就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、貴金属装身具製作技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 貴金属装身具製作技能検定 1級、2級、3級の違い
- 作業の種類
- 資格取得に必要な試験
- 受験・応募資格・開催日程・合格基準
- 費用・試験科目
- 合格率
などが書いてあります。
貴金属装身具製作に関する知識と技能を証明することができる資格
貴金属装身具製作に関する知識と技能を証明することができる資格があります。
- 貴金属装身具製作技能士
です。
貴金属装身具製作技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している貴金属装身具製作技能検定に合格することで取得できます。
貴金属装身具製作技能検定は貴金属・装身具関係の技能検定で、
1級、2級、3級があります。
選択作業は
- 貴金属装身具製作作業(1級・2級・3級)
です。
貴金属装身具製作技能検定の合格者には
- 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除
などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。
- 1級 貴金属装身具製作作業
糸のこ、やすりがけ、ろう付け、研磨などの貴金属装身具の細工・仕上げ、石留めに関する技能・知識と、併せて、貴金属装身具製作法、貴金属・金属、材料、宝石、デザイン・製図、電気・ガス、安全衛生などに関する知識も含まれ
高度な技能を必要とする高度技能者のレベル。 - 2級 貴金属装身具製作作業
糸のこ、やすりがけ、ろう付け、研磨などの貴金属装身具の細工・仕上げ、石留めに関する技能・知識と、併せて、貴金属装身具製作法、貴金属・金属、材料、宝石、デザイン・製図、電気・ガス、安全衛生などに関する知識も含まれる中級技能者のレベル。 - 3級 貴金属装身具製作作業
糸のこ、やすりがけ、ろう付け、研磨などの貴金属装身具の細工・加工に関する技能・知識と、併せて、貴金属装材料、装身具製作技法、宝石の基本、デザイン・製図、電気・ガス、安全衛生などに関する知識も含まれる初級技能者のレベル。
1級貴金属装身具製作技能士の資格コードは6503
2級貴金属装身具製作技能士の資格コードは6504で
3級貴金属装身具製作技能士の資格コードはありません。
大分類F 製造関連技能 中分類65 装身具等身の回り品製造 |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
6503 | 1級貴金属装身具製作技能士 |
6504 | 2級貴金属装身具製作技能士 |
資格取得に必要な試験
貴金属装身具製作技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
受験・応募資格・開催日程・合格基準
受験資格
貴金属装身具製作技能検定は、どの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。
貴金属装身具製作技能検定受験資格 | |||||||
受験対象者 | 必要となる実務経験年数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1級 | 2級 | 3級 | |||||
2級 合格後 |
3級 合格後 |
3級 合格後 |
|||||
実務経験のみ | 2年 | 4年 | 7年 | 不要 | 2年 | 不要 | |
専門高校卒業 専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業 |
6年 | 不要 | |||||
短大・高専・高校専攻科卒業 専修学校(大学編入資格付与課程)卒業 |
5年 | ||||||
大学卒業 専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業 |
4年 | ||||||
専修学校または 各種学校卒業 (厚生労働大臣が 指定したものに限る) |
800時間以上 | 6年 | |||||
1,600時間以上 | 5年 | ||||||
3,200時間以上 | 4年 | ||||||
短期課程の普通職業訓練終了 | 700時間以上 | 6年 | |||||
普通課程の普通職業訓練終了 | 2,800時間未満 | 5年 | |||||
2,800時間以上 | 4年 | ||||||
専門課程または特定専門課程の高度職業訓練修了 | 1年 | 2年 | 3年 | ||||
応用課程または特定応用課程の高度職業訓練修了 | 1年 | ||||||
長期課程または短期養成課程の指導員訓練修了 | 1年 | ||||||
職業訓練指導員免許取得 | 1年 | ||||||
長期養成課程の指導員訓練修了 | なし |
開催日程
技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。
技能検定実施日程 | ||
前期 | 後期 | |
---|---|---|
実施公示 | 3月上旬 | 9月上旬 |
受験申請 | 4月上旬 | 10月上旬 |
実技試験問題の公表 | 6月上旬 | 11月下旬 |
実技試験 | 6月上旬から9月中旬 | 12月上旬から2月中旬 |
学科試験 | 7月中旬から9月上旬 | 1月中旬から2月上旬 |
※年度、都道府県で違いがあるので注意
受験手数料
貴金属装身具製作技能検定受験手数料 | |||
等級 | 実技試験 | 学科試験 | |
---|---|---|---|
35歳以上 | 35歳未満 | 全年齢 | |
1級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
2級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
3級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
3級(学生) | 12,100円 | 3,100円 | 3,100円 |
合格基準
合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
1級 貴金属装身具製作作業
実技試験
1級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の実技試験の採点項目と配点です。
1級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の実技試験は
製作等作業試験です。
- 製作等作業試験 試験時間 7時間
受検者が持参した材料[Au750‰(K18)板、Au750‰(K18)丸線](Au750‰、Ag150‰、Cu100‰)及び支給された材料[Au585‰(K14)ろう、キュービックジルコニア]を使用して、指定された製作図により長方形の作品を製作します。
1級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業 実技試験の採点項目と配点 |
||||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | ||
---|---|---|---|---|
製作等作業試験 | 総合できばえ | 100 | ||
製品 | 寸法の正確さ | |||
ろう付 | 丸線と地金のろう付部分 | |||
丸線以外のろう付部分 | ||||
成形及びデザインの解釈度 | ||||
石留め | ||||
細工仕上げ及びへら仕上げ | ||||
作業態度 |
採点項目
- 丸線と地金のろう付部分
ろう付部分のくわれやひけ
ろう付箇所の外へのろうの散りや流れ
ろう付面のすき間 - 丸線以外のろう付部分
ろう付部分のくわれやひけ
ろう付箇所の外へのろうの散りや流れ
ろう付面のすき間 - 成形及びデザインの解釈度
各辺や面のひずみやそり
各断面の直角
3本の丸線の直線、平行度
3本の丸線の地金厚の位置
花弁の肉付け
花弁の裏出し
爪の底と花弁の密着
爪の各先端と花弁の中心
爪のそり
爪の各先端の形、大きさ
爪のすり込みの形
バチカンの滑らかさ
バチカンの面取り
刻印の打刻(位置、深さ、二重打刻、曲がり)
花弁中心底面と本体とのすき間
花弁と本体とろう付(花弁の位置が目視で45°) - 石留め
石のテーブル面の水平
石の位置
爪の各あご(石をセットするときの爪の溝)のすき間
石留めされた爪先部分(ねかし部分)の石の面との密着
セットされた石の動き
石に割れや傷(製作中に付ける傷) - 細工仕上げ及びへら仕上げ
花弁及び爪部分(へら仕上げ)
裏面(ペーパー仕上げ)
花弁・爪・裏面を除いた部分(きさげ仕上げ)
試験科目
1級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の実技試験科目です。
- 貴金属装身具製作作業
細工・仕上げ
石留め
学科試験
1級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
1級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の学科試験科目です。
- 貴金属装身具製作法
貴金属装身具の種類及び特徴
貴金属装身具製作に使用する機械、設備及び器工具の種類、用途及び使用方法
細工・仕上げ
ロストワックス精密鋳造
特殊加工の種類、方法及び特徴
貴金属装身具製作に使用する工業薬品類の種類、性質及び使用方法 - 材料
貴金属材料の種類、性質及び用途
貴金属以外の金属材料の種類、性質及び用途
宝石類の種類、性質及び用途 - デザイン及び製図
デザイン
図法・製図 - 電気及びガス
電気用語
ガスの種類、性質及び用途 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
2級 貴金属装身具製作作業
実技試験
2級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の実技試験の採点項目と配点です。
2級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の実技試験は
製作等作業試験です。
- 製作等作業試験 試験時間 7時間
受検者が持参した材料[Au750‰(K18)板](Au750‰、Ag150‰、Cu100‰)及び支給された材料[Au585‰(K14)ろう]を使用して、指定された製作図及び見取図により三角形の作品を製作します。
2級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 総合できばえ | 100 | |
製品 | 寸法の正確さ | ||
ろう付 | |||
成形及びデザインの解釈度 | |||
石留めのための穴あけ | |||
細工仕上げ | |||
作業態度 |
採点項目
- ろう付
ろう付部分のくわれやひけ
ろう付箇所の外へのろうの散りや流れ
ろう付面のすき間 - 成形及びデザインの解釈度
A辺、B辺、C辺の表面、裏面の凹凸
三角形の3つの頂点の角
ガタつき
A辺の石留め用枠のテーパー
B辺のバケットの枠とろう付された面との境界の段差
糸のこすかしの幅
中央のすかし線と中心線
刻印の打刻(位置、深さ、二重打刻、曲がり)
C辺の3本のすかし線の長さ - 石留めのための穴あけ
A辺の丸ダイヤ穴の寸法
A辺の丸ダイヤ穴のテーパー
A辺の丸ダイヤ穴の並び
A辺の丸ダイヤ穴の間隔
A辺の裏取り
B辺の角ダイヤ穴の寸法
B辺の枠のさん
B辺の裏面の面取り
B辺のバケットの枠の内側のテーパー - 細工仕上げ
A辺、B辺、C辺の各辺の表面及び裏面のきさげ
A辺、B辺、C辺の各辺のきさげ面の凹凸やびり
やすり目
きさげ作業でのだれ(辺の外側の直線度を含む)
きさげ傷
試験科目
2級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の実技試験科目です。
- 貴金属装身具製作作業
細工・仕上げ
石留め
学科試験
2級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
2級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の学科試験科目です。
- 貴金属装身具製作法
貴金属装身具の種類及び特徴
貴金属装身具製作に使用する機械、設備及び器工具の種類、用途及び使用方法
細工・仕上げ
ロストワックス精密鋳造
特殊加工の種類、方法及び特徴
貴金属装身具製作に使用する工業薬品類の種類、性質及び使用方法 - 材料
貴金属材料の種類、性質及び用途
貴金属以外の金属材料の種類、性質及び用途
宝石類の種類、性質及び用途 - デザイン及び製図
デザイン
図法・製図 - 電気及びガス
電気用語
ガスの種類、性質及び用途 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
3級 貴金属装身具製作作業
実技試験
3級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の実技試験の採点項目と配点です。
3級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の実技試験は
製作等作業試験です。
- 製作等作業試験 試験時間 3時間
受検者が持参した材料[Ag925‰(角棒、パイプ)]及び支給された材料[Agろう(五分ろう)]を使用して、指定された製作図によりリングを製作します。
3級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 総合できばえ | 100 | |
製品 | 寸法の正確さ | ||
ろう付 | |||
成形及びデザインの解釈度 | |||
細工仕上げ | |||
作業態度 |
採点項目
- ろう付
ろう付された箇所の外へのろうの散り
必要以上のろうの流れ
ろう付面のすき間 - 成形及びデザインの解釈度
腕のゆがみ
腕の内側の形状
腕の整形
石座の上面からの位置
石座の横からの位置
石座の側面のすかし
石座のゆがみ
すかしの高さ
刻印の打位 - 細工仕上げ
全面のきさげ仕上げ
きさげ面の細かい凹凸やびり
やすり目
きさげ傷
肌の銀白色の均一さ
試験科目
3級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の実技試験科目です。
- 貴金属装身具製作作業
細工・仕上げ
学科試験
3級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法
- 出題数 30問(真偽法30問)
- 試験時間 1時間
です。
試験科目
3級貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の学科試験科目です。
- 貴金属装身具製作法
貴金属装身具の種類及び特徴
貴金属装身具製作に使用する機械、設備及び器工具の種類、用途及び使用方法
細工・仕上げ
ロストワックス精密鋳造
特殊加工の種類、方法及び特徴
貴金属装身具製作に使用する工業薬品類の種類、性質及び使用方法 - 材料
貴金属材料の種類、性質及び用途
貴金属以外の金属材料の種類、性質及び用途
宝石類の種類、性質及び用途 - デザイン及び製図
デザイン
図法・製図 - 電気及びガス
電気用語
ガスの種類、性質及び用途 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
合格率
貴金属装身具製作技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。
貴金属装身具製作作業
貴金属装身具製作技能検定 貴金属装身具製作作業の合格率です。
貴金属装身具製作技能検定合格率 貴金属装身具製作作業 |
|||
平成 29年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 51人 | 14人 | 27.45% |
2級 | 76人 | 31人 | 40.78% |
3級 | 151人 | 98人 | 64.9% |
平成 28年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 41人 | 14人 | 34.14% |
2級 | 74人 | 25人 | 33.78% |
3級 | 159人 | 105人 | 66.03% |
貴金属装身具製作関連商品
動画紹介
東京都 Tokyo Metropolitan GovernmentさんのYOUTUBEに投稿しているTOKYO 匠の技(貴金属装身具製作 熟練技能編)の動画です。