就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、紳士服製造技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 紳士服製造技能検定 特級、1級、2級の違い
- 作業の種類
- 資格取得に必要な試験
- 受験・応募資格・開催日程・合格基準
- 費用・試験科目
- 合格率
などが書いてあります。
紳士服製造に関する知識と技能を証明することができる資格
紳士服製造に関する知識と技能を証明することができる資格があります。
- 紳士服製造技能士
です。
紳士服製造技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している紳士服製造技能検定に合格することで取得できます。
紳士服製造技能検定は衣服・繊維製品関係の技能検定で、
特級、1級、2級があります。
選択作業は
- 紳士注文服製作作業(1級・2級)
- 紳士既製服製造作業(1級・2級)
です。
紳士服製造技能検定の合格者には
- 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除
などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。
- 特級 紳士服製造
管理者・監督者に必要となる共通的な工程管理、作業管理、品質管理、原価管理、安全衛生管理、作業指導及び設備管理の技能・知識と、各職種における高度な専門的技能・知識が含まれる - 1級 紳士注文服製作作業
採寸、製図及び型紙の製作、裁断、仮縫い、着せ付け及び補正、縫製及び仕上げなどに関する技能・知識と、併せて、メンズファッションにおける、素材、色彩、デザイン、流行、安全衛生などに関する知識も含まれる上級技能者レベル。 - 2級 紳士注文服製作作業
採寸、製図及び型紙の製作、裁断、仮縫い、着せ付け及び補正、縫製及び仕上げなどに関する技能・知識と、併せて、メンズファッションにおける、素材、色彩、デザイン、流行、安全衛生などに関する知識も含まれる中級技能者レベル。 - 1級 紳士既製服製造作業
指示書の作成、工程分析、レイアウト、製図及び型紙の製作、裁断、縫製・仕上げ、製品検査、縫製機械の点検・調整などに関する技能・知識と、併せて、メンズファッションにおける、素材、色彩、デザイン、流行、安全衛生などに関する知識も含まれる上級技能者レベル。 - 2級 紳士既製服製造作業
指示書の作成、工程分析、レイアウト、製図及び型紙の製作、裁断、縫製・仕上げ、製品検査、縫製機械の点検・調整などに関する技能・知識と、併せて、メンズファッションにおける、素材、色彩、デザイン、流行、安全衛生などに関する知識も含まれる中級技能者レベル。
特級紳士服製造技能士の資格コードは6108
1級紳士服製造技能士の資格コードは6109
2級紳士服製造技能士の資格コードは6110です。
大分類F 製造関連技能 中分類61 紡織・染色・縫製 |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
6108 | 特級紳士服製造技能士 |
6109 | 1級紳士服製造技能士 |
6110 | 2級紳士服製造技能士 |
資格取得に必要な試験
紳士服製造技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
(1級、2級に有効期限はありませんが、特級の有効期限は5年間です)
受験・応募資格・開催日程・合格基準
受験資格
紳士服製造技能検定は、特級は1級合格後5年、1級から2級はどの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。
紳士服製造技能検定受験資格 | ||||||||
受験対象者 | 必要となる実務経験年数 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特級 | 1級 | 2級 | ||||||
1級 合格後 |
2級 合格後 |
|||||||
実務経験のみ | 5年 | 2年 | 7年 | 2年 | ||||
専門高校卒業 専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業 |
6年 | 不要 | ||||||
短大・高専・高校専攻科卒業 専修学校(大学編入資格付与課程)卒業 |
5年 | |||||||
大学卒業 専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業 |
4年 | |||||||
専修学校または 各種学校卒業 (厚生労働大臣が 指定したものに限る) |
800時間以上 | 6年 | ||||||
1,600時間以上 | 5年 | |||||||
3,200時間以上 | 4年 | |||||||
短期課程の普通職業訓練終了 | 700時間以上 | 6年 | ||||||
普通課程の普通職業訓練終了 | 2,800時間未満 | 5年 | ||||||
2,800時間以上 | 4年 | |||||||
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 | 1年 | 3年 | ||||||
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 | 1年 | |||||||
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 | 1年 | |||||||
職業訓練指導員免許取得 | 1年 | |||||||
長期養成課程の指導員訓練修了 | なし |
開催日程
技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。
技能検定実施日程 | ||
前期 | 後期 | |
---|---|---|
実施公示 | 3月上旬 | 9月上旬 |
受験申請 | 4月上旬 | 10月上旬 |
実技試験問題の公表 | 6月上旬 | 11月下旬 |
実技試験 | 6月上旬から9月中旬 | 12月上旬から2月中旬 |
学科試験 | 7月中旬から9月上旬 | 1月中旬から2月上旬 |
※年度、都道府県で違いがあるので注意
受験手数料
紳士服製造技能検定受験手数料 | |||
等級 | 実技試験 | 学科試験 | |
---|---|---|---|
35歳以上 | 35歳未満 | 全年齢 | |
特級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
1級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
2級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
合格基準
合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
特級 紳士服製造
実技試験
特級紳士服製造技能検定の実技試験は計画立案等作業で、試験時間は3時間です。
特級紳士服製造 実技試験 | |
実施形式 | 配点 |
---|---|
計画立案等作業試験 | 100 |
試験科目
特級紳士服製造技能検定の実技試験科目です。
- 工程管理
- 作業管理
- 品質管理
- 原価管理
- 安全衛生管理
- 作業指導
- 設備管理
学科試験
特級紳士服製造技能検定の学科試験は
- 試験方式 五肢択一法
- 出題数 50問
- 試験時間 2時間
です。
試験科目
特級紳士服製造技能検定の学科試験科目です。
- 工程管理
生産活動の流れ
生産の形態
工程管理の役割
日程計画
現品管理
進度管理
余力管理
在庫管理 - 作業管理
作業の標準化
方法研究
作業測定の方法
作業改善 - 品質管理
品質管理の考え方
統計の基礎知識
品質管理手法及びその活用
管理図の種類及びその活用
抜取検査の種類及びその活用 - 原価管理
原価管理の考え方
原価構成要素
原価低減及びその評価 - 安全衛生管理及び環境の保全
安全衛生管理
環境保全
公害防止 - 作業指導
教育訓練計画のたて方及び教育訓練の実施
仕事の教え方
改善の仕方
人の扱い方
教育訓練の方法 - 設備管理
設備管理の考え方
設備点検の方法
不良事項の原因及びその徴候
設備診断
設備と環境との関係 - 紳士服製造に関する現場技術
生産システム
自動生産システムの構成機器
材料
測定機器及び検査機器
1級 紳士注文服製作作業
実技試験
1級紳士服製造技能検定 紳士注文服製作作業の実技試験の採点項目と配点です。
1級紳士服製造技能検定 紳士注文服製作作業の実技試験は
製作等作業試験です。
1級紳士注文服製作作業 実技試験 | |||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 製品 | できばえ | 100 |
残針 | |||
作業態度 |
- 製作等作業試験 試験時間 8時間
持参したモヘヤ入り夏服地(色柄は自由)を人台に合わせて製図、裁断、縫製及び仕上げまでを行い、シングル剣衿背広上衣を製作します。
下前身頃は、仮縫い(補正済み)でよい。
試験科目
1級紳士服製造技能検定 紳士注文服製作作業の実技試験科目です。
- 紳士注文服製作作業
採寸
製図及び型紙の製作
裁断
仮縫い、着せ付け及び補正
縫製及び仕上げ
学科試験
1級紳士服製造技能検定 紳士注文服製作作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
1級紳士服製造技能検定 紳士注文服製作作業の学科試験科目です。
- 紳士服一般
紳士服の種類
着装 - 材料
繊維の種類、特徴及び用途
織物の種類、組織、用途及び加工方法
編物及び不織布の種類及び用途
縫糸の種類及び用途
附属材料の種類及び用途 - 色彩及び流行
色彩の用語
流行 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - 紳士注文服製作法
紳士注文服製作の特徴
体形
採寸
デザイン技法
製図及び型紙の製作
裁断の方法
仮縫い、着せ付け及び補正の方法
縫製の手順及び方法
紳士注文服の製作に使用する機械及び器工具の種類及び使用方法
家庭用品品質表示法
2級 紳士注文服製作作業
実技試験
2級紳士服製造技能検定 紳士注文服製作作業の実技試験の採点項目と配点です。
2級紳士服製造技能検定 紳士注文服製作作業の実技試験は
製作等作業試験です。
2級紳士注文服製作作業 実技試験 | ||||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | ||
---|---|---|---|---|
製作等作業試験 | 課題1(製図) | 製品 | 寸法精度 | 30 |
できばえ | ||||
作業態度 | ||||
課題2(縫製) | 製品 | できばえ | 70 | |
残針 | ||||
作業態度 |
- 製作等作業試験1 試験時間 40分
寸法表に基づき、シングル背広上衣の製図を行います。 - 製作等作業試験2 試験時間 6時間
持参した未完成の背広上衣を肩入れ、袖付け、衿付け等を行い、背広上衣を完成させます。
下前の袖は、仮縫いのままとします。
試験科目
2級紳士服製造技能検定 紳士注文服製作作業の実技試験科目です。
- 紳士注文服製作作業(礼服を除く)
採寸
製図及び型紙の製作
裁断
仮縫い、着せ付け及び補正
縫製及び仕上げ
学科試験
2級紳士服製造技能検定 紳士注文服製作作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
2級紳士服製造技能検定 紳士注文服製作作業の学科試験科目です。
- 紳士服一般
紳士服の種類
着装 - 材料
繊維の種類、特徴及び用途
織物の種類、組織、用途及び加工方法
編物及び不織布の種類及び用途
縫糸の種類及び用途
附属材料の種類及び用途 - 色彩及び流行
色彩の用語
流行 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - 紳士注文服製作法
紳士注文服製作の特徴
体形
採寸
デザイン技法
製図及び型紙の製作
裁断の方法
仮縫い、着せ付け及び補正の方法
縫製の手順及び方法
紳士注文服の製作に使用する機械及び器工具の種類及び使用方法
家庭用品品質表示法
1級 紳士既製服製造作業
実技試験
1級紳士服製造技能検定 紳士既製服製造作業の実技試験の採点項目と配点です。
1級紳士服製造技能検定 紳士既製服製造作業の実技試験は
製作等作業試験です。
1級紳士既製服製造作業 実技試験 | |||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 製品 | 寸法 | 80 |
できばえ | |||
縫いはずれ | |||
残針 | |||
作業態度 | |||
製図 | |||
計画立案等作業試験 | 20 |
- 製作等作業試験 試験時間 5時間30分
課題1 ジャケット
持参した裁断済みの材料によって、ダブルのジャケット1着を縫製します。
前身頃、後身頃(背)、袖、地衿及び見返しは、加工したものを持参。課題2 製図
型紙の製図を行います。 - 計画立案等作業試験 試験時間 1時間10分
縫製作業工程図について行います。
試験科目
1級紳士服製造技能検定 紳士既製服製造作業の実技試験科目です。
- 紳士既製服製造作業
作業指示書の作成
工程分析
レイアウト
製図及び型紙の製作
裁断
縫製及び仕上げ
製品検査
縫製機械の点検及び調整
学科試験
1級紳士服製造技能検定 紳士既製服製造作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
1級紳士服製造技能検定 紳士既製服製造作業の学科試験科目です。
- 紳士服一般
紳士服の種類
着装 - 材料
繊維の種類、特徴及び用途
織物の種類、組織、用途及び加工方法
編物及び不織布の種類及び用途
縫糸の種類及び用途
附属材料の種類及び用途 - 色彩及び流行
色彩の用語
流行 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - 紳士既製服製造法
紳士既製服製造の特徴
体形
製造工程
体形
採寸
デザイン技法
製図及び型紙の製作
裁断の方法
縫製の方法
紳士既製服の製造に使用する機械及び器工具の種類及び使用方法
紳士既製服に関する日本産業規格
家庭用品品質表示法
2級 紳士既製服製造作業
実技試験
2級紳士服製造技能検定 紳士既製服製造作業の実技試験の採点項目と配点です。
2級紳士服製造技能検定 紳士既製服製造作業の実技試験は
製作等作業試験で、課題A、課題B、課題Cのうち、いずれか一つを選択して行います。
2級紳士既製服製造作業 実技試験 | |||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 製品 | 寸法 | 100 |
できばえ | |||
縫いはずれ | |||
残針 | |||
作業態度 |
- 課題A 試験時間 4時間30分
持参した裁断済みの材料によって、シングルのジャケット1着を縫製します。
前身頃、後身頃(背)、袖、地衿及び見返しは、加工したものを持参。 - 課題B 試験時間 4時間30分
持参した裁断済みの材料によって、コート1着を縫製します。
地衿及び見返しは、加工(穴かがり済み)したものを
また、裏地、ポケット地、小物等は裁ち合わせ済みのものを持参。 - 課題C 試験時間 4時間30分
持参した裁断済みの材料によって、スラックス2着を縫製します。
ループは、加工した(縫い上がりの)ものを、腰裏、袋地、小物等は、裁ち合わせ済みのものを持参。
試験科目
2級紳士服製造技能検定 紳士既製服製造作業の実技試験科目です。
- 紳士既製服製造作業
縫製及び仕上げ
製品検査
縫製機械の点検及び調整
学科試験
2級紳士服製造技能検定 紳士既製服製造作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
2級紳士服製造技能検定 紳士既製服製造作業の学科試験科目です。
- 紳士服一般
紳士服の種類
着装 - 材料
繊維の種類、特徴及び用途
織物の種類、組織、用途及び加工方法
編物及び不織布の種類及び用途
縫糸の種類及び用途
附属材料の種類及び用途 - 色彩及び流行
色彩の用語
流行 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - 紳士既製服製造法
紳士既製服製造の特徴
製造工程
体形
採寸
デザイン技法
製図及び型紙の製作
裁断の方法
縫製の方法
紳士既製服の製造に使用する機械及び器工具の種類及び使用方法
紳士既製服に関する日本産業規格
家庭用品品質表示法
合格率
紳士服製造技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。
特級
紳士服製造技能検定 特級の合格率です。
紳士服製造技能検定合格率 | |||
平成 28年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
特級 | 1人 | 1人 | 100.0% |
平成 27年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
特級 | 1人 | 0人 | 0% |
紳士服製造関連商品
動画紹介
東京都 Tokyo Metropolitan GovernmentさんのYOUTUBEに投稿している「TOKYO匠の技」技能継承動画(紳士服熟練技能編)の動画です。