就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、とび技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- とび技能検定 1級、2級、3級の違い
- 作業の種類
- 資格取得に必要な試験
- 受験・応募資格・開催日程・合格基準
- 費用・試験科目
- 合格率
などが書いてあります。
とびに関する知識と技能を証明することができる資格
とびに関する知識と技能を証明することができる資格があります。
- とび技能士
です。
とび技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催しているとび技能検定に合格することで取得できます。
とび技能検定は建設関係の技能検定で、
1級、2級、3級があります。
選択作業は
- とび作業(1級・2級・3級)
です。
とび技能検定の合格者には
- 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除
- 労働安全コンサルタント試験の受験資格
- 木造建築物の組立て等作業主任者技能講習の受講の一部免除
- 土止め支保工作業主任者技能講習の受講の一部免除
- 型わく支保工の組立て等作業主任者技能講習の受講の一部免除
- 足場の組立て等作業主任者技能講習の受講の一部免除
- 建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習の受講の一部免除
- コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習の受講の一部免除
- 2級建築施工管理技術検定(躯体種別)の受験資格
- 登録鳶・土工基幹技能者講習受講資格
- 専任の者・主任技術者の資格
などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。
- 1級 とび作業
とび作業の段取り、仮設の建設物等の組立て・解体、掘削・土止め・地業、玉掛け、建設工事に使用する材料運搬などに関する技能・知識と、併せて、施工法、材料、建築構造、関係法規、安全衛生などに関する知識も含まれ
詳細な各種関連知識が必要な上級技能者レベル。 - 2級 とび作業
とび作業の段取り、仮設の建設物等の組立て・解体、掘削・土止め・地業、玉掛け、建設工事に使用する材料運搬などに関する技能・知識と、併せて、施工法、材料、建築構造、関係法規、安全衛生などに関する知識も含まれ
詳細な各種関連知識が必要な中級技能者レベルです。 - 3級 とび作業
とび作業の段取り、仮設の建設物等の組立て・解体、建設工事に使用する材料運搬などに関する技能・知識となっており、2級に含まれているコンクリート打診、ひき家作業、掘削・土止め・地業、玉掛けなどが含まれていないレベル。
併せて、施工法、材料、建築構造、関係法規、安全衛生などに関する知識も含まれる。
1級とび技能士の資格コードは7007
2級とび技能士の資格コードは7008
3級とび技能士の資格コードは7009です。
大分類G 定置機関・建設機械運転・電気・建設・土木工事・その他関連 中分類70 建築工事 |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
7007 | 1級とび技能士 |
7008 | 2級とび技能士 |
7009 | 3級とび技能士 |
資格取得に必要な試験
とび技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
受験・応募資格・開催日程・合格基準
受験資格
とび技能検定は、どの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
※実技試験課題に労働安全衛生法関係法令等に基づく就業制限又は特別教育を要する作業を伴います。
受講修了証等の原本若しくは写しの提示又は技能を有していることの自己申告が必要となります。
とび技能検定受験資格 | |||||||
受験対象者 | 必要となる実務経験年数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1級 | 2級 | 3級 | |||||
2級 合格後 |
3級 合格後 |
3級 合格後 |
|||||
実務経験のみ | 2年 | 4年 | 7年 | 不要 | 2年 | 不要 | |
専門高校卒業 専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業 |
6年 | 不要 | |||||
短大・高専・高校専攻科卒業 専修学校(大学編入資格付与課程)卒業 |
5年 | ||||||
大学卒業 専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業 |
4年 | ||||||
専修学校または 各種学校卒業 (厚生労働大臣が 指定したものに限る) |
800時間以上 | 6年 | |||||
1,600時間以上 | 5年 | ||||||
3,200時間以上 | 4年 | ||||||
短期課程の普通職業訓練終了 | 700時間以上 | 6年 | |||||
普通課程の普通職業訓練終了 | 2,800時間未満 | 5年 | |||||
2,800時間以上 | 4年 | ||||||
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 | 1年 | 2年 | 3年 | ||||
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 | 1年 | ||||||
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 | 1年 | ||||||
職業訓練指導員免許取得 | 1年 | ||||||
長期養成課程の指導員訓練修了 | なし |
開催日程
技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。
技能検定実施日程 | ||
前期 | 後期 | |
---|---|---|
実施公示 | 3月上旬 | 9月上旬 |
受験申請 | 4月上旬 | 10月上旬 |
実技試験問題の公表 | 6月上旬 | 11月下旬 |
実技試験 | 6月上旬から9月中旬 | 12月上旬から2月中旬 |
学科試験 | 7月中旬から9月上旬 | 1月中旬から2月上旬 |
※年度、都道府県で違いがあるので注意
受験手数料
とび技能検定受験手数料 | |||
等級 | 実技試験 | 学科試験 | |
---|---|---|---|
35歳以上 | 35歳未満 | 全年齢 | |
1級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
2級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
3級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
3級(学生) | 12,100円 | 3,100円 | 3,100円 |
合格基準
合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
1級 とび工事作業
実技試験
1級とび技能検定 とび作業の実技試験の採点項目と配点です。
1級とび技能検定 とび作業の実技試験は
製作等作業試験です。
1級とび技能検定 とび作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 真づか小屋組組立て | 100 | |
重量物運搬 | |||
重量物目測 | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
- 製作等作業試験1 標準時間 1時間30分 打切り時間 1時間50分
鋼管を使用して真づか小屋組の作業を行います。 - 製作等作業試験2 試験時間 10分
そり(こした)にのせた重量物の運搬の作業を行います。 - 製作等作業試験3 試験時間 5分
3種類の重量物の目測の作業を行います。
試験科目
とび技能検定 とび作業の実技試験科目です。
- とび作業
とび作業の段取り
仮設の建設物等の組立て及び解体
掘削、土止め及び地業
玉掛け
建設工事に使用する材料の運搬
学科試験
1級とび技能検定 とび作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
1級とび技能検定 とび作業の学科試験科目です。
- 施工法
仮設の建設物の組立て及び解体の方法
掘削、土止め及び地業の方法
躯体工事の方法
重量物の運搬方法
建設物の解体の方法
玉掛けの方法
とび工事に使用する器工具の種類、用途及び使用方法
建設工事に使用する機械及び設備の種類及び用途
建設工事の施工図の種類及び表示記号
力学に関する基礎知識 - 材料
とび工事用材料の種類及び用途
建築用材料の種類及び用途 - 建築構造
仮設の建設物の種類及び構造
建築物の種類及び特徴 - 関係法規
建築基準法関係法令、 廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係法令、建設工事にかかる資材の再資源化等に関する法律関係法令のうち、とび工事に関する部分 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
2級 とび工事作業
実技試験
2級とび技能検定 とび作業の実技試験の採点項目と配点です。
2級とび技能検定 とび作業の実技試験は
製作等作業試験です。
2級とび技能検定 とび作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 片流れ小屋組組立て | 100 | |
重量物目測 | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
- 製作等作業試験1 標準時間 1時間30分 打切り時間 1時間50分
鋼管を使用して片流れ小屋組の作業を行います。 - 製作等作業試験2 試験時間 5分
3種類の重量物の目測の作業を行います。
試験科目
とび技能検定 とび作業の実技試験科目です。
- とび作業
とび作業の段取り
仮設の建設物等の組立て及び解体
掘削、土止め及び地業
玉掛け
建設工事に使用する材料の運搬
学科試験
2級とび技能検定 とび作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
2級とび技能検定 とび作業の学科試験科目です。
- 施工法
仮設の建設物の組立て及び解体の方法
掘削、土止め及び地業の方法
躯体工事の方法
重量物の運搬方法
建設物の解体の方法
玉掛けの方法
とび工事に使用する器工具の種類、用途及び使用方法
建設工事に使用する機械及び設備の種類及び用途
建設工事の施工図の種類及び表示記号
力学に関する基礎知識 - 材料
とび工事用材料の種類及び用途
建築用材料の種類及び用途 - 建築構造
仮設の建設物の種類及び構造
建築物の種類及び特徴 - 関係法規
建築基準法関係法令、 廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係法令、建設工事にかかる資材の再資源化等に関する法律関係法令のうち、とび工事に関する部分 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
3級 とび工事作業
実技試験
3級とび技能検定 とび作業の実技試験の採点項目と配点です。
3級とび技能検定 とび作業の実技試験は
製作等作業試験です。
3級とび技能検定 とび作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | わく組応用登り桟橋組立て | 100 | |
作業態度 | |||
作業時間 |
- 製作等作業試験1 標準時間 1時間40分 打切り時間 2時間
枠組、単管及び木製足場板を使用して、枠組応用登り桟橋の組立てを行います。
※実技試験課題に労働安全衛生法関係法令等に基づく就業制限又は特別教育を要する作業を伴います。
受講修了証等の原本若しくは写しの提示又は技能を有していることの自己申告が必要となります。
試験科目
とび技能検定 とび作業の実技試験科目です。
- とび作業
とび作業の段取り
仮設の建設物等の組立て及び解体
建設工事に使用する材料の運搬
学科試験
3級とび技能検定 とび作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法
- 出題数 30問(真偽法30問)
- 試験時間 1時間
です。
試験科目
3級とび技能検定 とび作業の学科試験科目です。
- 施工法
仮設の建設物の組立て及び解体の方法
掘削、土止め及び地業の方法
躯体工事の方法
重量物の運搬方法
建設物の解体の方法
とび工事に使用する器工具の種類、用途及び使用方法
建設工事に使用する機械及び設備の種類及び用途 - 材料
とび工事用材料の種類及び用途
建築用材料の種類及び用途 - 建築構造
仮設の建設物の種類及び構造
建築物の種類及び特徴 - 関係法規
建築基準法関係法令のうち、とび工事に関する部分 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
合格率
とび技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。
とび作業
とび技能検定 とび作業の合格率です。
とび技能検定合格率 とび作業 |
|||
平成 29年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 3,263人 | 1,757人 | 53.84% |
2級 | 537人 | 266人 | 49.53% |
3級 | 189人 | 147人 | 77.77% |
平成 28年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 3,081人 | 1,509人 | 48.97% |
2級 | 460人 | 159人 | 34.56% |
3級 | 159人 | 118人 | 74.21% |
とび関連商品
動画紹介
channelのりだーさんのYOUTUBEに投稿している鳶一級試験の動画です。