産業車両整備に関する知識と技能を証明することができる資格

就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、産業車両整備技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。

このページには

  • 産業車両整備技能検定 1級、2級の違い
  • 作業の種類
  • 資格取得に必要な試験
  • 受験・応募資格・開催日程・合格基準
  • 費用・試験科目
  • 合格率

などが書いてあります。

産業車両整備に関する知識と技能を証明することができる資格

産業車両整備に関する知識と技能を証明することができる資格があります。

  • 産業車両整備技能士

です。

産業車両整備技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している産業車両整備技能検定に合格することで取得できます。

産業車両整備技能検定は一般機械器具関係の技能検定で、
1級、2級があります。
選択作業は

  • 産業車両整備作業(1級・2級)

です。

産業車両整備技能検定の合格者には

  • 労働安全コンサルタント試験の受験資格
  • フォークリフトの特定自主検査を行う事業内検査者及び
    検査業者所属検査者の研修の一部受講の免除の資格

などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。

  • 1級 産業車両整備作業
    整備作業段取り、故障発見、修理、点検・分解・組立て・調整、整備に必要な測定、工数見積りなどに関する技能・知識と、併せて、産業車両、産業車両整備法、材料、機械要素、燃料及び油脂類、力学及び材料力学、製図、電気、関係法規、安全衛生に関する知識も含まれ
    整備作業の段取り、工数見積りを含んだレベル。
  • 2級 産業車両整備作業
    整備作業段取り、故障発見、修理、点検・分解・組立て・調整、整備に必要な測定、工数見積りなどに関する技能・知識と、併せて、産業車両、産業車両整備法、材料、機械要素、燃料及び油脂類、力学及び材料力学、製図、電気、関係法規、安全衛生に関する知識も含まれ
    整備作業の段取り、工数見積りが含まれていないレベル。

1級産業車両整備技能士の資格コードは5808
2級産業車両整備技能士の資格コードは5809です。

大分類F 製造関連技能
中分類58 輸送用機械組立・修理・検査
免許・資格コード 免許・資格内容
5808 1級産業車両整備技能士
5809 2級産業車両整備技能士

資格取得に必要な試験

産業車両整備技能検定イメージ

産業車両整備技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。

免除要件の詳細はこちらに書いてあります。

受験・応募資格・開催日程・合格基準

受験資格

産業車両整備技能検定は、どの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。

産業車両整備技能検定受験資格
受験対象者 必要となる実務経験年数
1級 2級
2級
合格後
実務経験のみ 2年 7年 2年
専門高校卒業
専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業
6年 不要
短大・高専・高校専攻科卒業
専修学校(大学編入資格付与課程)卒業
5年
大学卒業
専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業
4年
専修学校または
各種学校卒業
(厚生労働大臣が
指定したものに限る)
800時間以上 6年
1,600時間以上 5年
3,200時間以上 4年
短期課程の普通職業訓練終了 700時間以上 6年
普通課程の普通職業訓練終了 2,800時間未満 5年
2,800時間以上 4年
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 1年 3年
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 1年
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 1年
職業訓練指導員免許取得 1年
長期養成課程の指導員訓練修了 なし

開催日程

産業車両整備技能検定開催日程

技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。

技能検定実施日程
前期 後期
実施公示 3月上旬 9月上旬
受験申請 4月上旬 10月上旬
実技試験問題の公表 6月上旬 11月下旬
実技試験 6月上旬から9月中旬 12月上旬から2月中旬
学科試験 7月中旬から9月上旬 1月中旬から2月上旬

※年度、都道府県で違いがあるので注意

受験手数料

産業車両整備技能検定受験手数料
等級 実技試験 学科試験
35歳以上 35歳未満 全年齢
1級 18,200円 18,200円 3,100円
2級 18,200円 9,200円 3,100円

合格基準

合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。

1級 産業車両整備作業

実技試験

1級産業車両整備技能検定 産業車両整備作業の実技試験の採点項目と配点です。

1級産業車両整備技能検定 産業車両整備作業の実技試験は
製作等作業試験です。

1級産業車両整備作業 実技試験
製作等作業試験
採点項目 配点
課題1 測定値採点 100
不良判定採点
作業採点
課題2 不良判定採点
作業採点
課題3 測定値採点
良否判定採点
作業採点
課題4 測定値採点
良否判定採点
作業採点
課題5 測定値採点
不良判定採点
作業採点
作業態度採点

製作等作業試験

  • 課題1 試験時間 30分
    フォークリフトの荷役回路のリリーフ圧力の測定並びに荷役装置の不良部品、不良箇所及び不良状態の判定を行います。
  • 課題2 試験時間 30分
    与えられた電気回路盤について、不良部品の判定を行います。
  • 課題3 試験時間 30分
    整流器の分解、組立て及び測定並びに不良部品の判定を行います。
  • 課題4 試験時間 30分
    エンジンのコンプレッション圧力測定、各シリンダバルブ隙間の測定及び良否判定を行います。
  • 課題5 試験時間 30分
    フォークリフトのトルコンの主圧、クラッチ圧及びトルクコンバータ出口圧の測定並びにコントロールバルブの分解及び不良部品の判定を行います。
試験科目

1級産業車両整備技能検定 産業車両整備作業の実技試験科目です。

  • 産業車両整備作業
    産業車両整備作業の段取り
    産業車両の故障の発見
    産業車両の修理
    産業車両の装置の点検、分解、組立て及び調整
    測定
    工数見積り

学科試験

1級産業車両整備技能検定 産業車両整備作業の学科試験は

  • 試験方式 真偽法及び四肢択一法
  • 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
  • 試験時間 1時間40分

です。

試験科目

1級産業車両整備技能検定 産業車両整備作業の学科試験科目です。

  • 産業車両
    産業車両の種類、用途及び使用方法
    産業車両の装置の種類、構造及び機能
  • 産業車両整備法
    産業車両整備に使用する機械、器工具及び計測器の種類、用途及び使用方法
    産業車両の故障の原因及び発見方法
    産業車両の装置の点検、分解、組立て及び調整の方法
    産業車両整備の段取り
  • 材料
    産業車両に使用する材料の種類、性質及び用途
    産業車両整備に使用する材料の種類、性質及び用途
    金属材料の熱処理
  • 機械要素
    機械の主要構成要素の種類、形状及び用途
  • 燃料及び油脂類
    燃料及び油脂類の種類、性質及び用途
  • 力学及び材料力学
    力学の基礎理論
    材料力学の基礎理論
  • 製図
    日本産業規格に定める図示法、油圧・空気圧用図記号及び電気用図記号
  • 電気
    電気用語
    電気機械器具の使用方法
  • 関係法規
    廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係法令のうち、産業車両整備に関する部分
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識

2級 産業車両整備作業

実技試験

2級産業車両整備技能検定 産業車両整備作業の実技試験の採点項目と配点です。

2級産業車両整備技能検定 産業車両整備作業の実技試験は
製作等作業試験です。

2級産業車両整備作業 実技試験
製作等作業試験
採点項目 配点
課題1 測定値採点 100
作業採点
課題2 不良判定採点
作業採点
課題3 測定値採点
作業採点
課題4 不良判定採点
作業採点
課題5 測定値採点
調整採点
良否判定採点
作業採点
作業態度採点

製作等作業試験

  • 課題1 試験時間 15分
    油圧シリンダの分解、測定及び組立てを行います。
  • 課題2 試験時間 15分
    与えられた充電回路用部品について、不良部品の判定を行います。
  • 課題3 試験時間 15分
    充電器について、負荷時の出力電圧及び出力電流の測定を行います。
  • 課題4 試験時間 15分
    与えられた電気回路盤について、不良部品の判定を行います。
  • 課題5 試験時間 15分
    インジェクションノズルの開弁圧等の測定、調整方法及び良否判定並びにラジエータキャップの気密度(保持圧力)等の測定及び良否判定を行います。
試験科目

2級産業車両整備技能検定 産業車両整備作業の実技試験科目です。

  • 産業車両整備作業
    産業車両の故障の発見
    産業車両の修理
    産業車両の装置の点検、分解、組立て及び調整
    測定

学科試験

2級産業車両整備技能検定 産業車両整備作業の学科試験は

  • 試験方式 真偽法及び四肢択一法
  • 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
  • 試験時間 1時間40分

です。

試験科目

2級産業車両整備技能検定 産業車両整備作業の学科試験科目です。

  • 産業車両
    産業車両の種類、用途及び使用方法
    産業車両の装置の種類、構造及び機能
  • 産業車両整備法
    産業車両整備に使用する機械、器工具及び計測器の種類、用途及び使用方法
    産業車両の故障の原因及び発見方法
    産業車両の装置の点検、分解、組立て及び調整の方法
  • 材料
    産業車両に使用する材料の種類、性質及び用途
    産業車両整備に使用する材料の種類、性質及び用途
    金属材料の熱処理
  • 機械要素
    機械の主要構成要素の種類、形状及び用途
  • 燃料及び油脂類
    燃料及び油脂類の種類、性質及び用途
  • 力学及び材料力学
    力学の基礎理論
    材料力学の基礎理論
  • 製図
    日本産業規格に定める図示法、油圧・空気圧用図記号及び電気用図記号
  • 電気
    電気用語
    電気機械器具の使用方法
  • 関係法規
    廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係法令のうち、産業車両整備に関する部分
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識

合格率

産業車両整備作業技能検定合格率

産業車両整備技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。

産業車両整備作業

産業車両整備技能検定 産業車両整備作業の合格率です。

産業車両整備技能検定平成29年合格率
産業車両整備作業
受検申請者数 合格者数 合格率
1級 198人 111人 56.06%
2級 155人 120人 77.41%
産業車両整備技能検定平成28年合格率
産業車両整備作業
受検申請者数 合格者数 合格率
1級 195人 95人 48.71%
2級 138人 98人 71.01%

動画紹介

雲月TVさんのYOUTUBEに投稿している第25回 フォークリフトの整備(前編)の動画です。