今回は自分の使っている取引方法の一つ、スワップポイントのサヤ取りトレードを紹介します。

スワップポイントのサヤ取りトレードは、複数のFX業者で売りと買いの取引(両建て)をして、為替の変動リスクを減らし、FX業者間のスワップポイントの差益を得る取引方法です。

スワップポイント

取引をする2国間の通貨には政策金利差があります。
金利の低い国の通貨を売って、金利の高い国の通貨を買う取引をすると金利差分(スワップポイント)の差益が発生し、
金利の高い国の通貨を売って、金利の低い国の通貨を買う取引をすると金利差分(スワップポイント)の差損が発生します。

日本円(金利が低い)を売ってメキシコペソ(金利が高い)を買う取引をした場合、政策金利差分(スワップポイント)の差益が発生し、
メキシコペソ(金利が高い)を売って日本円(金利が低い)を買う取引をした場合、政策金利差分(スワップポイント)の差損が発生します。

日本とメキシコの政策金利差

スワップポイントにはニューヨーククローズの時に(日本時間の朝方)判定があります。
判定時間の前に決済をしてしまうとスワップポイントは売買ともに発生しません。
(時期により米国標準時間と米国サマータイムで1時間違いがあります。)

基本的にスワップポイントは毎日発生しますが
土曜日、日曜日、祝日分のスワップポイントはFX業者によって付与日が違います。
下の表のように水曜日に付与するFX業者が多いです。
(水曜日の判定時間にポジションを保有していると3日分のスワップが付与されます)

スワップカレンダー
取引日 米ドル/円 ユーロ/円
付与日数 付与日数
-/-(月) 1 -10 8 1 9 -12
-/-(火) 1 -10 8 1 9 -12
-/-(水) 3 -30 24 3 27 -36

FX業者によって売買スワップポイントの差に違いがあります。

サヤ取りトレードの流れ

FX業者の選択

スワップポイントのサヤ取りトレードはFX業者間のスワップポイントの差益を得る取引方法なので
FX業者のスワップを比較し
買いで取引をするFX業者(買いスワップポイントの大きい)と
売りで取引をするFX業者(売りスワップポイントの小さい)を選択します。

FXで異業者両建てのやり方

上の画像の条件で
A社で1Lot売り
B社で1Lot買い
の取引をした場合、1日2円のスワップ差益が発生します。

買いと売り両方の取引をしているので、為替変動による差益差損は発生しにくいです。

通貨ペアの選択

スワップポイントの大小を選択したように通貨ペアの選択もします。

通貨によって証拠金(取引をするのに必要な資金)、スワップポイントが違います。
いくらリスクが少ないといっても全くないわけではなく、労力も必要なので利回りの確認をしてから
取引をするかしないかの判断をします。

LIGHT FXさん
みんなのFXさん
の提供しているスワップシミュレーターを使って利回りの確認をします。

米ドル/円とメキシコペソ/円で比較してみます。
(わかりやすい数値で比較しています。)

条件1(米ドル/円)は

  • 通貨ペア
    ドル円
  • 1通貨の買値
    100.0円
  • 1日のスワップ
    2円
  • 取引量
    5,000ドル(0.5Lot)
  • 資金
    10万円
  • 実行レバレッジ
    5倍

です。

1ドル100円×5,000ドル=500,000円
10万円の資金で50万円分の運用なのでレバレッジは5倍になります。

シミュレーション条件1米ドル/円
通貨ペア レート(値) スワップ レバレッジ 数量 売買 資産額
米ドル/円 100.0 2 個人25倍 0.5 10万

ドル円1年間の利回りが0.4%です。

ドル円によるスワップシミュレーション

条件2(メキシコペソ/円)は

  • 通貨ペア
    ペソ円
  • 1通貨の買値
    5.0円
  • 1日のスワップ
    2円
  • 取引量
    100,000ドル(10Lot)
  • 資金
    10万円
  • 実行レバレッジ
    5倍

です。

1ペソ5円×100,000ペソ=500,000円
10万円の資金で50万円分の運用なのでレバレッジは5倍になります。

シミュレーション条件2メキシコペソ/円
通貨ペア レート(値) スワップ レバレッジ 数量 売買 資産額
メキシコペソ/円 5.0 2 個人25倍 10 10万

ペソ円1年間の利回りが7.3%です。

メキシコペソ円によるスワップシミュレーション

資金10万円、スワップポイント2円、レバレッジ5倍と同じ設定にしても通貨で利回りが変わってきます。

下の方に書いてありますが、スプレッド(売買値幅)の影響を受けるので、ここで表示された利回りよりも実際は悪くなります。

新規注文

買い注文と売り注文をするFX業者と通貨ペアが決まったら新規注文を同じタイミングでします。

注文をする前にいくつか確認することがあります。

  1. 買い注文をするFX業者と売り注文をするFX業者の確認
    これを間違えてしまうと毎日スワップ分の資産が目減りします。
  2. 各FX業者の注文数の確認
    FX業者によってに1Lotが1,000通貨だったり、1Lotが10,000通貨だったりと違いがあるので
    買いと売りの注文数にずれが生じないように注意します。
    これを間違えてしまうと為替変動によるリスクが発生してしまいます。
  3. スワップポイントの確認
    ドル円などの通貨の場合10,000通貨でスワップポイントが紹介されていますが
    高金利通貨の場合、10,000通貨や100,000通貨で紹介されているので
    自分の取引をする通貨のスワップポイントをFX業者ごとに正確に把握します。

以上のことに注意して、同じタイミングで2つのFX業者で買いと売りの注文をします。

下の表のスワップ条件で説明します。
スプレッドは0.3とします。

メキシコペソ/円でA社とB社のスワップ差は10万通貨で1日30円です。

A社(買い口座)スワップカレンダー
取引日 メキシコペソ/円
付与日数
-/-(月) 1 -100 80
-/-(火) 1 -100 80
-/-(水) 3 -300 240
B社(売り口座)スワップカレンダー
取引日 メキシコペソ/円
付与日数
-/-(月) 1 -50 50
-/-(火) 1 -50 50
-/-(水) 3 -150 150

買い5.003 売り5.000の状態のときに
同じタイミングで注文すると下の表のようになります。

スプレッドが0.3なので取引をした瞬間-300円ずつ計-600円の損益が発生します。

A社(買い口座)ポジション一覧
通貨ペア 買い
数量
売り
数量
約定
価格
約定
損益
スワップ
MXN/JPY 10 0 5.003 -300 0
B社(売り口座)ポジション一覧
通貨ペア 買い
数量
売り
数量
約定
価格
約定
損益
スワップ
MXN/JPY 0 10 5.000 -300 0

-600円スタートで1日30円のスワップ差益なので
この条件の場合最初の20日は利益が発生しません。

また、この20日の間にスワップが変動してしまい、利益が出せなくなる可能性もあります。

今後の相場が、どうなるかは誰にもわからないことだと思いますが、取引する通貨の過去の政策金利の動き、FX業者のスワップポイントの動き、キャンペーン期間などから多少の予測はできるかと思います。

注文後にすること

注文後は資産の管理をします。

為替変動による損益

まずは、為替変動による影響を受けていないか確認します。

先ほど買い5.003 売り5.000の状態のときに注文したのが
買い5.000 売り4.997へ変動した場合下の表のようになります。

為替変動しても合計の損益が-600円に変化がないことを確認します。

A社(買い口座)ポジション一覧
通貨ペア 買い
数量
売り
数量
約定
価格
約定
損益
スワップ
MXN/JPY 10 0 5.003 -600 0
B社(売り口座)ポジション一覧
通貨ペア 買い
数量
売り
数量
約定
価格
約定
損益
スワップ
MXN/JPY 0 10 5.000 0 0

スワップの確認

為替が変動しても損益にに変化がないことが確認できたら
次の日にスワップの確認をします。

買い口座のスワップが+80
売り口座のスワップが-50になっていることを確認します。

A社(買い口座)ポジション一覧
通貨ペア 買い
数量
売り
数量
約定
価格
約定
損益
スワップ
MXN/JPY 10 0 5.003 -600 80
B社(売り口座)ポジション一覧
通貨ペア 買い
数量
売り
数量
約定
価格
約定
損益
スワップ
MXN/JPY 0 10 5.000 0 -50

損益の偏り

為替の変動が少ない分には放置して問題ありませんが、変動が大きくなると資金の移動が必要になります。

片方の約定損益(含み益)のマイナス額が大きくなり、一定の基準に達してしまうとロスカット(強制決済)が執行されてしまうので
約定損益(含み益)がプラスの口座から、マイナスの口座へ資金を移動します。

今回の例の場合
買い取引をしているFX口座が-10,600円
売り取引をしているFX口座が+10,000円なので

売り取引をしているFX口座の資金の一部を銀行に移動して
銀行から買い取引をしているFX口座へ資金の一部を移動します。

A社(買い口座)ポジション一覧
通貨ペア 買い
数量
売り
数量
約定
価格
約定
損益
スワップ
MXN/JPY 10 0 5.003 -10,600 560
B社(売り口座)ポジション一覧
通貨ペア 買い
数量
売り
数量
約定
価格
約定
損益
スワップ
MXN/JPY 0 10 5.000 10,000 -350

FXの口座から銀行への出金は、数日かかってしまう場合があり、
銀行からFXの口座へ入金が振り込みだと翌営業日になる場合があります。

FXでロスカット前の資金移動

この資金移動のタイムラグをなくすために
FX業者で取引に必要な資金のほかに、補填用の資金を銀行に用意しておきます。

FXのさやどりによる資金管理2

為替変動により偏りが出た場合には、約定損益(含み益)がプラスの口座から、マイナスの口座へ資金を移動するわけですが
約定損益(含み益)と必要証拠金額は出金することができません。
出金できる金額は出金可能額で確認できます。

偏りが大きくなってしまった場合、一度決済をするか、新たに資金を用意する必要が出てきます。

一度決済する場合、決済注文をして利益を確定し、またすぐに新規注文をするのでスプレッド分の損益が発生します。

今回の取引の場合だとスプレッドが0.3(300円)でスワップ差益30円(1日あたり)なので10日間利益が発生しないことになります。

あたらに資金を用意する場合、決済注文と新規注文の必要がないので利益に変化はありませんが、
投資額が増えるので利回りは悪くなります。

このようなことも考えて、通貨選択の時に値動き少ないという所も判断材料にします。

また、2020年3月ころのように為替相場全体が荒くなっているときの取引は注意が必要です。

取引をするタイミング

スワップ付与日の違いにより取引をするタイミングが発生する場合があります。

上の方で紹介したように、土日分のスワップポイントの付与日を水曜日に設定しているFX業者が多いですが
週末に付与するFX業者も多いです。

今回の取引方法では二つのFX業者を利用します。
その二つのFX業者でスワップポイントの付与日が週末と水曜日に分かれる場合があります。

このようになると取引を始めるタイミングと、取引を終えるタイミングが出てきます。

買いの取引をするFX業者が週末にスワップポイントの付与日
売りの取引をするFX業者が水曜日にスワップポイントの付与日だった場合を例にします。

月曜日に取引を始めた場合

月曜日に取引を始めた場合下の表のようになります。

A社(買い口座)スワップカレンダー
取引日 メキシコペソ/円
付与日数
-/-(月) 1 80
-/-(火) 1 80
-/-(水) 1 80
B社(売り口座)スワップカレンダー
取引日 メキシコペソ/円
付与日数
-/-(月) 1 -50
-/-(火) 1 -50
-/-(水) 3 -150

買い口座の合計スワップポイントが240円
売り口座の合計スワップポイントが-250円
になります。

金曜日に取引を始めた場合

金曜日に取引を始めた場合下の表のようになります。

A社(買い口座)スワップカレンダー
取引日 メキシコペソ/円
付与日数
-/-(金) 3 240
-/-(月) 1 80
-/-(火) 1 80
B社(売り口座)スワップカレンダー
取引日 メキシコペソ/円
付与日数
-/-(金) 1 -50
-/-(月) 1 -50
-/-(火) 1 -50

買い口座の合計スワップポイントが400円
売り口座の合計スワップポイントが-150円
になります。

タイミング

取引を始める前に取引に利用するFX業者のスワップカレンダーを確認して
売りスワップポイントが3日分付与の次の日から
買いスワップポイントが3日分付与の前日に取引を始めて

取引を終える前に取引に利用するFX業者のスワップカレンダーを確認して
買いスワップポイントが3日分付与の次の日から
売りスワップポイントが3日分付与の前日に取引を終えると
数日分のスワップ差を作ることができます。

最後に

2020年の3月以前は1日数回のチェックでしたが、3月は常にチャートを開いている状態でした。
週末に知り合いの人と最近は月曜日が来るのが怖いよねと話したのを覚えています。
このような時期は早く起きたり、ストレスが発生したりと時期によっては労力のかかる取引方法です。

家庭菜園の
肥料や鉢を用意(FX業者の選択)、時期に合った植物の種を選び(投資時期と通貨の選択)、植物に毎日水をあげて(資金管理)、時期が来たら収穫(決済)
とすごく似ているので
適当に鉢や土を用意して種を植えて放置するのではなく、しっかりとお世話をしてあげます。

時期に合わない植物は無理して植えない(投資をしない)ことも大事です。

投資に関する注意事項

このブログで紹介をしている情報は元本や利益を保証するものではありません。
為替の取引を行っている以上、為替相場の変動、政策金利の変動などによる損失が発生する可能性があります。
投資の対象、取引の仕組、リスクについて十分な理解の上、 ご自身による判断と責任において取引をお願いいたします。
投資対象について、投資行動や運用手法を推奨するものではありません。
投資に関する最終決定はご自身の判断にてお願いいたします。
投資によって発生する損益は、すべて投資家の皆様へ帰属します。
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