義肢・装具製作に関する知識と技能を証明することができる資格

就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、義肢・装具製作技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。

このページには

  • 義肢・装具製作技能検定 1級、2級の違い
  • 作業の種類
  • 資格取得に必要な試験
  • 受験・応募資格・開催日程・合格基準
  • 費用・試験科目
  • 合格率

などが書いてあります。

義肢・装具製作に関する知識と技能を証明することができる資格

義肢・装具製作に関する知識と技能を証明することができる資格があります。

  • 義肢・装具製作技能士

です。
義肢・装具製作技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している義肢・装具製作技能検定に合格することで取得できます。

義肢・装具製作技能検定はその他の技能検定で
1級、2級があります。
選択作業は

  • 義肢製作作業(1級・2級)
  • 装具製作作業(1級・2級)

です。

義肢・装具製作技能検定の合格者には

  • 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除
  • 義肢装具士試験の受験資格
  • 作業環境測定士試験の受験資格

などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。

  • 1級 義肢製作作業
    採寸及び採型、ソケットの製作・義肢の組立て、義肢の調整及び適合修正、義肢の修理などの義肢製作作業に関する技能・知識と、併せて、義肢及び装具一般、医学一般、義肢・装具に関連する機械要素・作動機構、工作法一般、材料、製図、電気、安全衛生などに関する知識も含まれ
    採寸・採型、義肢の調整・適合修正、不適合部分の修正・部品交換などを含んだレベル。
  • 2級 義肢製作作業
    採寸及び採型、ソケットの製作・義肢の組立て、義肢の調整及び適合修正、義肢の修理などの義肢製作作業に関する技能・知識と、併せて、義肢及び装具一般、医学一般、義肢・装具に関連する機械要素・作動機構、工作法一般、材料、製図、電気、安全衛生などに関する知識も含まれ
    採寸・採型、義肢の調整・適合修正、不適合部分の修正・部品交換などが含まれていないレベル。
  • 1級 装具製作作業
    採寸・採型、装具各部の製作及び装具組立て、装具の調整及び適合修正、装具の修理などの装具製作作業に関する技能・知識と、併せて、義肢及び装具一般、医学一般、義肢・装具に関連する機械要素・作動機構、工作法一般、材料、製図、電気、安全衛生などに関する知識も含まれ
    採寸・採型、装具の調整・適合修正、不適合部分の修正・部品交換などを含んだレベル。
  • 2級 装具製作作業
    採寸・採型、装具各部の製作及び装具組立て、装具の調整及び適合修正、装具の修理などの装具製作作業に関する技能・知識と、併せて、義肢及び装具一般、医学一般、義肢・装具に関連する機械要素・作動機構、工作法一般、材料、製図、電気、安全衛生などに関する知識も含まれ
    採寸・採型、装具の調整・適合修正、不適合部分の修正・部品交換などが含まれていないレベル。

1級義肢・装具製作技能士の資格コードは6509
2級義肢・装具製作技能士の資格コードは6510です。

大分類F 製造関連技能
中分類65 装身具等身の回り品製造
免許・資格コード 免許・資格内容
6509 1級義肢・装具製作技能士
6510 2級義肢・装具製作技能士

資格取得に必要な試験

義肢・装具製作技能検定イメージ

義肢・装具製作技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。

免除要件の詳細はこちらに書いてあります。

受験・応募資格・開催日程・合格基準

受験資格

義肢・装具製作技能検定は、どの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。

義肢・装具製作技能検定受験資格
受験対象者 必要となる実務経験年数
1級 2級
2級
合格後
実務経験のみ 2年 7年 2年
専門高校卒業
専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業
6年 不要
短大・高専・高校専攻科卒業
専修学校(大学編入資格付与課程)卒業
5年
大学卒業
専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業
4年
専修学校または
各種学校卒業
(厚生労働大臣が
指定したものに限る)
800時間以上 6年
1,600時間以上 5年
3,200時間以上 4年
短期課程の普通職業訓練終了 700時間以上 6年
普通課程の普通職業訓練終了 2,800時間未満 5年
2,800時間以上 4年
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 1年 3年
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 1年
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 1年
職業訓練指導員免許取得 1年
長期養成課程の指導員訓練修了 なし

開催日程

義肢・装具製作技能検定開催日程

技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。

技能検定実施日程
前期 後期
実施公示 3月上旬 9月上旬
受験申請 4月上旬 10月上旬
実技試験問題の公表 6月上旬 11月下旬
実技試験 6月上旬から9月中旬 12月上旬から2月中旬
学科試験 7月中旬から9月上旬 1月中旬から2月上旬

※年度、都道府県で違いがあるので注意

受験手数料

義肢・装具製作技能検定受験手数料
等級 実技試験 学科試験
35歳以上 35歳未満 全年齢
1級 18,200円 18,200円 3,100円
2級 18,200円 9,200円 3,100円

合格基準

合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。

1級 義肢製作作業

実技試験

1級義肢・装具製作技能検定 義肢製作作業の実技試験の採点項目と配点です。

1級義肢・装具製作技能検定 義肢製作作業の実技試験は
製作等作業試験です。

1級義肢・装具製作技能検定
義肢製作作業
実技試験の採点項目と配点
実施形式 採点項目 配点
製作等作業試験 製品 寸法精度 100
できばえ
作業態度
作業時間
  • 製作等作業試験 標準時間 3時間30分 打切り時間 4時間
    与えられた石膏塊を加工して、右大腿義足吸着式四辺形ソケットの陽性モデルを製作します。
試験科目

1級義肢・装具製作技能検定 義肢製作作業の実技試験科目です。

  • 義肢製作作業
    採寸及び採型
    ソケットの製作及び義肢の組立て
    義肢の調整及び適合修正
    義肢の修理

学科試験

1級義肢・装具製作技能検定 義肢製作作業の学科試験は

  • 試験方式 真偽法及び四肢択一法
  • 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
  • 試験時間 1時間40分

です。

試験科目

1級義肢・装具製作技能検定 義肢製作作業の学科試験科目です。

  • 義肢及び装具一般
    義肢及び装具の装着目的
    リハビリテーションにおける義肢及び装具の意義
  • 医学一般
    解剖及び生理
    運動学の基礎理論
    病理
  • 機械要素及び作動機構
    機械の主要構成要素の種類、形状及び用途
    義肢及び装具に使用される作動機構
  • 工作法一般
    機械工作法
    皮革及び合成皮革の工作法
    プラスチック成形法
  • 材料
    金属材料及び非金属材料の種類、性質及び用途
    金属材料の熱処理
  • 製図
    日本産業規格に定める図示法
  • 電気
    電気用語
    電気機械器具の使用方法
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識
  • 義肢製作法
    断端の情報
    義肢の種類、構造及び機能
    採寸及び採型の方法
    ソケットの製作方法
    義肢の組立て
    義肢の調整及び適合修正の方法

2級 義肢製作作業

実技試験

2級義肢・装具製作技能検定 義肢製作作業の実技試験の採点項目と配点です。

2級義肢・装具製作技能検定 義肢製作作業の実技試験は
製作等作業試験です。

2級義肢・装具製作技能検定
義肢製作作業
実技試験の採点項目と配点
実施形式 採点項目 配点
製作等作業試験 製品 寸法精度 100
できばえ
作業態度
作業時間
  • 製作等作業試験 標準時間 3時間30分 打切り時間 4時間
    与えられた陽性モデル及び材料を用い、下腿ソケット(PTB式)を製作します。
試験科目

2級義肢・装具製作技能検定 義肢製作作業の実技試験科目です。

  • 義肢製作作業
    ソケットの製作及び義肢の組立て
    義肢の修理

学科試験

2級義肢・装具製作技能検定 義肢製作作業の学科試験は

  • 試験方式 真偽法及び四肢択一法
  • 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
  • 試験時間 1時間40分

です。

試験科目

2級義肢・装具製作技能検定 義肢製作作業の学科試験科目です。

  • 義肢及び装具一般
    義肢及び装具の装着目的
    リハビリテーションにおける義肢及び装具の意義
  • 医学一般
    解剖及び生理
    運動学の基礎理論
    病理
  • 機械要素及び作動機構
    機械の主要構成要素の種類、形状及び用途
    義肢及び装具に使用される作動機構
  • 工作法一般
    機械工作法
    皮革及び合成皮革の工作法
    プラスチック成形法
  • 材料
    金属材料及び非金属材料の種類、性質及び用途
    金属材料の熱処理
  • 製図
    日本産業規格に定める図示法
  • 電気
    電気用語
    電気機械器具の使用方法と管理
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識
  • 義肢製作法
    断端の情報
    義肢の種類、構造及び機能
    採寸及び採型の方法
    ソケットの製作方法
    義肢の組立て
    義肢の調整及び適合修正の方法

1級 装具製作作業

実技試験

1級義肢・装具製作技能検定 装具製作作業の実技試験の採点項目と配点です。

1級義肢・装具製作技能検定 装具製作作業の実技試験は
製作等作業試験です。

  • 製作等作業試験 標準時間 3時間30分 打切り時間 4時間
    陽性モデルを修正して、PTB短下肢装具(免荷装具)を製作します。
1級義肢・装具製作技能検定
装具製作作業
実技試験の採点項目と配点
実施形式 採点項目 配点
製作等作業試験 製品 寸法精度 100
できばえ
作業態度
作業時間
  • できばえの採点項目
    さら穴加工
    穴加工
    上部内外側支柱の加工(内外側毎に)
    下部内外側支柱の加工(各支柱毎に)
    リベット加工
    ポリエチレンのトリミング(内外ソケット毎に)
    支柱の接合部の加工(各接合部毎に)
    陽性モデルの修正
    全体のできばえ
試験科目

1級義肢・装具製作技能検定 装具製作作業の実技試験科目です。

  • 装具製作作業
    採寸及び採型
    装具の各部の製作及び装具の組立て
    装具の調整及び適合修正
    装具の修理

学科試験

1級義肢・装具製作技能検定 装具製作作業の学科試験は

  • 試験方式 真偽法及び四肢択一法
  • 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
  • 試験時間 1時間40分

です。

試験科目

1級義肢・装具製作技能検定 装具製作作業の学科試験科目です。

  • 義肢及び装具一般
    義肢及び装具の装着目的
    リハビリテーションにおける義肢及び装具の意義
  • 医学一般
    解剖及び生理
    運動学の基礎理論
    病理
  • 機械要素及び作動機構
    機械の主要構成要素の種類、形状及び用途
    義肢及び装具に使用される作動機構
  • 工作法一般
    機械工作法
    皮革及び合成皮革の工作法
    プラスチック成形法
  • 材料
    金属材料及び非金属材料の種類、性質及び用途
    金属材料の熱処理
  • 製図
    日本産業規格に定める図示法
  • 電気
    電気用語
    電気機械器具の使用方法
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識
  • 装具製作法
    患部の情報
    装具の種類、構造及び機能
    採寸及び採型の方法
    装具の各部の製作方法
    装具の組立て
    装具の調整及び適合修正の方法

2級 装具製作作業

実技試験

2級義肢・装具製作技能検定 装具製作作業の実技試験の採点項目と配点です。

2級義肢・装具製作技能検定 装具製作作業の実技試験は
製作等作業試験です。

  • 製作等作業試験 標準時間 3時間30分 打切り時間 4時間
    手背屈装具(指伸展装置付)を製作します。
2級義肢・装具製作技能検定
装具製作作業
実技試験の採点項目と配点
実施形式 採点項目 配点
製作等作業試験 製品 寸法精度 100
できばえ
作業態度
作業時間
  • できばえの採点項目
    近位半月バーの近位縁のフレア及び
    遠位半月バーの遠位縁のフレア(支柱直下は採点から除く)
    遠位半月バーの遠位縁の曲線(尺側)
    各半月バー、手背パッド及び虫様筋バーの切り口の仕上げ
    各半月バー、手背パッド及び虫様筋バーの板金状態
    虫様筋バー取付支柱
    IP伸展補助装置取付支柱
    IP伸展補助支持板
    穴加工
    全体のできばえ
試験科目

2級義肢・装具製作技能検定 装具製作作業の実技試験科目です。

  • 装具製作作業
    装具の各部の製作及び装具の組立て
    装具の修理

学科試験

2級義肢・装具製作技能検定 装具製作作業の学科試験は

  • 試験方式 真偽法及び四肢択一法
  • 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
  • 試験時間 1時間40分

です。

試験科目

2級義肢・装具製作技能検定 装具製作作業の学科試験科目です。

  • 義肢及び装具一般
    義肢及び装具の装着目的
    リハビリテーションにおける義肢及び装具の意義
  • 医学一般
    解剖及び生理
    運動学の基礎理論
    病理
  • 機械要素及び作動機構
    機械の主要構成要素の種類、形状及び用途
    義肢及び装具に使用される作動機構
  • 工作法一般
    機械工作法
    皮革及び合成皮革の工作法
    プラスチック成形法
  • 材料
    金属材料及び非金属材料の種類、性質及び用途
    金属材料の熱処理
  • 製図
    日本産業規格に定める図示法
  • 電気
    電気用語
    電気機械器具の使用方法と管理
  • 安全衛生
    安全衛生に関する詳細な知識
  • 装具製作法
    患部の情報
    装具の種類、構造及び機能
    採寸及び採型の方法
    装具の各部の製作方法
    装具の組立て
    装具の調整及び適合修正の方法

合格率

義肢・装具製作技能検定合格率

義肢・装具製作技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。

義肢製作作業

義肢・装具製作技能検定 義肢製作作業の合格率です。

義肢・装具製作技能検定合格率
義肢製作作業
平成
28年
受検申請者数 合格者数 合格率
1級 26人 14人 53.84%
2級 43人 26人 60.46%

装具製作作業

義肢・装具製作技能検定 装具製作作業の合格率です。

義肢・装具製作技能検定合格率
装具製作作業
平成
29年
受検申請者数 合格者数 合格率
1級 24人 17人 70.83%
2級 30人 17人 56.66%
平成
28年
受検申請者数 合格者数 合格率
1級 25人 13人 52.0%
2級 56人 34人 60.71%

義肢・装具製作関連商品









動画紹介

CBC公式チャンネルさんのYOUTUBEに投稿している【CBC】創造の魂「義足作りの職人技」(2015年3月12日放送)の動画です。