就職活動中に産業別で免許・資格・経験を調べていたら、鉄工技能士という資格があったので、就職活動が有利になりそうな資格なのか調べてみました。
このページには
- 鉄工技能検定 1級、2級の違い
- 作業の種類
- 資格取得に必要な試験
- 受験・応募資格・開催日程・合格基準
- 費用・試験科目
- 合格率
などが書いてあります。
※構造物現図作業は実施されていないので書いていない部分があります。
鉄工に関する知識と技能を証明することができる資格
鉄工に関する知識と技能を証明することができる資格があります。
- 鉄工技能士
です。
鉄工技能士は、都道府県職業能力開発協会で開催している鉄工技能検定に合格することで取得できます。
鉄工技能検定は金属加工関係の技能検定で、
1級、2級があります。
選択作業は
- 製缶作業(1級・2級)
- 構造物鉄工作業(1級・2級)
- 構造物現図作業(1級・2級)
です。
鉄工技能検定の合格者には
- 職業訓練指導員試験の一部・全部受験免除
- 労働安全コンサルタント試験の受験資格
- プレス機械作業主任者技能講習の講師の資格及び受講の免除
- ガス溶接作業主任者免許試験の受験資格及び免除
- 作業環境測定士試験の受験資格
- 2級建築施工管理技術検定(躯体種別)受験資格
- 専任の者・主任技術者の資格
などの特典があります。
技能検定合格者の特典 技能士に付与される資格はこちらです。
- 1級 製缶作業
現図作成、製缶加工、製品検査、作業時間の見積りなどに関する技能・知識と、併せて、鉄工作業法一般、材料、材料力学、機械工作法、製図、試験及び検査、安全衛生に関する知識も含まれ
高度な板取り・曲げ加工ができるレベル。 - 2級 製缶作業
現図作成、製缶加工、製品検査、作業時間の見積りなどに関する技能・知識と、併せて、鉄工作業法一般、材料、材料力学、機械工作法、製図、試験及び検査、安全衛生に関する知識も含まれ
通常の板取り・曲げ加工ができるレベル。 - 1級 構造物鉄工作業
加工・組立て段取り、けがき・型板製作、切断・穴あけ・研削、ガス切断、曲げ加工、ひずみ取り、組立てなどの構造物鉄工加工、作業時間の見積りなどに関する技能・知識と、併せて、鉄工作業法一般、材料、材料力学、機械工作法、製図、試験及び検査、安全衛生に関する知識も含まれ
けがき・切断・曲げ加工・組立て・溶接などに高度な加工技術、高い品質・精度が要求されるレベル。 - 2級 構造物鉄工作業
加工・組立て段取り、けがき・型板製作、切断・穴あけ・研削、ガス切断、曲げ加工、ひずみ取り、組立てなどの構造物鉄工加工、作業時間の見積りなどに関する技能・知識と、併せて、鉄工作業法一般、材料、材料力学、機械工作法、製図、試験及び検査、安全衛生に関する知識も含まれ
通常レベルの加工技術、品質・精度が要求されるレベル。
1級鉄工技能士の資格コードは5408
2級鉄工技能士の資格コードは5409です。
大分類F 製造関連技能 中分類54 金属加工 |
|
免許・資格コード | 免許・資格内容 |
---|---|
5408 | 1級鉄工技能士 |
5409 | 2級鉄工技能士 |
資格取得に必要な試験
鉄工技能検定は、実技試験と学科試験があります。
実技試験または学科試験のいずれか一方に合格した場合、次回以降の受検で免除を受けることができます。
受験・応募資格・開催日程・合格基準
受験資格
鉄工技能検定は、どの等級からでも受験をすることができますが、職業訓練歴、学歴、実務経験などで違いがあります。
技能検定試験の各等級の受検資格一覧表はこちらです。
鉄工技能検定受験資格 | ||||
受験対象者 | 必要となる実務経験年数 | |||
---|---|---|---|---|
1級 | 2級 | |||
2級 合格後 |
||||
実務経験のみ | 2年 | 7年 | 2年 | |
専門高校卒業 専修学校(大学入学資格付与課程限)卒業 |
6年 | 不要 | ||
短大・高専・高校専攻科卒業 専修学校(大学編入資格付与課程)卒業 |
5年 | |||
大学卒業 専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業 |
4年 | |||
専修学校または 各種学校卒業 (厚生労働大臣が 指定したものに限る) |
800時間以上 | 6年 | ||
1,600時間以上 | 5年 | |||
3,200時間以上 | 4年 | |||
短期課程の普通職業訓練終了 | 700時間以上 | 6年 | ||
普通課程の普通職業訓練終了 | 2,800時間未満 | 5年 | ||
2,800時間以上 | 4年 | |||
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了 | 1年 | 3年 | ||
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了 | 1年 | |||
長期課程又は短期養成課程の指導員訓練修了 | 1年 | |||
職業訓練指導員免許取得 | 1年 | |||
長期養成課程の指導員訓練修了 | なし |
開催日程
技能検定試験は前期と後期に分かれて実施しています。
実施検定職種、日程はその年によって違います。
技能検定実施日程 | ||
前期 | 後期 | |
---|---|---|
実施公示 | 3月上旬 | 9月上旬 |
受験申請 | 4月上旬 | 10月上旬 |
実技試験問題の公表 | 6月上旬 | 11月下旬 |
実技試験 | 6月上旬から9月中旬 | 12月上旬から2月中旬 |
学科試験 | 7月中旬から9月上旬 | 1月中旬から2月上旬 |
※年度、都道府県で違いがあるので注意
受験手数料
鉄工技能検定受験手数料 | |||
等級 | 実技試験 | 学科試験 | |
---|---|---|---|
35歳以上 | 35歳未満 | 全年齢 | |
1級 | 18,200円 | 18,200円 | 3,100円 |
2級 | 18,200円 | 9,200円 | 3,100円 |
合格基準
合格基準は、100点を満点として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
1級 製缶作業
実技試験
1級鉄工技能検定 製缶作業の実技試験の採点項目と配点です。
1級鉄工技能検定 製缶作業の実技試験は製作等作業試験です。
※労働安全衛生法に基づくガス溶接作業主任者免許証またはガス溶接技能講習修了証その他資格を証する書面の携帯
アーク溶接等の作業に関し労働安全衛生法に基づく安全または衛生のための特別の教育を修了した証明書等の原本若しくは写しの提示、または特別の教育と同等の知識及び技能を有していることの申告が必要です。
- 第1課題 展開図作成作業 打切り時間 1時間
薄鋼板に簡単な立体の展開図を描きます。 - 第2課題 製品製作作業 標準時間 1時間30分 打切り時間 1時間45分
ハンマ、ゲージ、曲げ台等を使用して、平鋼(SS330またはSS400相当 6mm×32mm×800mm)をリング状(円形)に加工したものと、鋼板(SS400相当 6mm×320mm×320mm)をガス切断したものとを組立図により組み立て、仮付け溶接を行います。
1級鉄工技能検定 製缶作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 製作等作業試験 | |||
---|---|---|---|
採点項目 | 配点 | ||
製品 | 第1課題 展開図作成作業 |
展開精度 | 100 |
外周線の脱落 | |||
第2課題 製品製作作業 |
できばえ | ||
寸法精度 | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
- 第2課題 製品製作作業 できばえの採点項目
ガス切断状況
溶接部状況
製品表面状況
ゲージとの密着具合
試験科目
1級鉄工技能検定 製缶作業の実技試験科目です。
- 製缶作業
現図の作成
製缶加工
製品検査
作業時間の見積り
学科試験
1級鉄工技能検定 製缶作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
1級鉄工技能検定 製缶作業の学科試験科目です。
- 鉄工作業法一般
けがき
ひずみ取り
穴あけ
曲げ
切断
溶接の基礎
工作測定の方法 - 材料
金属材料の種類、性質及び用途
金属材料の熱処理 - 材料力学
荷重、応力及びひずみ - 機械工作法
工作機械等の種類及び使用方法
防錆処理 - 製図
日本産業規格に定める図示法及び材料記号 - 試験及び検査
材料試験の方法
放射線透過試験の方法 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - 製缶作業法
ボイラー、圧力容器及びタンクの種類、型式及び構造
板取り
溶接
管の加工
火造り
製品検査
現図
品質管理用語
試験機及び測定器の種類、用途及び使用方法
放射線透過試験以外の非破壊試験の方法
電気用語
電気機械器具の使用方法
労働安全衛生法に基づく命令のうちボイラー及び
圧力容器に関する部分及び容器保安規則
2級 製缶作業
実技試験
2級鉄工技能検定 製缶作業の実技試験の採点項目と配点です。
2級鉄工技能検定 製缶作業の実技試験は製作等作業試験です。
※アーク溶接等の作業に関し労働安全衛生法に基づく安全または衛生のための特別の教育を修了した証明書等の原本若しくは写しの提示、または特別の教育と同等の知識及び技能を有していることの申告が必要です。
- 第1課題 展開図作成作業 打切り時間 1時間
薄鋼板に簡単な立体の展開図を描きます。 - 第2課題 製品製作作業 標準時間 1時間10分 打切り時間 1時間25分(第2課題と第3課題の合計)
ハンマ、ゲージ、曲げ台等を使用して、平鋼(SS330又はSS400相当 6mm×38mm×815mm)をリング状(円形)に加工します。
簡単なすみ肉溶接を行います。 - 第3課題 溶接作業 標準時間 1時間10分 打切り時間 1時間25分(第2課題と第3課題の合計)
簡単なすみ肉溶接を行います。
2級鉄工技能検定 製缶作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 製作等作業試験 | |||
---|---|---|---|
採点項目 | 配点 | ||
製品 | 第1課題 展開図作成作業 |
展開精度 | 100 |
外周線の脱落 | |||
第2課題 製品製作作業 |
できばえ | ||
寸法精度 | |||
第3課題 溶接作業 |
できばえ | ||
作業態度 | |||
作業時間 |
- 第2課題 製品製作作業 できばえの採点項目
ハンマのあと
ねじれ
ゲージとの密着具合
試験科目
2級鉄工技能検定 製缶作業の実技試験科目です。
- 製缶作業
現図の作成
製缶加工
製品検査
作業時間の見積り
学科試験
2級鉄工技能検定 製缶作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
2級鉄工技能検定 製缶作業の学科試験科目です。
- 鉄工作業法一般
けがき
ひずみ取り
穴あけ
曲げ
切断
溶接の基礎
工作測定の方法 - 材料
金属材料の種類、性質及び用途
金属材料の熱処理 - 材料力学
荷重、応力及びひずみ - 機械工作法
工作機械等の種類及び使用方法
防錆処理 - 製図
日本産業規格に定める図示法及び材料記号 - 試験及び検査
材料試験の方法
放射線透過試験の方法 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - 製缶作業法
ボイラー、圧力容器及びタンクの種類、型式及び構造
板取り
溶接
管の加工
火造り
製品検査
現図
品質管理用語
試験機及び測定器の種類、用途及び使用方法
放射線透過試験以外の非破壊試験の方法
電気用語
電気機械器具の使用方法
労働安全衛生法に基づく命令のうちボイラー及び
圧力容器に関する部分及び容器保安規則
1級 構造物鉄工作業
実技試験
1級鉄工技能検定 構造物鉄工作業の実技試験の採点項目と配点です。
1級鉄工技能検定 構造物鉄工作業の実技試験は製作等作業試験です。
※労働安全衛生法に基づくガス溶接作業主任者免許証またはガス溶接技能講習修了証その他資格を証する書面の携帯
アーク溶接等の作業に関し労働安全衛生法に基づく安全または衛生のための特別の教育を修了した証明書等の原本若しくは写しの提示、または特別の教育と同等の知識及び技能を有していることの申告が必要です。
- 製作等作業試験 標準時間 4時間 打切り時間 4時間30分
図面に従って、ボール盤、ガス切断装置、アーク溶接装置又は半自動アーク溶接装置、万力等を使用し、切断、穴あけ、焼曲げ、切曲げ、組立て、溶接等の作業を行い、等辺山形鋼(SS400相当品)及び鋼板(SS400相当品)を加工し、複雑な構造物を製作します。
1級鉄工技能検定 構造物鉄工作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 製品 | 寸法精度 | 100 |
できばえ | |||
形状の誤り等 | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
- 製品 できばえの採点項目
仮付け溶接の状態
切曲げ部
焼曲げ部
本溶接の状態
全体の肌付きの状態
ガス切断面
試験科目
1級鉄工技能検定 構造物鉄工作業の実技試験科目です。
- 構造物鉄工作業
構造物鉄工加工
作業時間の見積り
学科試験
1級鉄工技能検定 構造物鉄工作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
1級鉄工技能検定 構造物鉄工作業の学科試験科目です。
- 鉄工作業法一般
けがき
ひずみ取り
穴あけ
曲げ
切断
溶接の基礎
工作測定の方法 - 材料
金属材料の種類、性質及び用途
金属材料の熱処理 - 材料力学
荷重、応力及びひずみ - 機械工作法
工作機械等の種類及び使用方法
防錆処理 - 製図
日本産業規格に定める図示法及び材料記号 - 試験及び検査
材料試験の方法
放射線透過試験の方法 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - 構造物鉄工作業法
溶接
ボルト接合
リベット接合
組立ての方法
仕上げの方法
品質管理用語
試験機及び測定器の種
類、用途及び使用方法
放射線透過試験以外の非破壊試験の方法
電気用語
電気機械器具の使用方法
2級 構造物鉄工作業
実技試験
2級鉄工技能検定 構造物鉄工作業の実技試験の採点項目と配点です。
2級鉄工技能検定 構造物鉄工作業の実技試験は製作等作業試験です。
※労働安全衛生法に基づくガス溶接作業主任者免許証またはガス溶接技能講習修了証その他資格を証する書面の携帯
アーク溶接等の作業に関し労働安全衛生法に基づく安全または衛生のための特別の教育を修了した証明書等の原本若しくは写しの提示、または特別の教育と同等の知識及び技能を有していることの申告が必要です。
- 製作等作業試験 標準時間 3時間30分 打切り時間 4時間
図面に従って、ボール盤、ガス切断装置、アーク溶接装置又は半自動アーク溶接装置、万力等を使用し、切断、穴あけ、切曲げ、組立て、溶接等の作業を行い、等辺山形鋼(SS400相当品)及び鋼板(SS400相当品)を加工し、簡単な構造物を製作します。
2級鉄工技能検定 構造物鉄工作業 実技試験の採点項目と配点 |
|||
実施形式 | 採点項目 | 配点 | |
---|---|---|---|
製作等作業試験 | 製品 | 寸法精度 | 100 |
できばえ | |||
形状の誤り等 | |||
作業態度 | |||
作業時間 |
- 製品 できばえの採点項目
ガセットプレートの形状
切曲げ部
仮付け溶接の状態
本溶接の状態
全体の肌付きの状態
ガス切断面
試験科目
2級鉄工技能検定 構造物鉄工作業の実技試験科目です。
- 構造物鉄工作業
構造物鉄工加工
学科試験
2級鉄工技能検定 構造物鉄工作業の学科試験は
- 試験方式 真偽法及び四肢択一法
- 出題数 50問(真偽法25問 四肢択一法25問)
- 試験時間 1時間40分
です。
試験科目
2級鉄工技能検定 構造物鉄工作業の学科試験科目です。
- 鉄工作業法一般
けがき
ひずみ取り
穴あけ
曲げ
切断
溶接の基礎
工作測定の方法 - 材料
金属材料の種類、性質及び用途
金属材料の熱処理 - 材料力学
荷重、応力及びひずみ - 機械工作法
工作機械等の種類及び使用方法
防錆処理 - 製図
日本産業規格に定める図示法及び材料記号 - 試験及び検査
材料試験の方法
放射線透過試験の方法 - 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識 - 構造物鉄工作業法
溶接
ボルト接合
リベット接合
組立ての方法
仕上げの方法
品質管理用語
試験機及び測定器の種類、用途及び使用方法
放射線透過試験以外の非破壊試験の方法
電気用語
電気機械器具の使用方法
合格率
鉄工技能検定の合格率です。
受検申請者数に対して免除者も含む合格率です。
製缶作業
鉄工技能検定 製缶作業の合格率です。
鉄工技能検定平成29年合格率 製缶作業 |
|||
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
1級 | 139人 | 63人 | 45.32% |
2級 | 153人 | 87人 | 56.86% |
鉄工技能検定平成28年合格率 製缶作業 |
|||
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 | |
1級 | 135人 | 70人 | 51.85% |
2級 | 165人 | 94人 | 56.96% |
構造物鉄工作業
鉄工技能検定 構造物鉄工作業の合格率です。
鉄工技能検定平成29年合格率 構造物鉄工作業 |
|||
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
1級 | 572人 | 225人 | 39.33% |
2級 | 541人 | 331人 | 61.18% |
鉄工技能検定平成28年合格率 構造物鉄工作業 |
|||
受検申請者数 | 合格者数 | 合格率 | |
1級 | 492人 | 197人 | 40.04% |
2級 | 557人 | 331人 | 59.42% |
鉄工関連商品
動画紹介
技能試験さんのYOUTUBEに投稿している鉄工_構造物鉄工の動画です。