就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、化学分析技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 化学分析技能検定 1級、2級、3級の違い
- 作業の種類
- 資格取得に必要な試験
- 受験・応募資格・開催日程・合格基準
- 費用・試験科目
- 合格率
などが書いてあります。
化学分析に関する知識と技能を証明することができる資格
化学分析に関する知識と技能を証明することができる資格があります。
- 化学分析技能士
です。
化学分析技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している化学分析技能検定に合格することで取得できます。
化学分析技能検定は電気・精密機械器具関係の技能検定で、
1級、2級、3級があります。
選択作業は
- 化学分析作業(1級・2級・3級)
です。
化学分析技能検定の合格者には
- 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除
- 労働安全コンサルタント試験の受験資格
- 作業環境測定士試験の受験資格・一部免除
などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。
- 1級 化学分析作業
試薬・標準溶液の調製、定性分析、重量分析、容量分析、機器分析などに関する技能・知識と、併せて、化学分析法、化学一般、安全衛生に関する知識も含まれ
高度な化学分析ができ、詳細な知識を有するレベル。 - 2級 化学分析作業
試薬・標準溶液の調製、定性分析、重量分析、容量分析、機器分析などに関する技能・知識と、併せて、化学分析法、化学一般、安全衛生に関する知識も含まれ
通常の化学分析ができ、一般的な知識を有するレベル。 - 3級 化学分析作業
試薬・標準溶液の調製、定性分析、重量分析、容量分析、機器分析などに関する技能・知識と、併せて、化学分析法、化学一般、安全衛生に関する知識も含まれ
初級技能者のレベル。
1級化学分析技能士の資格コードは5204
2級化学分析技能士の資格コードは5205で
3級化学分析技能士の資格コードはありません。
大分類F 製造関連技能 中分類52 化学製品製造 |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
5204 | 1級化学分析技能士 |
5205 | 2級化学分析技能士 |
資格取得に必要な試験
化学分析技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
受験・応募資格・開催日程・合格基準
受験資格
化学分析技能検定は、どの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。
化学分析技能検定受験資格 | |||||||
受験対象者 | 必要となる実務経験年数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1級 | 2級 | 3級 | |||||
2級 合格後 |
3級 合格後 |
3級 合格後 |
|||||
実務経験のみ | 2年 | 4年 | 7年 | 不要 | 2年 | 不要 | |
専門高校卒業 専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業 |
6年 | 不要 | |||||
短大・高専・高校専攻科卒業 専修学校(大学編入資格付与課程)卒業 |
5年 | ||||||
大学卒業 専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業 |
4年 | ||||||
専修学校または 各種学校卒業 (厚生労働大臣が 指定したものに限る) |
800時間以上 | 6年 | |||||
1,600時間以上 | 5年 | ||||||
3,200時間以上 | 4年 | ||||||
短期課程の普通職業訓練終了 | 700時間以上 | 6年 | |||||
普通課程の普通職業訓練終了 | 2,800時間未満 | 5年 | |||||
2,800時間以上 | 4年 | ||||||
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 | 1年 | 2年 | 3年 | ||||
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 | 1年 | ||||||
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 | 1年 | ||||||
職業訓練指導員免許取得 | 1年 | ||||||
長期養成課程の指導員訓練修了 | なし |
開催日程
技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。
技能検定実施日程 | ||
前期 | 後期 | |
---|---|---|
実施公示 | 3月上旬 | 9月上旬 |
受験申請 | 4月上旬 | 10月上旬 |
実技試験問題の公表 | 6月上旬 | 11月下旬 |
実技試験 | 6月上旬から9月中旬 | 12月上旬から2月中旬 |
学科試験 | 7月中旬から9月上旬 | 1月中旬から2月上旬 |
※年度、都道府県で違いがあるので注意
受験手数料
化学分析技能検定受験手数料 | |||
等級 | 実技試験 | 学科試験 | |
---|---|---|---|
35歳以上 | 35歳未満 | 全年齢 | |
1級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
2級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
3級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
3級(学生) | 12,100円 | 3,100円 | 3,100円 |
合格基準
合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
1級 化学分析作業
実技試験
1級化学分析技能検定 化学分析作業の実技試験の採点項目と配点です。
1級化学分析技能検定 化学分析作業の実技試験は
製作等作業試験、計画立案等作業試験です。
1級化学分析技能検定 化学分析作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 第1課題 | 検出イオン名及び 確認のための現象 |
50 |
作業態度 | |||
作業時間 | |||
第2課題 | 滴定結果 | ||
滴定ばらつき | |||
各物質の量 | |||
作業態度 | |||
作業時間 | |||
計画立案等作業試験 | 50 |
- 製作等作業試験 第1課題 定性分析 標準時間 1時間45分 打切り時間 2時間
与えられた試料溶液中に含まれる、4種類の金属イオンの検出を行います。
第2属陽イオン及び第4属陽イオンの分属作業は、硫化水素とチオアセトアミドのいずれかを使用します。 - 製作等作業試験 第2課題 容量分析 標準時間 1時間45分 打切り時間 2時間
キレート滴定法による塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び塩化アルミニウムの定量を行います。 - 計画立案等作業試験 試験時間 1時間30分
高速液体クロマトグラフ分析法及びICP発光分光分析法について行います。
試験科目
1級化学分析技能検定 化学分析作業の実技試験科目です。
- 化学分析作業
試薬及び標準溶液の調製
定性分析
重量分析
容量分析
機器分析
学科試験
1級化学分析技能検定 化学分析作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
1級化学分析技能検定 化学分析作業の学科試験科目です。
- 化学分析法
化学分析に使用する器具及び装置の種類、構造、性能及び使用方法
化学分析の単位操作の方法
試薬、標準溶液及び緩衝液の調製の方法
サンプリング及び試料の調製の方法
定性分析の方法
重量分析の方法
容量分析の方法
機器分析の方法
公定分析法
統計に関する基礎知識 - 化学一般
無機化学
有機化学
物理化学 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
2級 化学分析作業
実技試験
2級化学分析技能検定 化学分析作業の実技試験の採点項目と配点です。
2級化学分析技能検定 化学分析作業の実技試験は
製作等作業試験です。
2級化学分析技能検定 化学分析作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 第1課題 | 検出イオン名及び 確認のための現象 |
100 |
作業態度 | |||
作業時間 | |||
第2課題 | 滴定結果 | ||
滴定ばらつき | |||
化学反応式 | |||
しゅう酸の量 | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
製作等作業試験
- 第1課題 定性分析 標準時間 1時間 打切り時間 1時間15分
与えられた試料溶液中に含まれる、3種類の金属イオンの検出を行います。
第2属陽イオン及び第4属陽イオンの分属作業は、硫化水素とチオアセトアミドのいずれかを使用します。 - 第2課題 容量分析 標準時間 1時間15分 打切り時間 1時間30分
与えられた試料溶液(しゅう酸溶液)中に含まれる、しゅう酸の量を求めます。
試験科目
2級化学分析技能検定 化学分析作業の実技試験科目です。
- 化学分析作業
試薬及び標準溶液の調製
定性分析
重量分析
容量分析
機器分析
学科試験
2級化学分析技能検定 化学分析作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
2級化学分析技能検定 化学分析作業の学科試験科目です。
- 化学分析法
化学分析に使用する器具及び装置の種類、構造、性能及び使用方法
化学分析の単位操作の方法
試薬、標準溶液及び緩衝液の調製の方法
サンプリング及び試料の調製の方法
定性分析の方法
重量分析の方法
容量分析の方法
機器分析の方法
公定分析法
統計に関する基礎知識 - 化学一般
無機化学
有機化学
物理化学 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
3級 化学分析作業
実技試験
3級化学分析技能検定 化学分析作業の実技試験の採点項目と配点です。
3級化学分析技能検定 化学分析作業の実技試験は
製作等作業試験です。
3級化学分析技能検定 化学分析作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 第1課題 | 検出イオン名、分属操作及び 確認のための現象 |
100 |
作業態度 | |||
作業時間 | |||
第2課題 | 滴定結果 | ||
滴定ばらつき | |||
化学反応式 | |||
炭酸ナトリウムの量 | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
製作等作業試験
- 第1課題 定性分析 標準時間 1時間 打切り時間 1時間15分
与えられた試料溶液中に含まれる、2種類の金属イオンの検出を行います。
第2属及び第4属の金属イオンは含まないので、硫化水素等による分属操作は行いません。 - 第2課題 中和滴定 標準時間 1時間 打切り時間 1時間15分
与えられた試料溶液(炭酸ナトリウム溶液)中に含まれる、炭酸ナトリウムの量を求めます。
試験科目
3級化学分析技能検定 化学分析作業の実技試験科目です。
- 化学分析作業
試薬及び標準溶液の調製
定性分析
重量分析
容量分析
機器分析
学科試験
3級化学分析技能検定 化学分析作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法
- 出題数 30問(真偽法30問)
- 試験時間 1時間
です。
試験科目
3級化学分析技能検定 化学分析作業の学科試験科目です。
- 化学分析法
化学分析に使用する器具及び装置の種類、構造、性能及び使用方法
化学分析の単位操作の方法
試薬、標準溶液及び緩衝液の調製の方法
サンプリング及び試料の調製の方法
定性分析の方法
重量分析の方法
容量分析の方法
機器分析の方法
統計に関する基礎知識 - 化学一般
無機化学
有機化学
物理化学 - 安全衛生
安全衛生に関する一般的な知識
合格率
化学分析技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。
化学分析作業
化学分析技能検定 化学分析作業の合格率です。
化学分析技能検定合格率 化学分析作業 |
|||
平成 29年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 73人 | 43人 | 58.9% |
2級 | 140人 | 77人 | 55.0% |
3級 | 234人 | 140人 | 59.82% |
平成 28年 |
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 62人 | 38人 | 61.29% |
2級 | 109人 | 54人 | 49.54% |
3級 | 211人 | 93人 | 44.07% |
化学分析関連商品
動画紹介
地方独立行政法人青森県産業技術センターさんのYOUTUBEに投稿している化学分析(ICP)の様子 HS03【弘前工業研究所】の動画です。