危険物取扱者 甲種・乙種・丙種の違い

就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら危険物取扱者と書いてある求人が多く、就職活動が有利になりそうな資格なので調べてみました。

このページには

  • 甲種・乙種・丙種の違い
  • 受験資格
  • 試験料
  • 試験準備講習受講料
  • 合格率

などが書いてあります

危険物を取り扱うのに必要な資格

危険物を取り扱うのに必要な資格が3つあります。

  • 甲種(こうしゅ)
  • 乙種(おつしゅ)
  • 丙種(へいしゅ)

簡単な違いは取り扱うことができる危険物の種類受験資格です。

危険物取扱者(甲種)の資格コードは5206
危険物取扱者(乙種)の資格コードは5207
危険物取扱者(丙種)の資格コードは5208です。

大分類F 製造関連技能
中分類52 化学製品製造
免許・資格コード 免許・資格内容
5206 危険物取扱者(甲種)
5207 危険物取扱者(乙種)
5208 危険物取扱者(丙種)

取り扱うことができる危険物の種類

危険物取扱者の種類と取り扱い可能危険物
甲種 全種類の危険物
乙種
第1類
酸化性固体 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類、
臭素酸塩類、硝酸塩類、よう素酸塩類、過マンガン酸塩類、
重クロム酸塩類など
乙種
第2類
可燃性固体 硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、
マグネシウム、引火性固体など
乙種
第3類
自然発火性および
禁水性物質
カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、
アルキルリチウム、黄りんなど
乙種
第4類
引火性液体 ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、
重油、動植物油類など
乙種
第5類
自己反応性物質 有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、
アゾ化合物、ヒドロキシルアミンなど
乙種
第6類
酸化性液体 過塩素酸、過酸化水素、硝酸、ハロゲン間化合物など
丙種 乙種第4類の一部 ガソリン、灯油、軽油、重油など
  • 危険物の取り扱いは、危険物取扱者(甲種、乙種、丙種)が行うことができます。
  • 危険物の取り扱いは、危険物取扱者(甲種、乙種)の立会いのもとに危険物取扱者以外の者が行うことができます。

危険物取扱者(甲種)の資格コードは5206
危険物取扱者(乙種)の資格コードは5207
危険物取扱者(丙種)の資格コードは5208です。

大分類F 製造関連技能
中分類52 化学製品製造
免許・資格コード 免許・資格内容
5206 危険物取扱者(甲種)
5207 危険物取扱者(乙種)
5208 危険物取扱者(丙種)

受験資格

  • 甲種
    甲種の受験には一定の資格が必要です。
  • 乙種丙種
    乙種、丙種の受験に条件はなく、だれでも受験することができます。

危険物取扱者甲種の受験資格

  • 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業
  • 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
  • 乙種危険物取扱者免状の交付後、危険物取扱いの実務経験が2年以上の者
  • 次の4種類以上の乙種危険物取扱者免状の交付を受けている者
    • 第1類又は第6類
    • 第2類又は第4類
    • 第3類
    • 第5類
  • 修士、博士の学位を有する者(化学に関する事項を専攻)

※証明書が必要です。

危険物取扱者資格取得に必要な試験

危険物取扱者資格取得に必要な試験

取得する資格と所持している免許、業務経験で試験内容が異なります。

試験はマーク・カードを使う筆記試験で

  • 甲種は五肢択一式で45問、試験時間は150分
  • 乙種は五肢択一式で35問、試験時間は120分
  • 丙種は四肢択一式で25問、試験時間は75分

です。

危険物取扱者 試験方法
種類 試験形式 試験問題数 試験時間
甲種 五肢択一 45問 150分
乙種 五肢択一 35問 120分
丙種 四肢択一 25問 75分

合格基準は各試験科目ごとの成績が、それぞれ60%以上です。

危険物取扱者 試験内容
種類 試験科目 問題数
甲種 危険物に関する法令 15問
物理学及び化学 10問
危険物の性質並びに
その火災予防及び消火の方法
20問
乙種 危険物に関する法令 15問
基礎的な物理学及び
基礎的な化学
10問
危険物の性質並びに
その火災予防及び消火の方法
10問
丙種 危険物に関する法令 10問
燃焼及び消火に関する基礎知識 5問
危険物の性質並びに
その火災予防及び消火の方法
10問

試験科目の免除条件

危険物取扱者乙種試験科目の免除

  • 乙種危険物取扱者免状を有する者は全類の一部が免除され
    問題数10問、試験時間35分になります。
  • 火薬類免状を有する者は1類と5類の一部が免除され
    問題数24問、試験時間90分になります。
  • 乙種危険物取扱者免状を有し、かつ火薬類免状を有する科目免除申請者は1類と5類の一部が免除され
    問題数5問、試験時間35分になります。
危険物取扱者乙種試験科目の免除
免除条件 免除
種類
試験科目 問題数 試験
時間
乙種危険物取扱者
免状を有する者
全類 危険物の性質並びに
その火災予防及び消火の方法
10問 35分
火薬類免状を有する者 1類
5類
危険物に関する法令 15問 90分
基礎的な物理学
及び基礎的な化学
4問
危険物の性質並びに
その火災予防及び消火の方法
5問
乙種危険物取扱者免状を有し
かつ火薬類免状を有する者
1類
5類
危険物の性質並びに
その火災予防及び消火の方法
5問 35分

危険物取扱者丙種試験科目の免除

  • 消防学校の教育訓練のうち基礎教育又は専科教育の警防科を修了し、5年以上消防団員として勤務した者は一部が免除され
    問題数20問、試験時間60分
  • になります。
    ※証明書が必要です。

危険物取扱者丙種試験科目の免除
免除条件 免除
種類
試験科目 問題数 試験
時間
消防学校の教育訓練のうち基礎教育
又は専科教育の警防科を修了し、
5年以上消防団員として勤務した者
丙種 危険物に関する法令 10問 60分
危険物の性質並びに
その火災予防及び消火の方法
10問

危険物取扱者(甲種・乙種・丙種)試験手数料

各試験料になります。

  • 危険物取扱者(甲種)試験料
    6,600円
  • 危険物取扱者(乙種)試験料
    4,600円
  • 危険物取扱者(丙種)試験料
    3,700円
危険物取扱者(甲種)に関する試験事務手数料及び積算根拠
区分 試験料 内訳 備考
甲種危険物取扱者試験 6,500円 人件費 4,182円 受付、試験実施、問題作成等
物件費 641円 印刷製本費
336円 会場借上費
1,349円 雑費(広告費及び通信費を含む)
合計 6,508円
危険物取扱者(乙種)に関する試験事務手数料及び積算根拠
区分 試験料 内訳 備考
乙種危険物取扱者試験 4,500円 人件費 2,722円 受付、試験実施、問題作成等
物件費 549円 印刷製本費
336円 会場借上費
932円 雑費(広告費及び通信費を含む)
合計 4,539円
危険物取扱者(丙種)に関する試験事務手数料及び積算根拠
区分 試験料 内訳 備考
丙種危険物取扱者試験 3,600円 人件費 1,925円 受付、試験実施、問題作成等
物件費 450円 印刷製本費
336円 会場借上費
937円 雑費(広告費及び通信費を含む)
合計 3,648円

※令和元年10月1日以前の内訳です。

危険物取扱者(甲種・乙種・丙種)試験準備講習受講料

危険物取扱者(甲種・乙種・丙種)試験準備講習受講料

危険物取扱者試験に向けた受験準備講習会を開催している機関があります。
受講料は開催機関で違います。
受講料を調べたのを書いておきますので目安にしてください。

危険物取扱者(甲種)準備講習
コース 日程 開催機関A 開催機関B 開催機関C
13時間 2日 12,140円 22,000円 27,150円
危険物取扱者(乙種第4類)準備講習
コース 日程 開催機関A 開催機関B 開催機関C
12時間 2日 12,800円 13,500円 16,840円
危険物取扱者(丙種)準備講習
コース 日程 開催機関A 開催機関B 開催機関C
6時間 1日 9,900円 13,900円 16,840円

開催機関によってテキスト代が含まれていなかったり、講習内容に違いがあったので、契約前に確認や比較をした方が良さそうです。
(講習を受けずに独習による資格取得者の方も多いみたいです。)

危険物取扱者受験講座

甲種

職業訓練法人JTEXさんの通信教育講座
重要なポイントを押えているから、無駄のない勉強で合格できる!
危険物取扱者受験講座(甲種)です。
通信教育講座の学習方法の良いところは、知識や技能の違いを気にせず自分のペースで学習ができるところです。

  • 危険物取扱者甲種の合格を目指します。
  • 合格後も職務に活かせるような知識の定着を目指していきます。

受講期間は4ヶ月で難易度は中級レベルです。

教材構成

危険物取扱者受験講座(甲種)の教材構成は

  • 主テキスト 2冊+別冊2冊
  • 別冊 「レポート課題集」「学習ガイド・模擬問題集」
  • レポート回数 4回

です。

カリキュラム

危険物取扱者受験講座(甲種)のカリキュラムは

  • 1章 物理学および化学
    物質の構成・化学反応
    物質の種類・物質の変化
    化学反応式に係わる計算
    熱化学
    溶液I(溶解・濃度)
    溶液II(中和反応)
    酸化と還元
    有機化合物と無機化合物
    金属・ハロゲン元素
    三態の変化
    水と空気の性状
    比重・密度
    気体の性質

    電気
  • 第2章 燃焼および消火の基礎
    燃焼理論
    燃焼のしかた
    燃焼に関係する物質の物性
    自然発火・禁水性
    混合危険
    消火理論
    消火設備
  • 第3章 危険物の性質と取扱いおよび火災予防と消火方法
    危険物とは
    第1類危険物
    第2類危険物
    第3類危険物
    第4類危険物
    第4類特殊引火物
    第4類第1石油類
    第4類アルコール類
    第4類第2石油類
    第4類第3石油類
    第4類第4石油類
    第4類動植物油類
    第5類危険物
    第6類危険物
  • 第4章 危険物に関する法令の要点I
    危険物に関する法令の概要
    消防法の目的・危険物の指定数量
    貯蔵所と取扱所の区分
    製造所等の設置および変更
    許可・承認・検査・認可・届出
    基準維持に義務と違反に対する措置
    事故時の措置
    定期点検
    保安検査
    予防規程
    自衛消防組織
    危険物取扱者
    危険物保安統括管理者
    危険物保安監督者
    危険物施設保安員
  • 第5章 危険物に関する法令の要点II
    製造所の基準
    屋内貯蔵所の基準
    屋外タンク貯蔵所の基準
    屋内タンク貯蔵所の基準
    地下タンク貯蔵所の基準
    簡易タンク貯蔵所の基準
    移動タンク(タンクローリー)貯蔵所の基準
    屋外貯蔵所の基準
    給油貯蔵所(ガソリンスタンド)の基準
    販売取扱所の基準
    移送取扱所(パイプライン)の基準
    一般取扱所の基準
  • 第6章 危険物に関する法令の要点III
    標識・掲示板・安全装置の基準
    消火設備および警報設備の基準
    危険物の貯蔵および取扱いの基準
    危険物の運搬および移送の基準
  • 別冊 危険物取扱者試験模擬問題集
    物理・化学について(燃焼・消火理論を含む)
    各論について
    法令について

危険物取扱者受験講座(甲種)はこちらです。

乙種

職業訓練法人JTEXさんの通信教育講座
技術系国家資格の登竜門。「危険物取扱者(乙種)」に挑戦!!
危険物取扱者受験講座(乙種)です。
通信教育講座の学習方法の良いところは、知識や技能の違いを気にせず自分のペースで学習ができるところです。

  • 危険物取扱者乙種の合格を目指します。
  • 仕事にも使える知識の定着を目指していきます。

受講期間は4ヶ月で難易度は初級レベルです。

教材構成

危険物取扱者受験講座(乙種)の教材構成は

  • 主テキスト2冊(上・下)
  • 別冊「学習ガイド/模擬問題集」
  • レポート課題集・解答マークシート(提出回数4回)

です。

カリキュラム

危険物取扱者受験講座(乙種)のカリキュラムは

  • 第1章 基礎物理・基礎化学
    三態の変化
    水と空気の性状
    比重・密度
    気体の性質

    電気
    物質の構成・化学反応
    物質の種類・物質の変化
    熱化学
    溶液I(溶解・濃度)
    溶液II(中和反応)
    酸化と還元
    有機化合物と無機化合物
    金属・ハロゲン元素
  • 第2章 燃焼および消火の基礎
    燃焼理論
    燃焼のしかた
    燃焼に関係する物質の物性
    自然発火・禁水性
    混合危険
    消火理論
    消火設備
  • 第3章 危険物の性質と取扱いおよび火災予防と消火方法
    危険物とは
    第1類危険物
    第2類危険物
    第3類危険物
    第4類危険物
    第4類特殊引火物
    第4類第1石油類
    第4類アルコール類
    第4類第2石油類
    第4類第3石油類
    第4類第4石油類
    第4類動植物油類
    第5類危険物
    第6類危険物
  • 第4章 危険物に関する法令の要点
    消防法に定める危険物
    危険物規制と法令
    危険物施設の区分
    各種申請手続き
    各種届出手続き
    危険物取扱者制度
    危険物取扱者の保安講習
    人的保安管理体制
    災害予防と維持管理義務
    製造所等の位置・構造・設備の基準
    消火設備・警報設備・避難設備の基準
    貯蔵・取扱いの基準
    運搬及び移送の基準
    行政措置
    事故時の措置
  • 危険物取扱者(乙種)試験模擬問題
    物理・化学
    各論
    法令

危険物取扱者受験講座(乙種)はこちらです。

最後に

低価格で取得できる資格だと思いますが、試験に合格しないと取得できない資格なので、苦手な科目だったりすると時間も費用も掛かってしまいそうです。

取り扱うことができるようになる危険物の需要から人気があるのは乙種第4類ですが、
必要な資格には乙種とだけ書いてある求人が多かったので、乙種のどの種類が必要なのか確認した方が良さそうです。

合格率

危険物取扱者の合格率

危険物取扱者(甲種・乙種・丙種)受験情報(平成30年度)
区分 受験者数 受験比率 合格者数 合格率
甲種 20,977人 5.90% 8,358人 39.84%
乙種
1類
12,333人 3.47% 8,256人 66.94%
乙種
2類
11,620人 3.27% 7,936人 68.30%
乙種
3類
13,045人 3.67% 8,834人 67.72%
乙種
4類
240,102人 67.57% 93,667人 39.01%
乙種
5類
13,362人 3.76% 8,829人 66.08%
乙種
6類
13,894人 3.91% 8,949人 64.41%
丙種 30,028人 8.45% 15,366人 51.17%
合計 355,361人 100.00% 160,195人 45.08%

平成30年度版のデータでは危険物取扱者受験者の67.57%が乙種第4類でした。

乙種第4類の合格率が39.01%と低いのは、ほかの類に比べて極端に難しいのではなく、
学校や勤務先からの指示による受験者の合格意欲と
乙種第4類を最初に受験するため、試験科目の免除がない
などが原因になっている部分があるみたいです。

誰にでも取得できる資格ということからか、小中学生で甲種、全乙種合格したという記事を見かけました。
勉強方法は、講習、独習の、それぞれで合格できるみたいです。

危険物取扱者関連商品

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こちらのページに解約方法が書いてあります。

動画紹介

電験合格さんのYOUTUBEに投稿している危険物取扱者 乙4 物化分野 1.物理と化学の基礎知識の動画です。