合格後 |
|||||
実務経験のみ | 2年 | 4年 | 7年 | 不要 | 2年 | 不要 | |
専門高校卒業 専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業 |
6年 | 不要 | |||||
短大・高専・高校専攻科卒業 専修学校(大学編入資格付与課程)卒業 |
5年 | ||||||
大学卒業 専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業 |
4年 | ||||||
専修学校または 各種学校卒業 (厚生労働大臣が 指定したものに限る) |
800時間以上 | 6年 | |||||
1,600時間以上 | 5年 | ||||||
3,200時間以上 | 4年 | ||||||
短期課程の普通職業訓練終了 | 700時間以上 | 6年 | |||||
普通課程の普通職業訓練終了 | 2,800時間未満 | 5年 | |||||
2,800時間以上 | 4年 | ||||||
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 | 1年 | 2年 | 3年 | ||||
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 | 1年 | ||||||
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 | 1年 | ||||||
職業訓練指導員免許取得 | 1年 | ||||||
長期養成課程の指導員訓練修了 | なし |
開催日程
技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。
技能検定実施日程 | ||
前期 | 後期 | |
---|---|---|
実施公示 | 3月上旬 | 9月上旬 |
受験申請 | 4月上旬 | 10月上旬 |
実技試験問題の公表 | 6月上旬 | 11月下旬 |
実技試験 | 6月上旬から9月中旬 | 12月上旬から2月中旬 |
学科試験 | 7月中旬から9月上旬 | 1月中旬から2月上旬 |
※年度、都道府県で違いがあるので注意
受験手数料
和裁技能検定受験手数料 | |||
等級 | 実技試験 | 学科試験 | |
---|---|---|---|
35歳以上 | 35歳未満 | 全年齢 | |
1級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
2級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
3級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
3級(学生) | 12,100円 | 3,100円 | 3,100円 |
合格基準
合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
1級 和服製作作業
実技試験
1級和裁技能検定 和服製作作業の実技試験の採点項目と配点です。
1級和裁技能検定 和服製作作業の実技試験は製作等作業試験で
試験時間は、標準時間7時間 打切り時間7時間30分です。
1級和裁技能検定 実技試験の採点項目と配点 | |||
採点項目 | 配点 | ||
---|---|---|---|
製品 | 作業1(あわせ長着の縫製) | 仕様誤り | 100 |
できばえ | |||
作業2(部分縫い) | 仕様誤り | ||
できばえ | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
- 作業1 あわせ長着の縫製
あわせ長着の縫製は、表地がちりめん又はりんずの付けさげ(上前に模様合わせのあるもの)であって、両そで、背縫い、わき縫い、下前のおくみ付け等を事前に縫い上げたもの(上前のおくみ付けは、試験場で行う)、
また、裏地は絹又は交織であって、背縫い(並幅)、わき縫い、おくみ付け等を事前に縫い上げたものを持参し、試験場において、えり付け、まとめ等を行い、あわせ長着を仕立てる。 - 作業2 部分縫い
部分縫いは、表地(検印のあるもの)に色もののしんもす、裏地(検印のあるもの)に白のしんもすを用いて都えりの上前を縫製する。
試験科目
1級和裁技能検定 和服製作作業の実技試験科目です。
- 和服製作作業
採寸
裁断
手縫い又はミシン縫いによる縫製作業
仕上げ
学科試験
1級和裁技能検定 和服製作作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
1級和裁技能検定 和服製作作業の学科試験科目です。
- 和服製作法
裁断の方法
縫製の手順及び方法
採寸
和服の製作に使用する機械及び器工具の種類及び使用方法 - 材料
和服の材料の種類、特徴及び用途 - 和服一般
和服の種類及び特徴
和服の手入れ及び保存の方法
和服に使用する織物の種類、組織及び用途
染物の種類及び特徴
日本産業規格に定める繊維用語 - 服装美学一般
色彩
着装法 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
2級 和服製作作業
実技試験
2級和裁技能検定 和服製作作業の実技試験の採点項目と配点です。
2級和裁技能検定 和服製作作業の実技試験は製作等作業試験で
試験時間は、標準時間6時間 打切り時間6時間30分です。
2級和裁技能検定 実技試験の採点項目と配点 | |||
採点項目 | 配点 | ||
---|---|---|---|
製品 | 仕様誤り | 100 | |
できばえ | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
- 作業
表地はちりめん、羽二重又はりんずとし、右そで、おくみ付け等を事前に縫い上げたもの、また、裏地は絹又は交織とし、背縫い、おくみ付け等を事前に縫い上げたものを持参し、試験場において、えり付け、まとめ等を行い、女子用あわせ長着を仕立てる。
試験科目
2級和裁技能検定 和服製作作業の実技試験科目です。
- 和服製作作業
採寸
裁断
手縫い又はミシン縫いによる縫製作業
仕上げ
学科試験
2級和裁技能検定 和服製作作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
2級和裁技能検定 和服製作作業の学科試験科目です。
- 和服製作法
裁断の方法
縫製の手順及び方法
採寸
和服の製作に使用する機械及び器工具の種類及び使用方法 - 材料
和服の材料の種類、特徴及び用途 - 和服一般
和服の種類及び特徴
和服の手入れ及び保存の方法
和服に使用する織物の種類、組織及び用途
染物の種類及び特徴
日本産業規格に定める繊維用語 - 服装美学一般
色彩
着装法 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
3級 和服製作作業
実技試験
3級和裁技能検定 和服製作作業の実技試験の採点項目と配点です。
3級和裁技能検定 和服製作作業の実技試験は製作等作業試験で
試験時間は、標準時間3時間 打切り時間3時間30分です。
3級和裁技能検定 実技試験の採点項目と配点 | |||
採点項目 | 配点 | ||
---|---|---|---|
製品 | 仕様誤り | 100 | |
できばえ | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
- 作業
表地は自由、芯地は自由(胴裏の付くものは、裏地自由)とし、身ごろ・立えり(下えり)付けをし、右そでを事前に縫い上げたもの(えり先布の付く場合は、事前にえり先布をえり芯に付けておく)を持参し、試験場において、えり付け、まとめ等を行い、女子用そで無双あわせ長じゅばん又は胴抜き長じゅばんを仕立てる。
試験科目
3級和裁技能検定 和服製作作業の実技試験科目です。
- 和服製作作業
裁断
手縫い又はミシン縫いによる縫製作業
仕上げ
学科試験
3級和裁技能検定 和服製作作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法
- 出題数 30問(真偽法30問)
- 試験時間 1時間
です。
試験科目
3級和裁技能検定 和服製作作業の学科試験科目です。
- 和服製作法
裁断の方法
縫製の手順及び方法
採寸
和服の製作に使用する機械及び器工具の種類及び使用方法 - 材料
和服の材料の種類、特徴及び用途 - 和服一般
和服の種類及び特徴
和服の手入れ及び保存の方法
和服に使用する織物の種類、組織及び用途 - 服装美学一般
色彩
着装法 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
講習
和裁技能検定試験に向けた準備講習を開催している機関があります。
和裁技能検定講習受講料 | ||||
コース | 期間 | 入所費用 | ||
---|---|---|---|---|
教習機関A | 2級 | 4年 | 200,000円 | |
3級 | 2年 | 100,000円 |
合格率
和裁技能検定平成30年の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。
和裁技能検定平成30年合格率 | |||
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
1級 | 36人 | 22人 | 61.11% |
2級 | 103人 | 48人 | 46.60% |
3級 | 121人 | 89人 | 73.55% |
最後に
受験準備講習の期間は長いですが、価格は安いように感じます。
受験準備講習を開催している機関は少なかったですが、和裁の講習を開催している機関は多数ありました。
合格率も低くなく、和裁技能検定には3級があるのと講習が充実しているので取得しやすい資格だと思いました。
和裁技能関連商品
和裁技能関連商品です。
動画紹介
888 tea with milkさんのYOUTUBEに投稿している はじめての運針の動画です。