塗料調色技能士検定 調色作業の資格取得に必要な試験

就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、塗料調色技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。

このページには

  • 塗料調色技能検定作業の種類
  • 資格取得に必要な試験
  • 受験・応募資格・開催日程・合格基準
  • 費用・試験科目
  • 合格率

などが書いてあります。

塗料調色に関する知識と技能を証明することができる資格

塗料調色に関する知識と技能を証明することができる資格があります。

  • 塗料調色技能士

です。
塗料調色技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している塗料調色技能検定に合格することで取得できます。

塗料調色技能検定は、その他の技能検定で単一等級です。
選択作業はひとつで調色作業です。

塗料調色技能検定の合格者には

  • 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除

などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。

  • 調色作業
    原色選定、配合及び混合、色合わせ、色見本帳の作成、色の判定、仕上げなどに関する技能・知識と、併せて、調色一般、調色作業法、材料、塗装一般、試験及び検査、色、関係法規、安全衛生などの塗料に関する総合的な知識も含まれる。

塗料調色技能士の資格コードは6605です。

大分類F 製造関連技能
中分類66 その他の製造・制作
免許・資格コード 免許・資格内容
6605 塗料調色技能士

資格取得に必要な試験

調色技能検定イメージ画像

塗料調色技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
(単一等級なので有効期限はありません)
免除要件の詳細はこちらに書いてあります。

受験・応募資格・開催日程

受験資格

塗料調色技能検定には、職業訓練歴、学歴、実務経験による受験資格があります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。

塗料調色技能検定受験資格
受験対象者 必要となる実務経験年数
実務経験のみ 3年
専門高校卒業
専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業
1年
短大・高専・高校専攻科卒業
専修学校(大学編入資格付与課程)卒業
なし
大学卒業
専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業
なし
専修学校または
各種学校卒業
(厚生労働大臣が指定したものに限る)
800時間以上 1年
1,600時間以上 1年
3,200時間以上 なし
短期課程の普通職業訓練終了 700時間以上 1年
普通課程の普通職業訓練終了 2,800時間未満 1年
2,800時間以上 なし
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 なし
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 なし
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 なし
職業訓練指導員免許取得 なし
長期養成課程の指導員訓練修了 なし

開催日程

塗料調色技能検定開催日程・試験日

技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。

技能検定実施日程
前期 後期
実施公示 3月上旬 9月上旬
受験申請 4月上旬 10月上旬
実技試験問題の公表 6月上旬 11月下旬
実技試験 6月上旬から9月中旬 12月上旬から2月中旬
学科試験 7月中旬から9月上旬 1月中旬から2月上旬

※年度、都道府県で違いがあるので注意

費用・試験科目

資格取得に必要な費用

塗料調色技能士の取得に必要な費用は

  • 実技試験手数料 18,200円
  • 学科試験手数料 3,100円

合格基準

合格基準は、100点を満点として、原則として実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。

調色作業

実技試験

塗料調色技能検定 調色作業実技試験の採点項目と配点です。
塗料調色技能検定の実技試験
製作等作業試験と判断等試験があります。

塗料調色技能検定実技試験採点項目と配点
実施形式 採点項目 配点
製作等作業試験 作品 ラッカーエナメル
調色作業
色差 60
均一性
仕上がり量
合成樹脂
エマルションペイント
調色作業
色差
均一性
仕上がり量
作業動作及び作業態度
判断等試験 実物判定 塗料 40
溶剤
色の目視判定 色の三属性
色差
距離
色の目視判定 色の三属性
色差
  • 製作等作業試験 標準時間2時間15分
    ラッカーエナメル及び合成樹脂エマルションペイントを使用して、調色作業を行います。

判断等試験は3つの判定を行います。

  • 塗料及び溶剤の実物判定
    試験時間 3分
  • 色の三属性、色差及び距離の目視判定
    試験時間 9分
  • 色見本の原色混合量の判定
    試験時間 3分
試験科目

塗料調色技能検定 調色作業実技試験の実技試験科目です。

  • 調色作業
    原色の選定
    配合及び混合
    色合わせ
    色見本板の製作
    色の判定
    仕上げ

学科試験

塗料調色技能検定の学科試験は

  • 試験方式 真偽法及び四肢択一法
  • 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
  • 試験時間 1時間40分

です。

試験科目

塗料調色技能検定 調色作業実技試験の学科試験科目です。

  • 調色一般
    調色の目的
    調色用語
    色の比較方法
    調色に使用する機械及び器工具の種類、用途及び使用方法
  • 調色作業法
    原色の選定
    配合及び混合
    仕上げの方法
    塗板の管理の方法
    調色における欠陥の種類及び原因並びにその防止方法
  • 材料
    塗料の種類、性質及び用途
    薄め剤及び溶剤の種類、性質及び用途
    塗料用顔料及び染料の種類、性質及び用途
  • 塗装一般
    塗装の目的
    塗装法の種類
    塗料の乾燥の方法
    塗装作業と仕上り塗色との関係
    塗装に使用する機械及び器工具の種類、用途及び使用方法
  • 試験及び検査
    製品試験及び製品検査の方法
    試験及び検査用機器の種類及び使用方法

  • 色の基礎知識
    色の表示方法
    配色
  • 関係法規
    消防法関係法令のうち、調色作業に関する部分
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識

合格率

塗料調色技能検定合格率

塗料調色技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。

塗料調色技能検定合格率
受検申請者数 合格者数 合格率
平成30年 87人 50人 57.47%
平成29年 93人 47人 50.53%

塗料調色技能検定アンケート

塗料調色技能検定アンケート

塗料調色技能士さんのアンケート結果です。

30代 男性

  • アンケート日時
    24年3月
  • 性別
    男性
  • 年齢
    30代
  • 所有資格 取得時年齢
    塗料調色技能士1級 32歳取得
  • 資格取得の動機
    仕事に役立てるため
  • 資格取得のきっかけ
    塗料製造会社に勤務しており、上司に資格取得を勧められたからです
  • 資格取得に向けて行った勉強方法、勉強期間、費用
    独学(参考書、社内資格用のテキスト)
  • 資格取得の難易度(1~5)
    難易度:3 普通
    調色に普段から携わっている人であれば、それほど難しくはないと思います。
    ただ実技試験があるので、ある程度の経験がないとできないかと思います。
  • 取得した資格が現在の仕事でどのように役立っているか
    その後プラスチック加工の会社に転職しましたが、その歳に役に立ちました
  • 資格取得後のキャリアプラン
    関連する分野で、色彩検定も受けてみようと思っています
  • 資格取得のメリット
    収入があがるということはなかったですが、自分が希望する調色の仕事にすんなり就けたので良かったです。
  • 資格取得のデメリット
    収入があがらなかったことです
  • 資格取得を目指す人へのアドバイス
    どんな資格でも、取得して無駄になるということはないと思います。
    人生は思ったよりも長く、いつどこで何の知識が役に立つかわかりません。
    必ず活かせる時が来るという心構えで勉強すると良いと思います。
    独学でやる場合は、隙間時間を有効活用して、短い時間でもよいので毎日勉強することが重要だと思います。

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最後に

単一等級なので受験資格の実務経験年数が厳しいです。
受験準備講習が見当たりませんでしたが、塗料調色技能士の方のブログには、技能検定講習、ペンキメーカー開催の講習に参加した記事があったので講習は開催しているようです。
合格率は低くないと思いますが、業界外の人には取得が難しい資格だと思いました。

動画紹介

yosihiro takahashiさんのYOUTUBEに投稿している調色の動画です。